[通常モード] [URL送信]

BL長編snatch(完結)ヤクザと高校生
Snatch58Spinning love
◇◇◇

日々寒さが増す頃、テツのマンションはすっかり自宅と化していた。

だが、本来寛げる筈の家では、テツから念仏のように『花車を辞めろ』と言われ、店に行ったら林が『親父と付き合え』と迫る。

花車をやめれば、両方一気に解決する事ができるが、ミノルは昼前に出勤して深夜まで店に居たりする。
マネージャーに言われて断れないらしいが、これ以上負担を負わせるわけにはいかず、テツと林、2人を相手に耐え忍ぶ日々が続いていた。





夜勤のこの日、ミノルと一緒に地下室の掃除に取りかかった。

「友也軍曹、準備出来ました!」

「よし、突入だ!」

ミノルにも、店長から防護服やゴーグルが支給されている。

俺達は地下室の清掃任務にあたる際、特殊(清掃)部隊となるのだった。

軍曹はバイト経験が長い俺が担っている。

中に突入したら、まず状況を把握する必要がある。

部下のミノル伍長が、好戦的にアタックしてくれるので、俺は非常に助かっている。
ミノル伍長は、部屋の内部を歩き回っていたが、ブランコの前で足を止めた。

「軍曹!敵を発見しました!」

「どんな敵だ」

「汚染物質Bランクです」

Bランクは1番最後にするのが賢明だ。

「ミノル伍長、それは後回しにしろ、汚染物質S級を探すのが先だ」

「イエッサー!」

ミノル伍長はやる気に満ちた返事を返し、引き続き敵を探して歩いた。

俺は入り口から数歩入ったところで、伍長が敵を探索する様子を眺めていたが、ふと左斜め前方に怪しげな気配を感じた。

赤い色をしたSMランク(中)の拘束台の下だ。
禍々しいオーラを放つそれは、まさしくS級ランクの敵だった。

「伍長!S級を発見した、ただちに捕縛を開始せよ」

伍長が来る前はひとりでS級処理をやっていたが、ミノル伍長は大変誠実に動いてくれる。

「了解!で、軍曹、敵は何処に」

「敵はSMランク(中)の赤い拘束台の下だ、汚染されぬように、気をつけて任務にあたれ」

「お気遣いありがとうございます!心して任務にあたります!」

ミノル伍長には、とても感謝している。

敵を捕縛し、トイレに向かう伍長を見ながら、後で缶珈琲を奢ろうと思った。

「軍曹、敵は無事流しました!」

「ご苦労、S級は恐らくあれ一体だろう、Bランク処理の前に、共に蝋を剥がしにかかろう」

「はい、軍曹、共に戦います!」

S級さえ処理してしまえば、後はただ面倒なだけの雑魚だ。
ヘラを持って、拘束台に貼り付いた蝋をこそげ落としていった。

2人でやると早いが、特殊部隊と化したミノル伍長は、普段のミノルとはひと味違う。
根暗なのが嘘みたいにテキパキと答え、キビキビと作業を進める。

蝋を剥がし終わり、放水に取りかかった。

「軍曹!放水開始します!」

「やれ」

ミノル伍長はホースをしっかりと握り、ブランコ周辺を水で洗い流していく。

俺はモップを持って離れた場所に立ち、伍長の働きっぷりに感心していればいいだけだ。


安穏とした平和な気分でいると、そこへ不審者=林が乱入してきた。

「おお、やってるな」

今の俺は特殊部隊の軍曹だ。
外部から来た不審者に構っている暇はない。

「軍曹終わりました!」

「あぁ"?軍曹……?」

「ご苦労、伍長、ここからが大詰めだ、さ、これを」

ミノル伍長にモップを手渡した。

「イエッサー!」

「おいおい、軍隊ごっこか?っははっ、ガキかよ」

不審人物=林は、我々が任務遂行にあたるのを見て嘲笑ったが、これは遊びでできるような任務ではない。

面白がる不審者を無視して、濡れた床を拭いていった。
床を拭き終わったら、拘束台を1台づつ除菌シートで拭いていき、仕上げに噴霧器を肩にかけて任務の最終段階に入る。

「軍曹、始めます!」

「よし、伍長は右から回れ、俺は左から行く」

「了解しました!」

