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花火(Zoro・学パロ)



「お邪魔しまーす。」

カタカナ推奨が、ガラガラと大きくて立派な引き戸を開けて、靴を脱ぐ。


そのまま、広い廊下を渡って居間に入れば、もう世界史教師ロビン先生と同級生のサンジ君がいた。


「あら、カタカナ推奨ちゃんじゃない。」

「おお。いらっしゃいカタカナ推奨ちゃん。」

「カタカナ推奨ー!」

チョッパーが飛び込んでくる。
ロビン先生は読んでいた本から目線を外し、
サンジ君はトントンとリズムよく切っていた手を止めた。

「ロビン先生もいらっしゃったんですね。」

「ええ。サンジ君にお呼ばれして。」

「俺も呼んでくれたんだ!」

「お前はオマケだ。」

「ひでえぞ!サンジ!」


「じょ、冗談だよ。ま、目的は、仲間同士で集まって、パアーっと騒ごうってやつだ。」


カタカナ推奨は笑った。

「ルフィもまだ来てないね。あと・・・2組のブルックと、フランキーとナミね。ゾロは?」


「あいつは、縁側の方で稽古中だ。」


「はーい。」


ぱたぱたとスリッパの音を立てながらその縁側へと向かう。





「おお、カタカナ推奨。」


剣道部の部長を努める彼は、振っていた竹刀をゆっくり下ろした。

カタカナ推奨は、縁側に座ってタオルを持ち、石段の上に置かれてあるサンダルに履き替えた。


「はい。」


汗だくなゾロに渡す。サンキュ、と言って受け取った。


「来たぞー!!!」

大声で叫ぶはルフィ。

サンジー!飯はまだか!?という声にまだだ!座っておとなしく待ってろ。という返事が聞こえる。


「サンジ君料理、うまいもんね。」

「そうか?胃の中に入ればみんな同じだ。」

「そういって、いつもがつがつ食べてんじゃん」

「それとこれとはちげえよ。」

「ゾロってさ、サンジ君と仲がいいのか悪いのか分かんないね。たまに真剣な話するのに。」


「そうか?」

「ま、見てる側からしても面白いけど。」


「そうやって楽しむな!」

パコ!と頭をはたかれる。

「ちょ、!竹刀はいかん!痛い!」



「おい!レデイーに何してんだ!」

サンジが、作り立てのおやつを持って立っている。

「おお!ナイスタイミング!サンジ君」

ゾロはあまり嬉しくないような顔をしている。


「ナミ姉さんが、フルーツを持ってきてくれたんだ。カタカナ推奨ちゃん、口に合うか分からねえが・・・」

サンジはスッとデザートの入った器を差し出す。

「ありがと。サンジ君。」

そのデザートが、なかなか輝いているように見えた。

「いやいや。カタカナ推奨ちゃんにそういってもらえると嬉しいよ。」


そういってまた、奥へと行ってしまった。


ゾロはまた、ブンブンと剣道の練習をし始める。



時間がゆっくりと流れ、奥の方から、晩ご飯のいいにおいが流れ込んでくる。



「行くか。」


「うん。」



中へ入っていくと既にいつものメンバーが揃っていた。

「ほほーう!カタカナ推奨さんじゃないですか!いきなりですが、おパンt「見せるかっ!!!」ゴフッ!!!」


「ごめんねーカタカナ推奨ちゃん。いつもこうなのよ。こいつは。」

「なぜナミさんも・・・」

カタカナ推奨もナミも握りこぶしを握りしめたまま両際に立つ。


「相変わらずファンキーなやつらだぜ!」

「よし!食べるか!」

「やっぱり、サンジ君コックさんに向いてるんじゃないかしら。」

「うめえぞ!これ!なんて言う料理だ!?」

「うーん。見た目もすごく可愛いから、女の子受けしそうね。」

「明日も俺の弁当の中に入れてくれ!毎日!」

「誰がおめえの為に作るか!おい!そこ!それはカタカナ推奨ちゃんやナミさんやロビンチュワンの為に作ったやつだ!」


「いいだろ。別に。」


「いいなわけねーだろ!」


「どう?チョッパー楽しい?」

「おう!ウソップって、何万キロ先でも見えるんだって!」


「おーい!諸君たち!こちらで第一発目の花火を確認したぞ!」



ウホーと目を輝かせ走りよるルフィ。



するとパーンと2発目が大きくあがる。その歓声を聞いた花火は儚くも空中で静かに闇に消えてゆく。


「スーパー儚ねえぞコノヤロウ!」

「消えんじゃねー!」


私の目の前には、花火に見とれる愛しき人。儚いものを見て、その瞳にはどう映っているのだろう。


いつかそんな目で見てくれる日が来るのだろうか。


「今めっちゃ切ない。」


ゾロがおもむろに振り返る。
「俺もだ。」


首を縁側の方に戻し小さく笑う。


「おっ、茄子だ」

「いや、あれはトマトだろ。」

「はは!野菜ばっかだ!」

「ふふ。夏野菜とかけてるのね」

「今年はバリエーションに富んでるんじゃない?」



あれこれ話すうちに数時間。あっという間に時間は流れ、最後のフィナーレ。ここぞとばかりに、沢山の花火が一斉に打ち上げられ、歓声も高まっていく。



そして、最後の花火が大きく夜空を飾ると、また、夏の静けさが戻ってきた。


「すごかったわね。」

「時間が経つのは早いな。」

「もっかい上がんねーかなあ・・・」

「よーし!この俺が、直々に会長と相談しにいこう!」

「えー!!ウソップ顔広いんだな!すげえなー!」


花火が終わるも、ここでは賑やかなのは終わらない。

「また来年も見れたらいいね。」

「ああ。・・・カタカナ推奨。ちょっと俺の目を見ろ。まっすぐに。」

「え?」

「迷惑かもしれねえけど。」

「・・・」

高鳴る鼓動。一瞬、間が開いてゾロは、しきり直すように、またトーンを変えて口を開いた。

「毎日一緒にいてえ。お前の事が、好きだ。」




「よーし次は線香花火すっぞ!」
「カタカナ推奨ちゃーんんナミすわーん、ロビンチュワーン。デザートできたよ〜。」
「ありがとう。」
「やっと言ってくれた!」
「え!?」


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あきゅろす。
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