嘘つきlovers。 6 シン…、と空気の緊張度が上がった気がした。 「…つまり君は、俺が雪に危害をくわえるとでも…?」 とても静かな声なのに、…いや、静かな声だからこそ、 彼が醸し出す雰囲気はものすごく冷たく、恐ろしく。 「可能性の話です。」 そんな冷ややかな空気にのまれることもなく、蘭はキッパリと言い切った。 「その可能性は、ゼロだよ、」 残念だけどね。と全く残念ではなさそうな顔で、くつくつと笑う園田彰。 …ぞくり、とした。 「君はさ、雪のシンユウだと言ったけれど、」 あぁ、逃げたい。 「この子の何を知っているのさ?」 …できることなら、消えたい。 「…どういう意味ですか。」 どうして神様は。 「俺と雪はねぇ、」 ここまで俺を、追い詰めるのだろう。 「昔、「会長。」…なあに?雪。」 「僕に大事なお話があるのではなかったのですか…?」 期待するような顔で、少し遠慮がちに。 「早く、聞きたい、です…。」 言葉尻は、小さく。控え目に。 「そうだね、シンユウ君と話している暇なんてなかったな。」 聞きたくない。本当は何も。 だけど、 蘭に知られるよりはマシだと思った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |