オンシジウム 今日は10月31日!ハッピー ハロウィン!! だからあたしも、全身真っ黒な服に、この間任務で寄った星で阿伏兎さんに買ってもらった黒猫の耳と尻尾を付ける、といった仮装姿で(一応黒猫のつもり)、いろんな団員さんからお菓子を貰いまくっていた。(船内で1番年下だと、こういう時に得だと思う) そして、次のターゲットを探して廊下を歩いていると、あたしの前方に見えて来たのは見馴れた桃色の頭。迷わず桃色の元へとダッシュした。 『トリック・オア・トリート!』 「…」 『あ、あの…団長?』 「ん?」 『トリック・オア・トリー…』 「うん、わかったわかった。トリック・オア・トリートね?」 『なんだ、知ってるんじゃないですか』 「当たり前でしょ?名前馬鹿にしてんの?」 『そうじゃないですけど…。じゃあなんで1回目は無視したんですか?』 「無視なんてしてないよ」 『え?』 「え?って…。名前はさ、トリック・オア・トリートの意味知ってんの?」 『知ってますよー?』 「じゃあ言ってみ?」 『お菓子くれなきゃいたずらするぞ!…ですよね?』 「うん。だから黙ってたんだよ」 『?』 「だからー、要は俺が名前になんかお菓子あげなきゃ名前は俺にいたずらするんでしょ?」 『え、それって…』 団長にいたずらしろ、と…? 「うん。そうゆうこと」 「…」 嫌な汗が吹き出してくる。 団長。それはある意味死刑宣告ですよ…。団長にいたずらするなんて、自分の命を捨てることに等しいじゃないですか…。 「ほら、名前いたずらするんでしょ?」 『い、いやそれはあのー…』 ニコニコ… 『え、遠慮しときます…』 「えーっ」 『え、えぇー…』 「じゃあいいや」 すると団長は、はい、と言って団長はあたしに片手を出した。 お菓子をくれるのかと思えば、手の中には何もない。 『?』 あたしは意味が分からず首を傾げていると、 「トリック・オア・トリート」 『…へ?』 「10秒以内ね?」 『いや、あの…意味が…』 「10秒以内にお菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ」 『え゛』 「ほらほら早くー。10、9、8、7、…」 「う、うわああああ!」 ちょっとした遊び心で 可愛い小猫を捕まえに行こうか ← [戻る] |