ストック
6
「ち、ちがくない、けど…、
知ってるとは思ってなくて…。」
だって一度も喋ったことなかったし、僕ってば全然目立たないし…。
「何言ってんだよ、クラスメイトだろー?覚えてるし!」
わわ、なんてかっこいい笑い方するんだろう、この人…
なんか、やばい、直視できない…!
「ん?どうした?下向いて…
恐いのぶり返した?」
「い、いや…、うん、なんか村崎君の笑顔が…眩しすぎて…」
「はぁ!?なんだソレ!意味わかんないし!うける!」
はははは!とさっきよりも激しく笑う慶くんだけど…やめてください、その笑顔、心臓に悪いです。
「ってか皆川だって俺の名前知ってんじゃん。」
「や、それは、まあ…」
あんなに目立つんだからそれは当たり前っていうかなんていうか…
「まー、とりあえず、改めてよろしくな、皆川!」
「う、うん!こちらこそよろしく。」
僕は、差し出された右手を握った。
…しばらくこの右手は洗いたくないな、と思った。
「っていうか村崎君、恐いのはぶり返さないと思うよ?」
風邪じゃないんだから。と言ったら、
「ぶはっ、何だよ今更!
やっぱ皆川おもしろいわ!」と爆笑されてしまった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!