「おおー、消毒か?」

不審者=林は我々の作業を見物していたが、お構い無しに消毒を済ませて片付けに入った。

外に出て清掃用具を片付けたら、大きなゴミ箱を前に身につけた物を脱いでいく。

我々はこれらを脱いで一般人に戻り、そこでようやく任務完了となるのだ。


「はあーあ、暑ぅー」

マスクやゴーグルまでつけていると、季節や空調に関係なく暑くなる。


「おめぇら、やたら楽しそうだな」

「そりゃあ、見てるだけならそう思うでしょうが、ここの掃除は半端ないですから」

「なに言ってんだ、軍隊ごっこして遊んでたじゃねぇか」

「今日はマシな方です、もっと汚い時もありますから」

「へえ、ま、けどよー、友達と一緒なら楽しいよな?へへー、おめぇらタメだろ?」

「そうっすけど、特殊部隊にでもならなきゃやってられません」

「ほお、そうか、工夫してるんだな」


林は初めて見た作業風景に気を取られたのか、珍しく親父さんの事を言わなかった。

「あっ……!」

───と、不意に元ミノル伍長が声をあげ、慌てたようにゴミ箱の中を覗き込んでいる。

「ミノル、どうかした?」

「あの……メガネが……中に」

どうやら、ゴーグルと一緒に瓶底メガネを落としてしまったらしいが、俺は顔を上げたミノルを見て愕然とした。

「ミノル……お前」

ミノルは目のぱっちりした……可愛い系の美形だった。

「んん?おめぇ……メガネ外したら、かなりイケてねぇか?」

林はミノルの前に身を乗り出して、顔を覗き込んだ。

「あ……あの、あの……あ……あぁ"」

ミノルは林に好意を持っている。
間近で顔を見られて動揺し、顔を真っ赤に染めてキョドった。

「ふーん、悪くねぇな、こいつ、使えるかもしれねぇ」

しかし、林はなにかを企んでいる。

「ミノルを紹介するつもりですか?」

親父さんに紹介するつもりなんだろう。

「おめぇが嫌だって言うからだ」

「いや、それは当たり前です」

林は俺のせいにするが、そもそも理不尽なのは親父さん側だ。
それよりも、ミノルの気持ちを伝えた方がいい。

「林さん、ミノルはあなたの事を好きだったり……」

「えっ、なんだ、俺か……?」

「と、友也君……メガネ……」

林は驚いた顔をしたが、ミノルが困ったように言ってきた。

「あっ、ごめん」

直ぐにゴミ箱を漁り、メガネを救い出して洗浄、消毒した。

「はい、メガネ」

「ああ、メガネ、ふ、ふふっ……あ、ありがとう……」

ミノルにメガネを渡したら、薄ら笑いを浮かべて瓶底メガネをかけた。

「なあ、ミノル」

林は待っていたかのように、ミノルに話しかけた。

「あっ……あの……は、はい」

「おめぇ、コンタクトにしろ」

「ああ"……あ……あぁ"」

ミノルは途端に緊張してガチガチに固まり、言葉が出なくなっている。

「いや、あのよー、おめぇ……さっきは『軍曹!』とか言ってたじゃねぇか、アレを脱いだら元に戻っちまうのか?」

林は呆れ顔で言ったが、ミノルはあくまでもミノルだ。

「な、ミノル、林さんがコンタクトがいいって言ってるけど、どうする?」

「は、はいぃ……します、コンタクトに……」

仕方なく俺が聞いたら、顔を真っ赤にしてOKした。

「ふっ、じゃまあー、早ぇとこ頼むぜ」

林はニヤリと笑って頷き、そそくさと退散して居なくなった。


俺は伍長としてのミノルの働きを労う為に、ミノルに缶珈琲を奢り、先にロッカールームに行って着替えを済ませた。



今日はイブキが迎えに来る事になっている。
寺島もイブキも、迎えに来る時は自分の車を使う。
寺島はプリウスでイブキはジープだ。

駐車場に行って見慣れた車を探したが、店のスタッフの車しかない。
ただ、懐かしい車が止まっていた。

アルファードだ。
あれは親父さん所有の車で、過去にテツがよく使っていたが、親父さんちの車は純正のままで、俺がナンバーを記憶してる筈がなく、親父さんの車かどうか……確証がない。

