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巡り会えたのは
カラフルな彼等



今日は、知り合いの子を預かる日。















仕事が終わってゆらゆらと揺れる電車の中、ふとこの前電話で話した内容を思い出した。その内容は単純で、仕事で家に居ないから子供を預かってほしいという事だった。
子供と言っても高校一年生の学生さんだ。最初は断っていたのだが、どうしてもと言われ渋々了解した。


電車が駅につき降りると夏には丁度いいぐらいの夜風が顔に当たる。駅から家(マンションだけど)まで、徒歩で約10分でいける距離だ。暗い街中を歩くとヒールの音が響く。街中と言っても、少し歩けばとても静かでどちらかと言うと住宅地に近い。だからこそここのマンションを選んだのだけど。


マンションの中に入ってエレベーターに乗り上へ上へと上がる。ドアの前に立ち、バックから鍵を取り出し開ける。――そう、開けたまではよかったのだが、開けてからの疑問が。電気が点いているのは知り合いの子が居るからだろう。夜に連れて行くと言っていたし。それはまぁいいとして。問題は次だ。何故知らない靴が3つもある。確か預かるのは一人だけだったはず。何で三人になってるの?


ここで考えていても仕方ない。開けっ放しのドアを閉めてヒールを脱ぎ、リビングへと向かうとそこには見知らぬ男の子達がいた。



「お帰りなさい」


「わっ!?」



横からにゅっと出てきた男の子にびっくりして少し声が裏がえってしまった。何この子、影が薄すぎて全く気付かなかった。



『えーっと、ただいま?』


「どうして疑問形なんですか?」


『いや、なんとなく』


「そうですか。あ、すみません。勝手に上がり込んでしまって」



申し訳なさそうに眉を下げる彼が可愛く見え、私より少しだけ高い位置にある頭を優しく撫でる。それにしても綺麗な髪だねぇ。



「………」



おとなしく撫でさせてくれる彼に嬉しく思いながら、恐らく私に気付いていない二人を見る。


黄色の髪の子は椅子に座ってスマホにイヤホンをさして、多分音楽を聴いてる模様。青色の髪の子はソファーにうつ伏せで寝転んでいる。微かに寝息が聞こえる。寝てる、のかな?


水色の髪の子に青色の子を起こしてもらい、全員椅子に座るように指示し、私は自分の部屋へと向かった。バックを置き、スーツからラフな格好に着替えて再びリビングに戻る。


私は水色の子の隣に座る。前は黄色の子で斜め前が青色の子だ。



『色々聞きたい事があるのだけれど、まずは名前教えて。私、神崎美咲ね。よろしく』


「黒子テツヤです。よろしくお願いします」


「黄瀬涼太ッスよ」


「…青峰大輝だ」



黒子君、黄瀬君、青峰君、か。忘れないようにしないと。でも黄瀬涼太ってどこかで…。あ、モデルの子か。



『あのさ、黒子君に1つ聞きたいんだけど』


「はい、何でしょうか?」


『確か、預かるのは君だけだった筈だよね?何で三人になってるの?』


「それはですね。急にこの二人が泊まりに来まして、帰そうと思ったんですけど、黄瀬君の親は海外旅行で居なくて、青峰君は家出らしくて…」


『家出って』


「あ゙?文句あっかよ」


『…。まぁ、そういうことならいっか。じゃあとりあえず、今日は寝ようか。色々と詳しく決めるのは明日にしよう。仕事も休みだから。寝る場所はそこの部屋のベットと、押し入れから布団出して寝てね。じゃ』



椅子から立ち上がり、必要な事だけを言い、ひらひらと手を振りながら私は自分の部屋へと向かった。



(この子達と関われば何かが変わる)
(そんな予感がしたんだ)




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あきゅろす。
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