嘘つきlovers。 1 ジリリリリリ… ガシャン けたたましく鳴る目覚まし時計を止め、 俺はかけ布団をまくってベッドに座った。 いつも、通り… 「じゃ、ない…。」 いつもみたいに、涙が出ていない。 というより、 「眠れなかった…。」 そう、俺は怖かった。 いつものように、夢を見るのが、俺は怖かった。 「おはよ。」 ガチャリと個室を開けてリビングに入ると、 蘭はいつも通り、「おはよう、雪。」と言いながらコーヒーカップを傾けた。 「雪、顔色悪いよ…?今日休む?」 心配そうな顔で、俺を見る蘭。 昨日、生徒会長紹介のあと、 蘭は俺の手を引いて舞台を降りた。 空気を読まない奴が、「姫ーっ!」なんて叫ぶのも一切無視して、 ずんずんと体育館を出る彼。 その顔は怒っているようでもあったし、哀しんでるようでもあった。 「蘭…、俺「雪っ。今日は、何…何食べる?」」 久しぶりに、ルームサービス頼みたいの。いい?、 そう言った彼の声は、ものすごく震えていて。 「うん、おっきな、ピザ食べたい…。」 俺は、また何も言えずに、彼の優しさに甘えてしまった。 [次へ#] [戻る] |