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蒔田さんの恋の行方
いきなり

カシャ、


静かな室内に鳴り響く…




カシャ、カシャ、カシャ、カシャ

「………。」

カシャ、カシャ、カシャ、

「…………。」

…カシャシャシャシャシャシャーーーー

…あ、連写になりおった。

なぜ、俺は今、皆が憧れて止まない蒔田さんに写真攻めにあっているのだろうか…。

色んな角度から、しかも真顔で。


「もう少し目線を向けてくれ。」

「あ、すみません。」

「…なかなか。」


言われるがままカメラに目線を向けると、満足してもらったのか、鳴り響いていたシャッター音が収まった。


………んー。


「…お役に、立てたでしょうか。」

あまりにも気まづく、声をかけてみた。

「まぁな。」

無愛想にそう言うと、サッと携帯を目の前に出してきた。


「…あの、何でしょうか」

「自分で考えてみろ」


考える?これを?
どういう………


っ!?…
…そうかっ!これは、なにか品定めをされているんだ!
じゃなきゃ、こんな変な事はしない!
試されてるんだ俺は!

でも、なんだ?
蒔田さんは、俺に何を求めている。

携帯だろ?自慢してるのか?
まぁ、機種は最新だけど、発売から、何ヶ月も経ってるし俺も同じ機種だし。


何か言わないと、怒らせるよな。
これからに響くのはごめんだ。何でもいいから、言っちゃうか!
蒔田さん!俺、いっぱい考えたんです!
考えました!








「…連絡先、交換しませんか。」


「…………。」


「…相談とか、したいので、良ければ…なんですけど。」


「…………。」



……ですよねー!
すみません!くだらない!俺ってくだらないっ。


あれされて、何をすればいいんだ。

もちろん、蒔田さんは、無言無表情なわけで…。

考えた結果、終わったと思った。


「いいだろう。」

「…え」

「最低でも1日2回、俺に連絡を入れること。」

「………。」

「返事。」


有無を言わさず、絶対服従を誓わされた気がした。




「……はい。」





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