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ストリートシンガー(Lufy・学パロ)

いっつも同じ毎日だぞ?

同じ教室毎日同じみたいな授業

何かよお、あの机にしばられてるみたいで、何かつまんねえな!




「・・・って言ってもよ、ルフィ、」



屋上にあがり、毎日の愚痴をこぼすルフィに

偶然居合わせたゾロは、口を割った。


「お前の気持ちはよく分かる。でも、これがこの時代の決まり事って言うやつだ。」


ゾロの言葉にルフィは顔をしかめた。


「そんな決まり事ぶっこわしちまえりゃいいのに。」



「そんな事言ってる暇があったら、勉強しろ。勉強を。」



「いーーーや!!」

より声を上げてルフィは叫んだ。

「俺には、勉強よりやりてえ事がたっくさんあるんだ!」

「何を?」

「しっしっし。言わねえ。お前もついてこいよ。」

「目的も分からずついていくバカがいるかよ。」

「ついてこねえなら、教えねえ。」

「・・・少しばかりお前に矛盾を感じたんだが・・・。」

「ゾロ。俺は自分のやりてえ事をする。

だから、自由にならなきゃならねえ。」

「おいおい、そりゃニートって意味か?」

「ニートじゃねえ。そんなんより、もっといい。」

ルフィは上の空を見上げた。海の風が吹いて、ルフィを連れて行きそうだった。




「海にでてみてえなあ。」

そんな唐突なルフィの言葉と、鳴り止まぬ自分の鼓動に、ゾロは苦笑いをした。


「そりゃ、放浪って言うんだぜ?やめておけ。この時代じゃすぐ問題になりかねんぞ。」


「何か、いけそうな気がすんだけどなー。


そろそろ時間だ。またこんな話しちまったな。」


チャイムの合図とともにルフィは立ち上がった。


「ほんと、お前が言う事は、マジか気まぐれなのか、分かんねえわ。」


「しっしっし。よし!帰るか!」

ルフィは無造作に置いたバックを手に取り、ゾロの肩を叩いた。
ゾロはポリポリと頭をかいて、バックに手を伸ばす。



「だああーーーーー!」ルフィの声が後ろから聞こえる。だだだだだと走る音。ゾロはまさかと後ろを振り返った。

「アホか!ルフィ!!」

気づいたときには既にゾロも空中にいた。


「うお〜〜〜〜〜!!」

ガシャン!と乗り越える衝撃でフェンスが壊れて、ルフィはバランスを崩した。



「「え〜〜〜〜〜!?」」




二人とも真っ逆さまに落ちていく。空中にいる時間が長く感じた。
二人は、運良く木の葉に突っ込んだ。



そして、その日陰でひっそりとトランポリンの練習をしていたブルックという男のお陰で、事態は免れた。




「てめえ!屋上から帰るやつがあるか!」




ボヨ〜ンとブルックとともに跳ね上がる。今日この日一番の最高新記録を叩き出した。


「そ、そ、そ、空から人が降ってきたんですけど・・・え〜〜〜〜〜!?」

ブルックは泡を吹いて倒れこんだ。



「くそっ!誰にもばれねえうちに、逃げるぞ!」

「何で!?」

「アホか!お前が飛び降りたとこのフェンス、壊れちまっただろ!あれがばれりゃ、タダじゃおかねえぞ!」

「しっしっし!そうだな!行こう!」

「笑うな!」

後ろのほうで、倒れこんだブルックに何人かが駆け寄った。二人は、鍵の閉められたゲートに向かって走り、壁をよじ登るように乗り越えた。


二人はストン!と身軽に着地する。


ハァハァハァ、と息を切らした。


「しっしっし!おもしれえ!」

「なんとか逃げ切れたな・・・、ありゃ確か2組にいたブルックだ。顔を見られてなけりゃいいが。」




心配するゾロをよそに、ルフィはにやにやしながら帰路につく。


「じゃあな!」

満足そうに手を振るルフィ。

「また騒ぎおこすんじゃねえぞ。」


「おう!」



ルフィは、バックからごぞごぞと何かを探す。
「あった!」
出したのは、音楽プレーヤー。
歌ならなんでも好きなルフィに、サンジが、俺使ってねえからとくれたものだ。
両方の耳にイヤホンをつける。


すると、サンジが好きそうな音楽が流れた。
「ししし。サンジこんな曲いれてたのか。」

笑ってると、肘がイヤホンの首にあたり、片方がブランと揺れた。

「おっといけね・・・」


慌てて掴む。すると、ギターのジャン!という音と、観客の拍手の音が耳に入った。
「誰だ?あんな道の端で座り込んで・・・」

ルフィも目が釘付けになる。イヤホンから流れる曲が空中で消えていった。

“ありがとうございました!”

女の人は優しく微笑む。その透き通った声にまた引きつけられた。

「なんでサングラスなんかしてんだ?あんなもん外してもっと堂々としてりゃいいのに。」

女の人は観客が帰るまで、ギターで少しのメロディーを奏で続けた。

ぞろぞろと見物人がそれぞれの道に帰っていく。

「(このお客さん、まだ帰らないんだ・・・)」

どうしようもなく、メロディーを奏で続けた。

ルフィだけが、まだその場に残っていた。


「おい!」

トン!とギターの弦を押さえた。

歌う人には、本当の名前じゃなく、別の名前を使って活動していると言う事をウソップから聞いた。たまに、本当の名前で歌っている人もいるんだと。


「お前の本当の名前は何だ?」

「え・・・?」

「あるんだろ?しっしっし!」

「えー・・・と。」女の人は一瞬困った顔をしたが、その後は笑顔で答えた。
「カタカナ推奨です。アンズっていう名前でほとんどここで活動してます。」

「歌、聞かせてくれよ!俺もっと聞きてえ!」

「ア、アンコールですか?」

「おう!」

思わぬ客人にカタカナ推奨は、驚きながらも、それを求める存在の嬉しさに顔を歪めて、ギターの調節をする。


「まだ、途中までしかできてないんです。」

そう笑って、自然に、前奏に入った。
声が周りの人たちをまた呼び寄せた。ルフィは特等席で嬉しそうにかがみ込む。

そこで、本当は止まっていたメロディーだったのか、一瞬曲が止まったが、また、優しい旋律がつながっていく。

結局最後まで歌ってしまった。

“みなさん、最後まできいてくれてありがとう。”


一番目を輝かせていたのは、アンコールを促した当本人のルフィだった。

「そうだ!うちの学校に来いよ。毎日、同じみたいでつまんねえんだ。学園祭とかで、ライブしてくれ!誰でも参加できるからさ。」


今度は、ストリート・シンガーの顔が輝きを増した。

「本当!?いいんですか!?」

「おう!俺、ダチつれて行くからさ。お前の音楽気に入ったぞ。音楽プレーヤーにいれてえぐれいだ。」

カタカナ推奨は、その嬉しさに口元が緩んだ。


「楽しみだ!明日もくるぞ!」

トリート・シンガーの始まり


「そうだ!メアド?教えてくれ。」
「え?あ、はい!」


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