極道人魚姫BL(完結済)
その2、安堵と代償
◆◇◆
俺は三日三晩考えた。
このまま生き延びたとこで、どのみちこのみっともねぇ姿だ。
泡になっちまったとしても、本来行くべき場所に行くだけだろう。
だったら、一世一代の大勝負に出るのも悪くねー。
魔女の所へ行った。
洞窟に入ったら、魔女はデカい壺でなにかを煮ている。
「おや、来たね」
「おう、なんだ、なにか作ってるのか?」
「これか、これは毒を持つ奴らを集めて煮込んだ、特製スープさ、これを飲めば若さを保てる」
「のわりにゃ、ちっとも若返ってねーな」
魔女は常にしわしわだ。
「あのな、こりゃ表向きの姿さ、見せてやろうか?」
「おお……」
あんま興味ねーが、一応見てみたい。
「よーし、じゃ、目を閉じて3つ数えろ」
「ああ、わかった、んじゃ、いっくぞー」
ひとーつ、ふたーつ、みっつ……。
「もう開けていいか?」
「ああ、開けろ」
「ん……」
期待なんかしてねー。
目の前に婆さんがいる筈だが……。
ナイスバディな金髪美女が立っている!
しかも、ぴっちぴちなビニキだ。
「ふおぉーっ! マジか」
マジで若返りやがった。
「ふん、どうだい、見直したか」
「み、見直した、つか、やらせろっ!」
人魚になって以来禁欲生活だったし、堪らず抱きついた。
「こらっ! なにをしておる」
「いーじゃねーか、ケチケチするな、ふあ〜、このおっぱい、たまんねぇ」
ふかふかの巨乳に顔を埋めた。
「お前、男に惚れてるんじゃなかったのか」
「俺は両方いけんだよ」
「なんだと?」
「な、ちょっとだけ」
「あっ、それは」
この際、婆さんでもかまわねー。
とりあえず、今は美女だ。
ビキニをずらしておっぱいをしゃぶったら、魔女は抵抗せずに力を抜いた。
「溜まってんだ、やらせろ」
「魔女と契る気か」
「どうせ死んでんだ、かまうか」
魔女は戸惑う素振りを見せていたが、強引に引きずり倒し、釜の真ん前でおっぱじめた。
ただ、俺のナニは体内に収納されていて、使う時にニョキっと出てくる。
イルカや鯨なんかと似ている。
奴らのも長いが、俺のも長い。
そのニョキっと出たやつを美女のマンコにぶっ刺した。
「ひいっ!」
婆さんは仰け反ったが、俺は久しぶりの感触に昂った。
「う、あっ、気持ちいい、出すからな」
腰はあんまり揺らさなくていい。
ちんぽが勝手に動いてくれる。
「こ、こらぁ、中に出すな」
婆さんは慌てていたが、出すなと言われて出さねー馬鹿はいない。
「うーっ!」
ちんぽからザーメンが飛び出し、快感が体中を駆け抜けた。
「馬鹿もん……、あっ、あっ、ああっ!」
婆さんは怒ったが、てめぇもいっちまってりゃ世話がねー。
「うう〜、き、気持ちいー」
思いっきり出したら、鳥肌もんで気持ちよかった。
「馬鹿が……、ハァハァ、人魚のガキを孕んじまったらどうする」
「あぁ"? 孕むって……そんな事があるのか?」
魔女と人魚がやって、ガキができるとは思えねー。
「ある、あたしゃ悪魔の下僕だ、サタンの子を産む事はあっても、他種の子を産む事はない」
悪魔の子なら産んだ事があるようだ。
「たまにはいいじゃねーか、つーか、また勃ってきた」
「あっ、お前……」
「1回出したらあとは一緒だ」
カタギの娘じゃあるまいし、魔女なんだから構わねーだろう。
ちんぽをぐねぐね動かした。
「あっ、ああっ、だめだ、あたしは……」
婆さんは躊躇しながら感じている。
「楽しもうぜ」
おっぱいをぎゅうぎゅう揉んでしゃぶりついたら、魔女は目をうっとりとさせて背中を抱いてきた。
「あぁっ、淫魔が騒ぎ出す、んんっ、もっと掻き回してくれ」
淫魔だかなんだか知らねぇが、言われなくてもちんぽはイキイキと動いてる。
本当は婆さんなんだが、今は金髪美女だ。
中を掻き回してやったら、デカい乳を揺らして悶える。
「また出るぞ」
溜まりに溜まったザーメンが玉袋に詰まっている。
ちなみに玉袋は完全に体内に埋没しているが、むらむらするから溜まってるのはわかる。
魔女を抱いてびゅーっとザーメンを放った。
「あああっ! 凄い、沢山くる」
マンコが締まり、婆さんは派手にイキ果てて抱きついた。
「へっ、あんたも溜まってんじゃねーの」
「あ、あたしゃ、貞淑なんだ、ハァハァ」
「なにが貞淑だ、ちんぽをぎゅうぎゅう挟んでる癖に」
「う、うるさい、もっとやれ」
偉そうに言ってきたから、張り切って抜かずの3発目に挑んだ。
それから後、俺はやる事に夢中になってしまい、何発も中に出してやった。
魔女はとろっとろになって、自分からキスをしてきた。
10発目に突入したが、これで最後だ。
魔女を四つん這いにして、バックから攻めた。
