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アイマイモコ
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あの出来事が金曜日の事だったから、次の日にあの重たい空気の中を学校に行かなくて済んだ。
俺は、アイツの気持ちが本当に分からなくなってきた。
どうして財布なんて…

でも考えても仕方ないので、その事を頭のほんの片隅に残しつつ、俺は取り敢えず今日のことだけを考えた。

今日は同窓会。

みんなとの久しぶりの再会に暗い顔はしないように極力、昨日の出来事を忘れることにした。


「あ、瑞樹?」

「…は?」

あ‥確かコイツって、陸と仲良くしてた奴の1人だ。名前は…そうそう、川原だ。

「川原っ!」

「うわぁ嬉しい!お前覚えててくれたんだ?」

「当たり前だろ」

「…‥。なんかお前イメージ変わったな?前より話しやすい!」

「……」



まぁ…こんな感じで、俺のイメージも時間が経つにつれて崩れていき、1時間後には普通に声をかけてくれるようになった。
だけど、こんな時も俺は時間ばかり気にするのは‥多分、陸が来ないからだと思う。
俺は貸切の喫茶店を後にし、一度外へと出た。しかし辺りを見渡しても陸の姿はなかった。

すると、


「──よっ」

「…っ、雄大!?」

「うわぁ瑞樹、お前かよぉ〜」

「……」


──そこにいたのは、陸と3年間同じクラスだった友達の佐原雄大だった。
相変わらずのイヤミっぷり。

雄大は背があの頃よりもかなり伸びていて俺と同じくらいになっていた。けど、その後ろにはやっぱり陸は来ていなかった。
俺は、てっきり雄大と来るもんだとばかり思っていたのに。

「あれ?…おい瑞樹、そういえば陸はまだ来てないのか?」

「…え?」

「陸だよ、アイツ今日ここに来るとか言ってなかったか、って聞いてんだよ!」

「あ、悪い‥わかんないや」

「……」

昔から雄大の目は苦手だ。

雄大は、いつも陸の心配をしていた。だから俺は雄大と話してる時、全てを見透かされてるじゃないかと緊張してしまうんだ。

雄大は冷たい目でしばらく俺を見ていたが、それはすぐに逸らされ、集まっていた同窓生の所まで行ってしまった。

「っ、はぁ‥肩が凝った」





「え…?陸なら来ないぞ」

「は?」


──けど時間を気にしていたのも虚しく、それから程なくして他の同窓生がそう言った。

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