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Sensual Love
ヒトリボッチ
窓辺に佇む後姿がある。

頬が、月光に青白く浮かんでいる。

「どうして、一人ぼっちなの?」

自分の言葉に呆れた。

何を言い出したんだろう。

言ってみて、胸を突き刺してくる痛みに襲われる。

どうして、気づいてしまったんだろう。

彼の一人ぼっちに。




彼の一人ぼっちは、僕の一人ぼっちだ。
 
どうして、どこまでもどこまでも、一緒にいることができないんだろう。

どうして、完全に一つのものになってしまえないのだろう。

完全に一つのものになれないなら、地球上にどれだけ人が棲んでいようと、互いに一人ぼっちだ。





「どうして、泣く?」

「わからない」

彼は、こちらにきて、僕の濡れた頬に触れてきた。

「寂しいからだろ?」

「僕の寂しさじゃない」

「わかってる。俺の寂しさに、泣いてるんだろう?」

そうだ。彼の寂しさが、つらい。

頬に当たる手をそっと握った。

「好きだ」

「知ってる」

「好きだ」

「知ってる」

「好きだ」

「……」

「好きだ」

「……」

「好きだ」

僕は、何度も、告白したが、もう、彼は、答えてくれなくなった

それでも、彼の寂しさを埋めたくて、告白し続けた。

だが、彼は、ずっと、寂しそうなままだった。


















20090727

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あきゅろす。
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