潤と祐二のその2 楽しい楽しい霊体験 10 おっす。 おはよ〜。 俺さ・・妙な夢を見たんだ。 聞いてくれるかな・・。 俺な。 暗闇の中で、もの凄いサイレンを聞いたんだ。 今まで聞いたことがないようなけたたましい音だった。 俺は「春!」って叫ぶと小さな女の子を抱えながら走るんだ。 火の粉を手で払いながらひたすら、人の波に飲まれるように走った。 俺は息が切れていた。 腕はしびれ、ちぎれそうなくらいに痛んでいた。 『春』は俺の顔を見上げながら言ったんだ。おろしていいよって・・。 俺は耐えきれずに腕から春をおろしたんだ。 そして、また、あのサイレン・・。 あっという間に人に押され、春と手を離してしまった。 そして、あっという間に春を見失って・・。 何故、この手を離してしまったのだろう。 手を見つめる俺。 その手は女の手だった・・。 ふうっ。 こんな夢だった。 見たこともない映像・・。 少女の顔?それが思い出せないんだ。 何かの暗示なんだろうか。 [前へ][次へ] [戻る] |