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『隣』
4-2
ヤッベェ、メッチャ楽しい。
中学よりも明らか経験と実績と身長とタッパがあるせいか、迫力あるし、見てるだけで熱くなる。

やっぱ第一希望野球だな。
でも折角だから他のも見とかなきゃな自由見学出来るウチに。
とりま明日から全部見て回ろう。

漸く最近スマホを携帯した阿波路といつもLINEを活用している奏に明日から一緒に全部見に行こうぜとLINEした。

1時間後、奏からは返信があったのだが。
問題児が居た。

あ〜もぉ、阿波路。

どうやら初めてのスマホで未だLINEが分かってないらしい。
既読さえ付かない。
多分携帯を携帯してないに違いない。
鞄中入れっ放しとか、違う部屋に置きっ放しとか、充電したままとか、そんな感じだろう。

頼むから早く使いこなせる様になってくれ。
仕方なしに俺は帰宅後電話する事を決めた。

家電で阿波路に電話しながらスマホで奏と話す。
阿波路がLINE活用出来たらグループ通話出来るんだけどなぁ。
うん、今度奏に阿波路にレクチャーしてくれと頼もう。
俺より教え方上手いし。

話すのが楽しくて長話してたら親から怒られた為、仕方なしに宿題をする事にした。
あ〜あぁ。
まっ、また明日話せば良いか。

LINEでまた明日な?と可愛らしいスタンプを送るとそれ以上に可愛らしいスタンプが送られてきてニヤニヤした。


翌日から俺達は放課後色々な部活を見歩く事にした。
因みに二人が興味を示さない運動系は朝練と二人が見に行かない日で見る事に決めた。

んが、コレは大変な事態をもたらす。
ヤバい。
部活、何処も楽しすぎ。
元々悩んでいたのに、余計悩む羽目になってしまった。
第一希望は最初っから決まっていたが、第二希望が増え過ぎて、アレもコレもしたくなってしまった。
これでは優柔不断に拍車を掛けてしまうだけだ。
仕方なしにまだ見終わっていない楽しそうな部活の見学を諦めた俺は、結局最初っから決めていた野球部に
「お願いします」
「おう、宜しくな」
入部届けを出したのだった。


因みに奏は美術部に、阿波路は華道部に入った。
奏は想像出来てたけどさぁ。
ちょっ、何故華道部に入った?阿波路。
似合い過ぎだろ、マジウケる。
奏から聞いた話だと、見学に行ったら何故か着物着せられて華を生けさせられたんだけど、阿波路のセンスが有り得ない位奇抜過ぎて逆に顧問に気に入られたらしい。
他の人のは初心者なら誰でもしそうな代わり映えのない生け方だったから、余計その奇抜さがウケたらしい。
尚且つ綺麗で着物が似合ってるから、部員集めの為是非入って欲しいと頼まれたらしい。
いや、それ最後のが本当の理由なんじゃね?顧問。
まぁ、定員割れしたら同好会行きだし、何処も人を集めるのに必死なんだな。
って、コレ先に茶道部に行ってたら茶道部に無理矢理入れさせられてたパターンだな。
まぁ、華道はセンスも良くなるし、自分も磨けるから良いんじゃね?
部活の合間に美術部と華道部には顔を出そう。


そんなこんなで。
って、ごめん。コレ言ってみたかっただけ。
正式に俺達が入部して1ヶ月が過ぎた。
最初は慣れない高校生活と部活の両立に苦しんでいた俺達を含めた皆も、毎日にゆとりが出来始め安心したのも束の間
「あっ、今週ドッカで全教科抜き打ちテストすっから」
担任が爆弾発言をした。

ちょっ、マジか?

あくまで抜き打ちだからいつするのかは教えないが、あるのは各授業事らしい。
つまり数学だったら、明日の授業でなのか、明後日の授業でなのか分からないって事になる。
因みに流石に今日はしないらしい。
でも今週中って事は明日から気が抜けないって事だよな?
多分だらけだした俺達に活を入れる為に先生達が提案したのだろうが、余計なお世話だ、コノヤロウ。

「あっ、因みに簡単な問題しか出さないから80点以下取ったら追試な?」
ちょっ、もう担任マジフザケンナ。

クラスの殆どがフッと悲しい目をした瞬間だった。

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あきゅろす。
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