美食日記 01 昨日に引き続き、耀さんの店で夜ご飯を食べようと、あえて早い時間にヨンス君と一緒に帰る。 アルがブーブーうるさかったけど、私の食欲に勝てる人間なんていない。 隣でチョルッチョルーと謎の歌を歌っているヨンス君を横目で見ながら歩いていると、前方に白い着物の男性が見えた。 男性はおろおろと周囲を見渡している。 「?」 「名前!ちょっと駄菓子屋寄るんだぜ!」 「あたしは外で待ってるよー」 楽しそうに駄菓子屋に入って行くヨンス君を見送った。 男性に話しかけてみることにする。 「あのー。どうかなさったんですか?」 男性は振り返ると少し躊躇ってから眉を下げて話し始めた。 「実は、散歩中に居眠りをしていたら飼い犬がいなくなってしまいまして…」 「大変ですね。どんな犬なんですか?」 「白い…こう、モコモコした犬です。あの…」 「私も探すの手伝いますよ!どうせ暇なんで」 私が腕を捲ると、男性はふわっと笑った。 「恐れ入ります、すみません」 [次へ#] |