もし知らない人だったら嫌だから、さりげなく助手席側に回り込んで、少し離れた場所からこっそり様子を窺った。

「友也、僕だ」

すると、窓が開いて翔吾の顔が見えた。

「翔吾」

ほっとして、思わず車に走り寄ろうとしたが、やっぱりやめて足を止めた。
翔吾が迎えに来る事自体おかしいが、なによりも……黒木が同乗してない事が引っかかった。

「イブキは……?それに黒木さんも」

少し離れた場所から聞いてみた。

「イブキはうちに来ていた、僕が代わりに行くと言って引き止めたんだ、黒木は里帰りで今日は帰らない」

「里帰り?」

「ああ、あいつは他所から移ってきたんだ、破門とかじゃない、組が解散するからうちが引き取ったんだ、で、元の親だった人が亡くなって今日は葬儀に出てる、ただ、黒木はうちの親父に拾って貰った恩がある、親父に悪いと思って明日には戻って来るだろう」

事情は分かったが、まず……テツは今夜帰らない。
若頭な翔吾は、テツの動きを俺よりも詳しく把握している。
そして黒木が不慮の外泊で……翔吾はイブキを引き止め、自分が代わりにやって来た。

もう間違いないとは思ったが、一応聞いてみる事にした。

「そっか、分かった……、けどさー、まさかとは思うけど……その隙に、誘いに来たわけじゃねぇよな?」

「ああ、そうだ、友也乗れ」

マンションに来た時にキスされたが、あの時は黒木がいるから大丈夫だと思った。

けど、それは……甘かったようだ。

今の翔吾は、言葉遣いも昔とは違う。
高圧的な物言いになるのは、立場上仕方がない事かもしれないが、俺は翔吾にかしづく子分じゃない。

「翔吾、お前が若頭だろうがなんだろうが、そんなの俺には通用しねぇ、約束しただろ?断わる」

「言う事を聞かなきゃ、拉致るよ」

「はあ?冗談だろ、俺さ、店に戻ってタクシー呼ぶから、んじゃ……」

翔吾は馬鹿な事を言ったが、無視して来た道を戻った。

「ちっ……」

背後で舌打ちするのが聞こえたが、勝手な事をされて頭にきてるのは、むしろ俺の方だ。

「無理にでも来て貰う」

だが、車から降りてきて目の前に立ち塞がる。

「嫌だって言ってるだろ、退けよ」

鍛えてるとは言っても、身長は俺と大してかわらないし、体格もぱっと見昔と同じだ。
わきをすり抜けようとしたが、肩を抱いて腕を掴んできた。

「ちょっと、何して……」

「来い、一緒にくるんだ」

そのまま車の方へ連れて行こうとするから、藻掻いて手を振りほどこうとした。

「よせって!」

「君が素直に従えば、こんな真似しなくてすむんだ」

けど、翔吾は本当に力をつけているらしく、車のそばまで連れて行かれ、車体に体を押し付けられた。

「うっ……」

片手を後ろに引っ張られてガチャッと音がした。

「えっ……?」

懐かしい音を聞いてはっとし、郷愁すら覚えたが、手首にはめられた金属製の輪っかは……間違いなく手錠だ。

「ちょっ、いや……あの、翔吾?ははっ、ふざけてるのか?」

テツじゃあるまいし、有り得ないと思っていると、反対の手を掴もうとする。

「いやあのっ!やめろって……、マジで拉致る気か?」

焦って抵抗したが、馬鹿力で手を後ろにぐいっと引っ張られ、またカチャッという音がした。

「あっ……嘘だろ?」

久しぶりに手錠をかけられた……。
───しかも後ろ手に。

「テツに拉致られたんだったよな、僕も真似してみた、懐かしいか?」

「あのさー、俺達は親友じゃなかったのか?」

「ああ、その通りだ、ほら、さっさと乗れ」

「う"っ……マジかよ」

