蒔田さんの恋の行方
3
こんな所があるんだ。
「丁度いい。ここで話そうか。」
結構な高層ビルの会社で、広いし、正直今どこにいるのか、あまり分かってない。
こんな人気のない場所で、話さなければならいない内容なの…。
表情ひとつ変えないし、話し方は、単調だし、こんな所に連れてこられるし、怖いんだけど。
想像していたのとは違って……、
いや、違いすぎて、怯えていた。
「挨拶がまだだったな。
俺は、蒔田 幸司(マキタ コウシ)。
君の指導にあたる。
よろしく。」
端正な顔立ちに、スラリとした体型、男の俺でさえ色気をも感じさせる雰囲気。
そうだ!!
この人あの有名な蒔田さんだ!
同僚ほとんどが、この人に憧れて来たとか。
俺は違うけど。
苗字同じだな〜ってしか思って無かった。
「改めて、よろしくお願いします。」
そう言って、頭を下げようと腰を曲げたのだが…
曲げたのだが……
「あの…蒔田さん…」
「?、どうかしたのか」
「どうかしました。」
「そうか、どうした?」
この人、ほんと、なんなんだ。(本日2度目)
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