[携帯モード] [URL送信]

U sideHIDE
崩壊

頭痛がして目眩がして吐き気がして耳鳴りがする。もう長いこと、白と黒と、そして、白から黒にいたるまでの曖昧な色しか見えてない。世界は鋭角を失って、きれいだったものも、好きだったものも、色褪せている。球体の安定さが、その調和した形状が、急におぞましく見え、バスケットボールを投げ捨てていた。

「主将ッ?」

後ろからの呼ぶ声を無視して、体育館を出た。外廊下を這う蟻を踏み潰しながら、更衣室に向かった。だんだん、俺は、壊れていく。残暑の異常な灼熱のためでなく。

[次へ#]

1/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!