助手席に放り込まれ、翔吾は車を出した。


拉致られるのはこれで何回目になるのか、呆然としながら考えた。

テツ……三上……河神……そして翔吾。

4回目だとわかり、やたら感慨深い気持ちになったが、呑気にシートに座っている場合じゃなかった。


「な、ひょっとして……ラブホ?」

「ああ」

「ちょっと待ってくれ、そういうの、無しだろ?」

「黒木が僕から離れる事は滅多にないからな、もう一度君を抱く」

行先は聞かなくてもわかっていたが、そんな事をしたら……キリがないような気がする。

「もう一度って……、俺は言っただろ?お前とはその……」

「恋愛感情は持てない、親友だって、そう言いたいんだろ?ああ、よく分かってる、分かった上でもう一度って、そう言ってるんだ」



───何を言ってもだめだった。

ラブホに連れ込まれ、嫌だと言って拒否ったら、下だけひん剥かれてみっともない格好にされた。

テツに拉致られた時とそっくりな状況だが、唯一違うのは、ここは廃マンションではなくラブホで、俺はもう無垢なノンケではないという事だ。
今更、無理矢理浣腸やシャワ浣をされるのは嫌だ。
諦めて準備をすると言ったら、翔吾はあっさり手錠を外してくれた。

やる事を一通り済ませ、浴室でシャワーを浴びていると、翔吾が入ってきて一緒にシャワーを浴びたが、翔吾は泡まみれの体を抱き締めてきた。

「友也……」

俺よりも華奢だったのに、全体的に筋肉質な体に変化している。

「こんなに筋肉つくんだな」

すらっとした体型は母親に似たんだろうが、親父さんに似て筋肉がつきやすい体質なのかもしれない。
翔吾は俺の手を掴んで胸板を触らせたが、ぺっちゃんこだった胸板が盛り上がっている。

「もっと下」

次に腹筋を触らされ、逞しく進化した感触に驚くばかりだったが、キメの細かい滑らかな肌は……昔と同じだった。

絶え間なく伝う雫を見ていると、翔吾は俺の手を下へずらし、指先が突き出した滾りに触れた。

「握ってくれ」

手を操られて強引に竿を握らされたが、そこは体以上の変化を遂げていた。
淡い色が黒ずんだ色になり、経験を積んだ事を物語っていたが、元々親父さん譲りの巨根だから、前とは迫力が桁違いだ。
ぎゅっと握ったら焦れたようにビクつき、生々しい感触に興奮を覚えた。

「一緒に暮らしてるんだ、テツに色々仕込まれてるんだろ?なあ、やってみせてくれ」

翔吾はテツの事を言ったが、実際はちょっと違う。
確かに、体力があるだけに長時間責められる事はあるが、テツに強制的に何かをやらされる事は殆どない。
だから、決して仕込まれてるわけじゃないが、今それを明かすつもりはなく、しゃがみ込んで目の前の滾りを握った。

「翔吾、お前のチンコ……エロいな、前と違う」

「ああ、だろ?」

翔吾は俺を拉致った割には、嬉しそうに微笑んで答えた。
太い竿を浅く頬張って数回ストロークさせると、太竿はビクついて先走りを垂らした。
裏筋へ舌を這わせてぐるりと1周し、亀頭をしゃぶって鈴口を責める。

「う……、それ、くるんだよな」

翔吾は眉を歪めて俺の肩を掴んだが、感じてるのを見るとやたら興奮する。
小さな穴に舌先を突っ込み、柔らかな粘膜を擽っていくと、先走りが滲み出して舌先に絡みつく。
1度舐め取り、口を大きく開けて竿全体を咥えたら、舌の表面が太い血管を捉え、嫌でも気分が乗ってくる。
軽くストロークして亀頭に集中し、もう一度鈴口を責めていけば、翔吾は堪えるように体を強ばらせ、下腹の筋肉が浮き上がってきた。

