長編 夏 3 「はー涼しい。」 バシャッと思いっきり水しぶきを上げながら川に飛び込む。 エイのやつは、川辺で足だけを水に浸けていた。 「なんだよ。お前も入ればいいだろう。」 「わたしは、服まで濡らすのは嫌ですので。」 ま、エイの奴が服まで濡らして川に入るわけないよな…… 川の中は、水が澄んでいて、鮎が泳いでいくのがはっきりと見える程だった。 見てしまったからには、捕まえたくなるのがさがと言うものだ。その後、1時間近く川魚との格闘を繰り広げたが、結局1匹も捕まらなかった。 挙げ句に 「まったく、風邪を引いてしまいますよ。」 と説教をくらった。 まぁ、そんなことを見越して焚き火を起こしてるあたりが、エイの凄い所なんだが…… しかも、どうやって捕まえたのか火の周りには、3匹の鮎が焼かれていた。 聞いてみたが、企業秘密らしい…… 前へ次へ |