巡り会えたのは
ちらちらと、
あの子達と別れ、一人食料品売り場に向かい色々と見回る。
(安い物…安い物…)
そう頭の中で念じながら値段を見ていく。三人、しかも高校生の彼らがいるから節約しないと。高校生って食欲旺盛だよね。特に青峰君とかめちゃくちゃ食べそう。
安い肉やら野菜やらを大量というぐらいかごに入れてレジに向かった。
集合場所に着くと、だるそうに椅子に座っている青峰君とその隣に無表情の黒子君がいた。
『後は黄瀬君だけか』
「黄瀬ならあっちに居るぜ」
だらーんと、もたれながら指をさした先に目線を向ければ、女の子達に囲まれた(それも大量に)黄瀬君がいた。
何あれ。
ぴしぃ…!と固まる私を見て、くつくつと笑い出す青峰君をよそに、黒子君が口を開いた。
「まぁ、黄瀬君はモデルですからね」
仕方ないありませんという黒子君はもう見慣れているのが、平然と座っている。いや助けようよ
いまだに笑っている青峰君はほっといて『ねぇ』と呼びかける。
『変装する意味あったの?』
「ないですね」
きっぱりと断言した黒子君に顔が引きつる。
『ここに荷物置いておくからちゃんと見ててね、青峰君』
「はぁ?何で俺なんだよ」
『いいからいいから』
「いや、よくねーよ!」
『んじゃ、ちょっと行ってきます』
「はい」
「無視かコラ」
後ろから聞こえる声を耳で流し、女の子達の集団へと歩き出す。脳裏に浮かぶ出来事を振りほどきながら――
(…やだ、なぁ…)
(ちらちらと、頭の中を横切る)
(昔の光景―――…)
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