ストック
2
「あーあ、どうにかお近づきになれないかなあ。」
「ねー。でもそれはちょっと難しくない?
生徒会の方々って雲の上の存在だし。」
「わかってるよお。ただ言ってみたかっただけだしい。」
夢くらい見させてよお、と匠タクミちゃん。
彼も僕と同じ1年生で、園田様の親衛隊の一人。
ゆるゆるな喋り方で、とても可愛い子。
目がくりくりしてて、髪の毛は少し長めかな?
肩につくかつかないかくらいはある気がする。
すごい綺麗な髪でうらやましいっ。
…ま、足音だけで園田様が来るのがわかってしまうのはどうかとおもうけどねっ。
「あはは、ごめんごめん、
僕もお近づきになりたいなっ。」
「でも潤ちゃんは会計の村崎様と仲良しじゃあん?」
「えっ!?」
「よく一緒にいるでしょお?」
「あ、ま、まあ、ね。あ、でも、中学の時同じクラスだったからってだけで、うん、それだけ。あはは」
「へえ、そおなんだあ。」
「うん、そうなのっあはは」
「あははー。」
…言っちゃ悪いけど、こういうとき匠ちゃんが鈍くてよかったとおもう。
「そういえば聞いたあ?」
「なになにー?」
「外部から来た子、」
「あ、今年珍しくいるらしいね?」
「そおなの、なんかその子ねえ、
"姫"とか呼ばれちゃってるらしくてえ」
「えー!?何ソレ!」
「生意気でしょお?
だから先輩があ、制裁するって言っててえ。」
「え、"制裁"?」
「まずは呼び出しい?なんか僕たちにも来いってさあ。」
「え、そうなのっ?」
「1年生の中で幹部に近いの僕たちらしいよお。」
やったね、と匠ちゃん。
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