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蒔田さんの恋の行方
蒔田氏


待ちに待った新入社員が入ってきた。
今日は、いい酒が飲めるな。

人の倍の仕事をさせても、涼しい顔して定時には、終わらせ、帰宅する。
それが、蒔田幸司。本日も卒なくこなし、定時前には上がっていた。


真木田眞御くん。
会議室で撮った写真を眺め、脳内で記憶した映像を再生し、余韻に浸っていると、着信が鳴る。

チッ
至福の時間を邪魔された。


「…なんだ。」

『ご機嫌ななめ〜?
機嫌いいと思ってかけたのに!』

「貴様から電話がくるまではな」

『えー!
酷い!今日さ、飲みに行かな「行かない。」

『ちょっと、誘ってる途中で言われるのは、いくら幼馴染でも傷つくよ?』

「切る…『え、あ、あの、蒔田さん…ですか?
本日から入社した真木田です。
すみません。いきなり代わってと言われたもので。
今、桜田さんに誘われて、移動中なんですけど、
良ければ、蒔田さんともご飯行きたいです。
無理にとは言わないので!いきなりですみません。』

「………。」

『……あ、あの…』


「……桜田に代わってくれ」


『ほんと、すみません…。』

遠くで、『桜田さんに代わってと仰ってます』と怯えた様子が伺える。

『どお?来る気になった?』

代わった瞬間勝ち誇った様な声質で、問いかけてくる、幼馴染の桜田陽(サクラダ ヒカリ)。


「…コロス。」

ブチッーーー



プーっプーっ

「…切られたー」

「…絶対怒ってますよ。俺、また明日顔合わせるんですよ?どうすれば、いいんですか」


真木田くん、焦ってるなー。
可愛いなー。


「大丈夫だよ。」

「…何が大丈夫なんでしょうか。」

「あいつは来るよ」


丁度、着いたし、現住所送っとくか。


《蒔田幸司》を画面で選択すると、
送信ボタンをポンっと押した。







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