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嘘つきlovers。
3




夏休みが終わって、授業が始まった。

何年か一度の定期清掃のおかげで、寮は一層ぴかぴか!

とは言ってももともときれいだったから、これ以上ほんとに必要なの?と思っていたのはここだけの話。




俺の部屋を一緒に使わない?という彰の誘いを丁寧に丁寧にお断りして、俺は蘭との同室のまま。


彰と会えたからといって、1年半お世話になった蘭をひとり残して彰のところに行くのも違う気がして。



蘭は、「雪、ばっかじゃないの?僕に気つかわなくていいのに」と言いながらも、よろこんでくれた。


その証拠に、その日は無理やり一緒にお風呂に入らされて、またまた背中をごしごしと洗うサービスまでつけてくれた蘭だった。






授業が始まると、学校にある生徒会室に彰と行くことが多くなって。


「なあ、雪」


「なにー?」


「今日、俺の部屋、泊まらない?」


「…え」



この日も、次の行事の予算組について考えたいから相談に乗って、と俺は彰に連れられ生徒会室にいた。


するとそこで、思わぬお誘い。



「やだ?」


「う、うぅん、そんなわけない。泊まる」


「…いいの?」


「…うん、もちろん」


「やった」



彰はホッとした顔で書類に視線を戻す。




あぁ、きた。そう思った。





今日はもともと夜ごはんを彰の部屋で作ってあげる約束をしていて、

明日は学校が休みだし、ご飯を食べたあとにでも当たり前に「泊まってくだろ?」と聞かれるとおもってた。

でも彼がわざわざあらかじめ、慎重に、許可を、取るから。

緊張した面持ちで、俺の答えを、待つから。



彰と再度心を通じ合えてから、彰はたくさんキスをくれた。でも、それ以上は、まだもらっていない。


やっと会えた。



俺たちが生きてきた17年。そのうち会えなかったのは1年と少しなはずなのに、

今では、よく生きていられたなとさえ思う。

それくらい、すきで。



だからこそ、触れたいと、おもう。触れてほしい、とも。





どきどきと、鼓動が早くなる心臓の音が、どうか彰に聞こえていませんように。

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あきゅろす。
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