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長編
count 1

12時20分、チャイムとともに、社会的拘束とも言える授業からの解放がもたらされた。


眠気を誘う春の日差しがさす、窓際1番後ろの席で昼飯のパンを食ってたら、目の前の席にいきなり影が出来た。



「よう、ハルカ。何しけた顔してんだよ。」

「何がようだよ。昼飯の時間にわざわざ登校かよ、バカレンよ。」



この、オレの目の前でオレの最後のアンパンを勝手に奪い取って貪り食っている野郎は友…いや、多分親友のレンだ。少なくとも、レンの奴はそう思ってるらしい。



「ま、学校なんてただの繰り返しだしよ、つまんねーて言うか…な。…それよりさ、お前の再生時間が後3ヶ月ってのは本当か?」

「…あいっかわらず情報早いな。…どこから仕入れた。」

「企業秘密。」

「……あっそ。」

「で、本当なのか?」

「……ああ。」

「まだ、あいつに会ってないよな…」

「……」

「どうすんだよ。」



こいつの、こんな真剣な顔見たのは久しぶりな気がする。いつもおちゃらけてるくせに……

悔しいが、こう言う時に、ああ、こ
いつは親友なんだなと思ってしまう。


だからといって、これ以上、この事に触れていたくはない。あいつの気持ちはわかる。だけど…だからこそ、こいつには話たくないんだ。







さっき食ったパンが引き起こしている喉の渇きを潤そうと立ち上がった。


「おい、どこ行くんだよ。」

「飲み物買いに行くんだよ。」

「……はぁ、わかった。じゃあ、オレも行くよ。」



レンが席を立つのを横目で見ながら、教室のドアを開いた。



廊下には、昼休みのためか騒がしさが広がり、無駄に出かい窓から入る光が眩しく映った。





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