美食日記 07 それから、結局たくさんの料理を全員で囲むことになった。 会わなかった間の話を、お互いにたくさん話す。 ふと、耀が菊の隣の空いた席を見た。 「名前はどこ行ったあるか」 「あれ、そう言えば…」 キョロキョロと見回すが、そこには彼女の姿は無い。 「そこに座ってた人なら結構序盤に帰ったっすよ」 「え!?」 香が気のない声で言った言葉に、湾が怒った。 「どうして教えてくれないのよー!」 「だってコソコソ帰ってたし…気を利かせた的な?」 湾は怒るのを止めて、耀に言った。 「今度お礼しなきゃいけませんね」 「…そうあるな」 このままじゃだめです! 大好きな人たちには、仲良くして欲しいんです! お節介でも構いません! 名前の必死な表情を思い出し、耀は笑った。 そして、彼女が座っていた席を見て、また笑った。 「ちゃっかり完食して帰ってるある」 「やだ、名前さんらしい!」 「食い意地のことだけは忘れてないんだぜ!」 「ふふ…」 綺麗に完食された皿に、彼女の笑顔を思い出す。 早く彼女に料理を作ってやりたいと耀は思った。 みんなで食べよう 「…食べ足りないなぁ…」 [*前へ] |