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Dearボリック
ピアスを探して三千里
早朝、その声がめざまし代わりとなった。

「あーーーーーーっ!」

叫び声に慌てて飛び起きる少女が一人と慌てて部屋を開ける少年が一人。

「どうしたんですか、マリア」
「どうしたの、マリア!」

少女…リリスの静かな声に重なって、少年…ディアの焦った声と荒々しく開けられたドアの音に遮られる。

「無いのよ、あれが!」

「無いって、何が?」

「馬鹿ディアっ!あれで解りなさいよ!ピアスよ、ピアスっ!私がいつもしてるピアスよ!」

騒ぐマリアに嘆息ついて、少女…リリスは起き上がった。

「そんなことで朝から騒いでいるのですか?朝帰りしたかと思えば今度は物が無いと騒ぐ…いい加減に…」

「うっさいわね!あんたにとってはそんなことでも私にとっては一大事なのよ!」

リリスの言葉にマリアは噛み付くように叫ぶ。

「煩いとはなんですか!貴女のその高慢な態度が…」

「お…落ち着いてよ。二人とも!マリア、僕も探すから、ね?だから落ち着いてよ」

「当然でしょ!あんたは私に借りが山程あるんだからね」

「貴女という人は…」

途中、ディアが緩衝剤となるべく声を上げるも、再び言い合いになりそうになって、ディアは早々にドアの外へ出そうとマリアの背を押した。

「ほ、ほら、マリア!探しに行こう!」

嫌々背を押され、部屋を出たマリアは出ると途端にディアに言う。

「あーもう、毎度毎度ムカつく女ね!あんたが邪魔しなきゃすっきりしてたのに…いい?!絶対に見つけなさいよ?じゃなきゃあんたのそのグラサン売り飛ばすからね!」

好き勝手に言うと、マリアはそっぽ向いて何処かへと去って行った。ディアは困った表情を浮かべて、その場に立ち尽くし…幾許かしてからマリアのピアスを探し始めた。



































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あきゅろす。
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