[通常モード] [URL送信]

Tails of Sister!
04


「…妹。どうしたんです、これは」


ジェイドが鍋を見て、無表情で言った。


「…湯豆腐だけど?」

「えーっ!?マジかよ!?成長期なんだからもっと精のつく…肉ー!!肉が食いてぇよ!」


暴れるロイドに、机をバンッと叩く。

震えたロイドを睨んで、私はおたまを空中で回した。


「この世にはね…食べたくても食べられない人がたくさんいるの。豆腐が食べられるだけでもいいと思って!」

「う…でもよぉ」

「でももへちまもない!」


また強く机を叩く私に、兄二人が冷めた視線を送る。


「いつの時代の人間だ?あいつ」

「言っていることは立派ですがねぇ」

「別に俺ら食いぶちに困るような稼ぎしてねぇよな?」

「あまーーい!」


私がスピー○ワゴン並のツッコミをすると、兄は若干ひいて私を見た。


「この場合意味が通りませんよ、妹」

「それはどうでもいいの!とにかく今日は湯豆腐!豆腐はたくさんあるから!」

「くそー…俺がジェイドたちみたいにデかくなれなかったら妹のせいだぞ」

「背を伸ばしたいなら、トマト食え」

「なんでだよ!?」

「ボーノトマトボーノトマト!」

「うわああ妹が壊れたあああ」


「買い物の間に妹に何があったんだよ…」


尊いことを学びやたらテンションの高い私と、一緒に湯豆腐をつつく兄たちであった。






[*前へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!