「やっぱり……、上達してる、相手がテツなら……当たり前か」

翔吾はまたテツの事を言ったが、構わずにストロークと亀頭責めを何度か繰り返した。

「うっ、堪らない……」

苦しげに呟くのを聞いたら、もっと責めたくなってくる。
一気に畳み掛けてやろうと思い、竿を喉奥まで咥えていったが、半分もいかないうちに翔吾がストップをかけてきた。

「待った、それをやられたら……もたない、代わろう、僕が責める番だ」

イクまでやりたかったが、俺は拉致られた立場だ。
素直に選手交代して翔吾に主導権を渡す事にしたが、翔吾はシャワーの湯を止めると、続きはベッドだと言った。


場所をベッドに移して、仰向けになって体を重ねた。

「お前……、色んな意味で……変わったな」

俺は翔吾が強くなる事を応援する反面、どこかで寂しさを感じていた。

「ああ、変わらなきゃ、やってけないからな」

翔吾は短く返して唇を重ねてきた。
啄むような軽いキスだと思ったが、初めから貪るように吸ってくる。

「んん……、う……」

予想外の激しいキスに意表を突かれ、息が詰まって呻き声が漏れた。
堪らず腕を掴んだら、舌を挿し込まれて息苦しさに拍車がかかった。

「あっ……ぅ……」

暴れ回る舌に翻弄されていると、乳首を摘まれて体がビクリと震えた。

「ふっ……、感度上がってるようだね」

翔吾はキスをやめて悪戯っぽく笑って言い、胸板に顔を近づけて勃ち上がる尖りを唇で捕らえた。

「っ、んっ……」

舌先で擽るように弾き、巧みな動きに体の疼きが増していったが、チンコはとっくに勃っている。
心の中でテツに詫びたら、翔吾の竿が張り詰めた竿をグリグリ擦ってきた。

「っう………、し、翔吾……」

堪らなくなって背中を抱いた。

「僕も上達しただろ?」

「あ、ああ……、う、わ……」

翔吾は楽しそうに腰を揺らし、太い竿で俺の竿をグリグリ摩擦するが、俺はいくら経験を積んでも……呆気なくイキそうになる。

「ヤバい、イク……」

「そこは一緒か、けど、そう思って……用意しておいたんだ」

翔吾は体を起こしてヘッドボードに手を伸ばし、何かを掴んで戻ってきたが、手にしてるのは……戦慄のコックリングだった。

「ち、ちょっと待って……」

「すぐにイカれちゃ、楽しめないからな」

「翔吾、それ、マジで嫌だ」

「まぁ、そう言うな」

慌てたが、翔吾は太ももに跨って押さえつけ、金属製のリングをチンコにはめてしまった。
外そうとしたら、手錠をかけると言って脅す。
渋々我慢するしかなく、うつ伏せにされてローションに塗れた指を突っ込まれた。

「くうっ!」

入り込んだ指はテツみたいに太くはないが、真っ直ぐに前立腺をとらえてきた。

「アナルは綺麗なままだね、テツは意外と丁寧に扱うんだな」

尻臀を開き、指を2本に増やして前立腺を弄ってくる。

「っあ、はあ、うっ……!」

「けど、ここは随分突かれたんじゃないのか?」

そこを押し回される度にゾワゾワっとした快感が湧き出し、下敷きになったチンコが痙攣して先走りを零す。

「っ、うっ、っあっ……、くっ……!苦しい…」

体の下に手を潜らせようとしたが、手を掴まれてそのまま仰向けにされた。

「ダメだ、もうちょい我慢しろ」

黒ずんだ竿にローションを塗るのを見ていたら、ジリジリとした快感が襲ってきた。

「ハァハァ、あ……うっ」

「ふふっ、すっかりその気だな、いくよ」

翔吾は笑みを浮かべて亀頭をあてがい、俺はもう1回テツに詫びたが、体内に押し入る滾りは圧倒的な存在感で奥に入り込んでくる。
罪悪感も何もかも……いっぺんに吹き飛んだ。

「んーっ!んあぁっ……!ハァハァ、あぁっ……!」

強烈な快感が込み上げ、張り詰めた亀頭が小刻みに震えたが、テツにはこの状態で責められた事が何度もある。
翔吾もきっと同じ事をやると思って覚悟したが、意外な事に翔吾はリングを外してくれた。
リングが外れた瞬間、迫り上がる熱がピュッと勢いよく飛び出し、腹の上に飛び散った。

「うっくっ……!」

快感がじわっと滲み出し、体中に染み渡っていく。

「うううー、あぁ……ぁ……」

力が抜け、惚けた頭で近づく顔を虚ろに見ていた。

「友也……、僕はやっぱり君が好きだ、例え……君が認めてくれなくても、君がテツのものでいる限り……僕は君を見続ける事が出来る、だからこれを最後に……、どうかテツと共に、このまま居続けてくれ」

