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雨上がりの澄みきった空の下。
みずたまりの中に座り込んで。
傷を負った細い腕で、弱々しく抱きしめて。
そうして何度も、その名を呼んだ。


『――』


それなのに、一度もこたえは返ってこない。


『――、』


その頬を震える指先でうすくなぞっても、なんの反応もない。


『……――?』


目を開けてくれ、と、願うのはただ、それだけなのに。
こんなにも震える声で、呼んでいるのに。


『……――ぃ…っ』


たまらずに、縋るようにその名を呼んでその体を抱きしめて、祈るように、空を見上げた。

雨上がりの空は、青かった。

いつだか並んで見た空に、よく、似ていた。


けれど。

腕の中のぬくもりは、目を開けて、同じように空を見上げてはくれなくて。

愛しいぬくもりは、あの日のように、曇りなく笑ってはくれなくて。



『……め、ん』



だから、目の前の青が黒にかき消されて。
赤すらも、黒の中に消えていく。
見えない傷が、痛みを増していく。




『ごめん、ごめん、……ごめん……っ』




2人分の謝罪は重なり、けれど、どこにも届かずに。
途方もないその黒の中で、溶け込むような色のない涙が、ただ、零れた。
こんな腕では、こんな自分では、抱きしめることは、出来なかった。





『―――、』




(僕らは、ソラになりたかった)





届かなかった言葉と、伝えられない想い。
あの日あげられなかった慟哭は、今もまだ、黒の記憶とともにある。



























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あきゅろす。
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