「オラオラ、魔女さんよー、ちんぽ気持ちいいか」
下半身は魚だが、膝をついたような体勢でデカ尻を掴み、ちんぽをズボズボ突き入れる。
「ふあぁっ、あんたのちんぽ、最高だ、いい、奥を突いてくれ」
魔女はすっかり淫乱になって腰を振る。
「ああ、あんたも普段はババアだが、この姿は最高だ、奥にぶっ刺してザーメンぶち込むからな」
最後だけに気合いを入れて突き上げ、突き当たりに亀頭を埋めて射精した。
「くっ、くああっ、いい!」
魔女の乱れっぷりは激しかった。
髪を振り乱してザーメンを受け止める。
激しい交わりが終わり、美女は婆さんの姿に戻った。
「まったく……、なにをしてくれるんだい」
婆さんは元通りに服を着て文句を言い、煮込み料理の続きをやり始めた。
「そりゃねーだろ、感じまくってたのによ」
「ふん、孕んだら責任とれよ」
「責任って、まさか結婚か?」
「違う、お前のガキだ、お前が育てろ」
「えぇ、すげーな、自分で産んどいて、知らんふりか?」
「魔女に情けなどない」
「ふーん」
やっぱり変わってる。
魔女だけに、考え方が普通じゃねー。
兎に角、つい興奮しちまったが、本来の目的を果たさなきゃならない。
「なあ、薬を貰いにきたんだ」
「ほおー、泡になる覚悟ができたのか」
「端から泡認定するな、いや……、別にいいんだがな、俺はよ、こんな人魚なんかになっちまった、本当なら今頃あの世だ、だからよ、このまま生きてたって面白くはねーんだわ」
「たった今楽しんだじゃないか、このあたしとね、ヒッヒッヒッ」
「くっ……、そりゃ、美人になったからだ、いやまぁ……それはいい、兎に角、薬だ、くれんのか?」
「ああ、やる、こっちもいい思いをしたからな、ほれ、2つだ」
婆さんは小瓶を2つ手渡してきた。
「ひとつが惚れ薬で、ひとつが人間に戻るやつか」
「ああ、青い方が人間に戻るやつだ」
「わかった、ま、やってみるか」
「幸運を祈ってるよ、ヒッヒッヒッ」
不気味な笑い方は、呪ってるようにしか思えねー。
だが、兎に角……薬は手に入れた。
「じゃ、行くわ」
「ああ」
洞窟を出て、奴をひきあげたあの岩礁へ向かった。
岩に掴まって薬を片手に持ったが、蓋を開けたら緊張感が増してきた。
波は穏やかだが、緩やかに流れる海流に尾びれをひらつかせてみる。
この体には、2度と戻れねーかもしれねー。
そう思うと、こんな半魚人の体が惜しく思えてくる。
俺は葉山に会ってどうするのか、なにも決めちゃいない。
それなのに、薬を飲もうとする気持ちが強くなる。
あいつは俺の顔を見た。
海中に消えた俺を見てどう思ったのか、幻でも見たと思ってるんじゃなかろうか。
俺だって、言い訳を考えてるわけでもないのに……意を決して薬を飲んじまった。
「くっ……」
くらっと目眩がして、岩にしがみついた。
意識が飛びそうだ。
魔女の奴、やっぱり騙しやがったか?
そう思っていると、体が楽になった。
「ん……」
足が分かれている。
海中を見たら、人間の下半身が見える。
人間に戻った。
嘘みたいに思えたが、紛れもない真実だ。
馬鹿みたいにはしゃぎたかったが、ひとまず岩礁の上に上がった。
「おお、ちゃんとついてる」
股間も無事復活していた。
しかし、真っ裸だ。
「マッパはやべぇ、ポリ公にとっ捕まる」
岩礁は岸へと繋がっているので、岩に隠れて辺りを見回した。
──と、岸から道へ出てしばらく行った場所に、住宅がいくつかある。
人魚の時はじっくり見回す気力すらなく、景色を眺めるような真似はしなかった。
人間の世界を見るのが辛かったからだが、今改めて見たら……結構家がある。
時刻はわからねーが、今は夜だ。
洗濯もんを干してる家があるので、それをちょいと拝借する事にした。
誰にも見られねーようにこっそり近づき、庭に侵入してパンツとジャージを盗んだ。
庭から出て陰に隠れて急いでそれを着た。
ところが、適当に盗んだせいで下着が女もんのパンティだった。
「ったく……」
嫌だったが、今は贅沢を言ってる場合じゃねー。
それを穿き、ジャージを着て組事務所へ向かった。
俺の槙原組は葉山の組、一心会に呑まれちまったと思う。
それでも、一縷の望みをかけて事務所に向かった。
街を目指してひたすら走ったが、体がやたら軽く、馬鹿みたいに走れる。
一度死んだせいか、人魚になったからか、理由は分からねーが、アホみたいに体力がある為、30分程度で事務所に到着した。
すると、電気がついている。
窓の端っこから中を覗いてみた。
事務所のソファーに座る男がいるが、そいつは若頭の真壁だ。
真壁に組を守る力があるとは思えなかったが、奴がいるって事は、槙原組は存続しているという事か?
