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中学編
入学式


桜舞うこの季節。ここ帝光中学校では入学式が行われていた。



『―――これで、挨拶を終わります。』



礼をすると拍手がおこる。俺は舞台から降り自分の席へと戻る。
生徒会長の俺は最後の挨拶をしなければならない。司会者が挨拶をし、「解散」というと生徒たちが一斉に動き出す。
俺もある場所を目指して歩き出す。




















ガチャ、とドアを開け、着いたのは屋上。やっぱり屋上が一番だな。生徒会室も落ち着くんだが、今行くと大量の書類が机に山済みになっているから行きたくない。



『…風が気持ちいいな』



フェンスに寄りかかろうとドアの前から歩き出したが、フェンスの下に、仰向けで寝ている生徒を発見。…ッチ、先を越されたか。じゃなくて!誰だ、サボっているのは。



一応誰か確認しておく。俺こうみえても全校生徒の顔と名前覚えてんだよ。もちろん入ってきたばかりの一年生も覚えているさ。さてさて、サボっているのは誰かな?


ひょい、と頭の上から覗き込む。わぉ、イケメンだなぁ。色黒に青髪っていったら、バスケ部の青峰大輝じゃねーか。うちのバスケ部めちゃくちゃ強いんだよなー。……そんなことよりも、起こすか。



『おーい。』



…反応なしだな。次は頬をぺちぺちと叩いてみる。すると徐々に開いていく瞼。少しの間、まばたきをしていたが、だんだん意識がはっきりしてきたのか、目を見開いた、次の瞬間。



ゴッチーン!!!



『「いってぇ!!!」』



青峰がいきなり起き上がってきたので、でこどうしが見事にクリーンヒット。あまりの痛さにうずくまる。 あー…頭がぐわんぐわんする…。青峰は再び仰向けに寝転んだ。



『オイコラ、いきなり起き上がってくんじゃねぇ!』


「知るかよ。いきなり目の前に顔があったら普通驚くつってんだよ」


『まぁ、そうだな』



頭もだいぶマシになってきたし、よっこいしょ。と言いながら立ち上がると「ジジィか」と突っ込まれた。失礼な奴め!




「ていうかお前誰だ?」



………うわぁ…すっごい今更な質問だなぁ。



『…生徒会長の五十嵐蓮斗。あっ、君の事は知ってるから別に構わないよ』


「あーそう。」



間。



「は?生徒会長っ!?」



がばっと体を起こしてこっちをじぃーっと見てくる。



『……その目、信じてないな』


「あー…何かあんまり賢そうに見えねぇ。(イケメンだが)」


『悪かったな!!馬鹿そうで!!これでも俺頭いいんだよ!!』


「…マジか」


『本気で不思議そうな顔すんじゃねぇ!!!』



全く、失礼な奴だな。おっと、もうこんな時間か。


腕時計を見ると、入学式が終わってから30分位経っていた。



『ヤバイな。そろそろサボっていることがバレる』



それじゃ、と言い屋上を出ると1人の少女とすれ違った。



(ピンクの長い髪をなびかせながら屋上に入っていったのは)
(彼の幼なじみの桃井さつきだった)



その後屋上から怒鳴り声が聞こえた。桃井さんも大変だな。




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