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黒子のバスケ小説集(BL)






俺には好きな人がいる。



かわいくて、しっかりしてる人。
でもちょっとガサツなところもあって、そんなところがまたかわいい。



結構鈍感。
俺がめちゃくちゃアピールしてることにまったく気付いていない。
たまにイラつくこともあるけど、そこもかわいい。




そう。俺はそいつにゾッコンだ。あいつが手に入るなら、他には何もいらねぇ。



俺の好きなやつは……





「コウ! いつまで寝てやがんだ! 遅刻すっぞ?!」

「ん〜……無理ぃ……」



俺の親の、ユキだ。




「たくっ……」

俺がなかなか起きずにいると、ユキは部屋のカーテンを勢いよく開ける。

「うっわ……まぶい……」

俺は布団を頭の上までかぶる。


「おい! 起きろって!」

「……ユキうっさい」

「あぁ?! ……って、うわ!」

ギュッ……


俺は布団を退かし、ユキの腕を引っ張り抱きしめる。



「あんまうるさくするなら……その口、塞いじゃうよ?」

「はぁ?」

俺がグッと顔を近付けると、ユキは何されるかわかったのか体を強ばらせる。


うわー、顔真っ赤ー。
こういう反応されるから堪んないだよ、ユキ。


「やっ、やめっ……」

「キスさしてくれたら起きる」

「なっ何言って……つぅかもう目ぇ覚めてんだろ?!」

俺はジッとユキの目を見つめ、どんどん顔を近付けていく。

「なっ……お、おいっ……」




「何やってんだよ……」




その声を聞き、ユキは肩をビクッとさせる。
俺は顔を上げ、俺の部屋の前に突っ立ているヤツを睨む。


「見てわかんねぇの? ユキにキスしようとしてんだけど」

「はぁ?」


そいつは部屋の中に入り、無理矢理俺とユキを引き剥がして、ユキを抱き上げる。

そいつはすごみを利かせ、キレてるオーラを満々に放つ。



「何すんだよ……涼太」

「そんなこと……許すわけないじゃん! ゆきサンは俺のなんだから!」

涙目でこっちを睨んでくる男……こいつも俺の親だ。




「おまえのもんじゃねぇから、バーカ。つぅか珍しく早起きじゃん」

「ゆきサンの身の危機に寝てられるっかっつーの、アホ息子」

「おい、朝っぱらから喧嘩すんなよ。めんどくせぇ」

「わかったっス! ゆきサンがそう言うなら♪」


いっつもデレデレ鼻の下伸ばしやがって気持ち悪りぃ。
つぅーか、さっきまでのあのオーラはなんだよ。ギャップありすぎだろ。

ユキは何でこんなバカなヤツと結婚したんだ? とっとと離婚しちまえばいーのに。

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あきゅろす。
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