[通常モード] [URL送信]

嘘つきlovers。
1

ジリリリリリ…


ガシャン


けたたましく鳴る目覚まし時計を止め、


俺はかけ布団をまくってベッドに座った。


いつも、通り…


「じゃ、ない…。」


いつもみたいに、涙が出ていない。


というより、


「眠れなかった…。」


そう、俺は怖かった。


いつものように、夢を見るのが、俺は怖かった。


「おはよ。」


ガチャリと個室を開けてリビングに入ると、


蘭はいつも通り、「おはよう、雪。」と言いながらコーヒーカップを傾けた。


「雪、顔色悪いよ…?今日休む?」


心配そうな顔で、俺を見る蘭。





昨日、生徒会長紹介のあと、

蘭は俺の手を引いて舞台を降りた。


空気を読まない奴が、「姫ーっ!」なんて叫ぶのも一切無視して、


ずんずんと体育館を出る彼。


その顔は怒っているようでもあったし、哀しんでるようでもあった。


「蘭…、俺「雪っ。今日は、何…何食べる?」」


久しぶりに、ルームサービス頼みたいの。いい?、


そう言った彼の声は、ものすごく震えていて。


「うん、おっきな、ピザ食べたい…。」


俺は、また何も言えずに、彼の優しさに甘えてしまった。




[次へ#]

1/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!