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嘘つきlovers。
2



「ひどいよなー、生徒会のやつら」


「ふふふ、いじられるなんて彰らしくないね」




解散して、俺と彰は部屋に戻ってきた。

俺は仮の寮に申請を出していなかったから自分の部屋はなくて、一度実家に戻ったのだけれど、

それからしばらくして生徒会の話し合いがあるからと仮の寮の生徒会室に来たのだ。


会議が終わったあとはまた実家に戻ろうと思っていたのだけれど、するりと自然に俺の手を取る彰に、敵うはずもなかった。


彰の部屋のベッドはきもちくて、ここほんとに仮の寮なの?と思いつつ座る。


「でもね、俺たのしいよ」


「俺がいじられてるのが?」


「あれは、みんな彰のこと許してくれてるってことだよ」


「そういうもんかぁ?」


「うん。俺、だいすきな彰がいて、だいすきな蘭や薫先ぱいがいて、みんなでこうやってわいわい話せるの、たのしい」


「…俺への"だいすき"と、如月たちへの"だいすき"は同じ?」


「…」


「…雪ー?」


「ばか。知ってるクセに」


「知ってるよ、だからこそ聞きたい」



俺の前に立った彰が、かがんで囁く。俺の顔を両手でつつみながら。


ずるいよ、こんなときだけそんなかっこいい顔するの、ずるい。


「ち、がう…もん…


彰のことは、


あいしてる…」



彰は満足げな顔をして、ちゅ、とキスをくれた。



「ははっ、雪、真っ赤」


「〜!うるさいっ俺、実家帰る!」


「だーめ。帰さないよ、雪」


彰はそう言って、俺をそっと腕の中にしまった。抱きしめる、というよりも、しまいこむような、壊れ物を扱うような。


最近はずっと、そう。


「雪、あいしてる。



あいしてるよ、



だから、」




ー 離れないで




最後まで言わせないように俺は、強く強く、彰を抱きしめた。


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あきゅろす。
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