空手ガール(Ace・学パロ)
早々に私は、空手部に入部した。
カタカナ推奨は今2年生だ。
去年入部して、今年で2年目になる。
新3年生に、エースさん、ローさん、マルコさんがいる。
この3人が中心となって部活は回っている。去年は、その3人に、新1年生として可愛く扱われたもんだ。そして今年、新しくまた一年生が入った。
特に目立ったのがルフィという後輩・・・
「エーーーース〜〜〜!!」
「お!ルフィじゃねえか!空手部に入部か?」
どうやら兄弟のようで・・・
「ああ!決めたんだ!エースもいるって聞いてよお!」
エースは一瞬苦笑いをしたが、今度は試すような顔でルフィを見つめた。
「練習はつらいぞ?ついてこれるかな。」
その言葉にルフィはムッとした。
「ついていける!」
汗を吹きながらローも笑った。「もしお前が倒れたら俺が看病してやるよ。」
エースとマルコはおもしれえ!とバカ笑いした。
「絶対、倒れねえ!」
「じゃあ、せいぜい頑張るんだよい。」
マルコも笑って、ルフィの背中を押した。
「まずは基本からやるぞ。」
空手の基本。まずは型から入る。エースだけでなく、ローもマルコも型は本当に綺麗だ。蹴る姿も、打つ姿も様になっている。
カタカナ推奨はエースから目が離せなかった。
「(エースさん、かっこいいなあ。・・。私にはあんな風にはできないや・・・。)」
一つ一つの動作が丁寧なのに力強い。「カタカナ推奨!ちゃんとやれ!」
「あ!はい!」
先輩から注意を受け、自分も練習に入る。
「エースよりも強くなるぞ!」
ルフィも物言わぬスピードでどんどんうまくなっていく。
そして、練習し続けて2時間。
この日最後の練習は終わった。
「エース!スイカもらったぞ!」
マルコが大きなスイカを片手に持つ。
「2年生のナミっていうやつからだ。カタカナ推奨の友達だってなあ」
「ナミからですか!?(あとでお礼言っておこう。それか、何か奢らなくちゃ。)」
「食べるか!」
練習を終えた者たちが、ぞろぞろと、熱気に包まれた武道場から外に出る。
冷たく感じる風が、頬を通り過ぎた。
「涼しい。」
包丁を握ったエースがサクサクと切り分けていく。
みんながおのおの好きなものを取っていき、エースたちは最後に余ったものを手にとった。
風がまた吹き抜ける。
カタカナ推奨が座り込んだ隣にエースが座った。
「うめえなコレ。」
「ナミは、みかんも育ててるんですけど、夏はスイカもやっているようですよ」
「そりゃすげえな。空手部代表してお礼を言うよ。」
「はい。代表でエースさんからって、また伝えておきますね。」
プッと種を飛ばす。カタカナ推奨も、真似して種をプッと飛ばした。
「カタカナ推奨はなんでさ、空手部に入部したんだ?」
いきなりの質問にカタカナ推奨は戸惑った。もちろん、学校に入学擦る前にすでに決めていた。
その姿を見たとき、私もあんな風になりたい、と強く思った。
女だが、あのように強くなりたいと本気で思った。
なにより、エースさんがとてもかっこ良かった。
エースが試合に出場した時、観客席で見ていた私は、その姿が目に焼き付いてまだ瞳の奥に映っている。
「そりゃ、エースさんに憧れていたからですよ。」
またスイカの種をプッと二粒も同時にとばした。
エースはそれを見ていたからなのか、その言葉に笑ったのかは分からないが、また騒がしい弟が増えたみたいだ、と笑いながら言った。
空手ガール
「せめて妹って言ってくださいよ。」
「いいじゃねえか!弟も妹もそんな変わらねえよ。」
「ち、違いますから!」
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!