行こうかいくまいか迷った。
なぜなら俺は死人だからだ。
この世から抹消されている。
俺を撃った奴も海の藻屑と化したが、ありゃ、下のもんを代わりにムショへ送って、のうのうと胡座をかいていたに違いねー。
呑気に生き長らえるつもりだったんだろうが、奴にはおあつらえ向きな死に様だ。
「おい! そこにいるのは誰だ!」
事務所からデカい声がした。
下っ端が俺に気づきいたようだ。
咄嗟に逃げようとしたが、間に合わず、飛び出してきた下っ端に見つかっちまった。
「あっ……、あのよー」
奴と向かいあったが、どう言やいいかわからねー。
こいつは確か……キヨシだ。
俺が殺られる少し前に組に入った奴だ。
うちは駆け出しの組だし、俺は屋敷を構える程稼いじゃいなかった。
マンション暮らしで、部屋住みもなしだ。
「はっ……、あ"……あ"……嘘……だろ」
キヨシは俺を見て目を見開き、口をパクパクさせている。
「なんだよ、馬鹿みてぇな面ぁしやがって、お前は金魚か?」
「お、おやっさん! 何故……どうしてここに、幽霊か? あ"……、おやっさん、おやっさんが……」
キヨシはすっ飛んで事務所に戻り、混乱した様子で捲し立てている。
「なんだ、何を言ってる、一心会の連中か? にゃろーっ!」
真壁が血相を変えて飛び出してきたが、どうやら組は存続、今はこいつが組を纏めているようだ。
「真壁、お前……」
懐かしい面を見たら、なにもかも忘れちまって、つい奴の顔に見入っていた。
「あ"……、そんな……馬鹿な、槙原組長……、おやっさん」
真壁は俺を凝視して驚き、キヨシと同様に口をパクパクさせた。
こりゃ、なにか適当な言い訳をしなきゃマズい。
「真壁、実はな……俺は生きてたんだ、で、事情があって戻れなかったんだが、ようやく戻ってこれた、組はお前が守ってくれたんだな?」
こまけぇ事はなしでざっくりと話した。
「そうだったんですか、あの……、はい、おやっさんが居なくなっちまったあと、案の定、一心会が手を出してきやした、俺らは兵隊の数がすくねぇ、まともにやりあったらやられちまう、そこで一か八か話し合いに持ち込んだんです、ある噂を耳にしてまして、向こうのボスがうちの幹部を欲しがってると」
真壁は腰を低くして頷き、俺が死んだ後の事を語った。
「そりゃあれか? 力量を気に入っての事か?」
幹部には腕っぷしの強い奴もいたが、葉山んとこは選りすぐりの強者を揃えている。
なのに、わざわざうちの人間を気に入るとは思えねー。
「それが、あれっすよ、男色のけがありまして、そういう意味で気に入ってたんす、だから生贄になって貰って、それで組を存続する事ができたんです」
葉山がバイだという事は噂で聞いていたが、うちの幹部を差し出して、たったそれだけで満足するとは……やけにあめぇ話だ。
「しかしよ、たかがそんな事で……せっかくのチャンスをふいにするか?」
「それがその……可哀想な事に、生贄になった奴は、散々オモチャにされた挙句、ダルマっす」
「えっ……」
「つまり、あちらさんは特殊な性癖を満たす為の玩具が欲しかった、しかし、カタギを攫ったんじゃなにかと面倒な事になる、だからっす」
ダルマって、四肢切断……。
「そいつは誰だ? 誰が犠牲になった」
「東堂っす」
「東堂が……、生きてるのか?」
「多分……、すんません、詳しい事はわからねーもんで」
「そうだったのか……、ひでぇ真似をしやがる」
東堂は、俺が生きてる時によくやってくれた。
だからこそ、自分を犠牲にしたんだろう。
生死は定かじゃないが、もし生きてるなら、救い出したい。
「というか……、槙原組長、あなたがお戻りになったのなら、俺は若頭に戻りやす」
真壁が頭を下げて言ってきた。
「そうか、お前には苦労をかけたな」
俺はポケットをギュッと掴んでいたが、ポケットにゃ婆さんから貰った惚れ薬が入っている。
葉山にこれを飲ますつもりだが、東堂の話を聞いたら……やっぱりムカついてきた。
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