耳元に唇が触れ、翔吾の声が頭の中を駆け巡ったが、意味が分からず呆気にとられ、一呼吸置いてハッとした。

「翔吾……何を……言ってる」

「僕には黒木がいる、それに……テツは僕にとってお袋みたいなものだからな、前にも話したが……こんな時になんだけど、いいかな?」

不安になって聞いたら、逆に聞き返された。

「ああ……」

「僕は……子供の頃、みんなが羨ましかったって言っただろ?ほら、参観日も発表会も大抵母親がくるからって」

「うん…」

「で、僕に最初についた奴は……親父の前じゃペコペコしてたが、僕と2人の時はウザがってた、ぞんざいに扱うとか、そういう意味じゃなく、僕の命令には忠実に従った、だけどさ、単に命令に従ってるだけで、本当はガキのもりなんかウザイと思ってる、そういうのってさ、なんとなくわかるじゃん」

翔吾は昔の口調に戻っている。

「ああ、そうだな……」

「だけどテツは違った、ムカついて泣いてた僕を抱き締めてくれた、嬉しかった……、だから僕はパパに言ったんだ、テツと一緒に居たいって」

「そうだったのか……」

「ああ、その話をしたら、パパは即テツに代えてくれた、テツはね、前の奴みたいにただ従うだけじゃなく、叱る時は本気で叱ってくれた、それから……夜中に目が覚めて急に寂しくなって……部屋を抜け出してテツの座敷に行った、部屋に戻されるのを覚悟でこっそり布団に潜り込んだら、テツは朝まで一緒に寝てくれた、色んな所に連れて行ってくれたし、お風呂で泡まみれになって遊んでくれたり、水鉄砲とか、やたらふざけて……楽しかった、熱が出たら一晩中看病してくれたし……」

殆どはいつか聞いた話だったが、いつ聞いても切なくなる。

「うん……」

「ごめん、話が長くなったね……、だからさ、今度こそ本当に君をテツに譲る、僕は、君が言ったように……もっと強くなる、親父に恥じぬように……、だから……何処にもいかず、テツの傍に居て欲しい、約束出来る?」

やっぱり泣けてきたが、今回はちょっと違っていた。

この先ずっとテツと一緒に居られるか、本音を言えば……そんなのは分からなかった。

だけど、約束する事は出来る。

「ああ、そうする……、テツと一緒に居る」

「うん……、それでいい」

翔吾は微笑して頷くと、腕を立ててゆっくりと動き出した。
長いストロークで出入りする竿は、張り出したカリ首で体内を抉り上げてくる。
体中が痺れ、息が乱れ、胸板が大きく上下したが、翔吾は顔の横に腕をついて俺を見ている。

僅かに開いた唇から、荒らげた息が微かに漏れ出し、凛々しさを増した端正な顔が、時折酷く辛そうに歪む。

「翔吾……、お前……綺麗だ」

乱れた前髪に手を伸ばして髪に触れた。

「それ、他の奴が言ったら許さねぇ……君は特別だ」

翔吾はほんの一瞬苦笑いを浮かべると、突き上げるスピードを上げていった。

「あ、ああ、……う、あっ……!」

目が眩み、視界が揺れ動き、体の中の滾りが力強く脈打った。

翔吾はふっと力を無くし、受けとめてるように抱き締めたら、汗ばんだ肌が密着して鼓動をモロに感じた。

「ハァハァ……あぁ……」

「今の……、最高に感じたよ」

快楽に痺れる中で満足そうな顔を見た。

「翔吾……」

翔吾の事が無性に愛しく思え、思わず背中にしがみついたが、こんな気持ちになったのは初めてだった。

「友也、これで思い残す事はない」

両腕でしっかりと抱き締めたら、翔吾もぎゅっと抱き締めてきた。

抱き合ってキスをして、遠のく熱を惜しむように……快楽の余韻を分かち合った。





ラブホを出て、真っ直ぐにマンションまで送って貰ったが、マンションから少し離れた場所で降りて別れを告げた。

「じゃあ、また」

「ああ、また遊びに行かせて貰う、たまには僕の家にも来てくれ」

翔吾との関係は、これで本当に終わりになる。

「ああ……わかった」

最後のSEXがかなり良かったから惜しい気もしたが、馬鹿な考えは打ち消して、マンションに向かって歩いた。

翔吾とは、改めて親友として付き合っていくつもりだが、今はまだ屋敷には行かない方がいいだろう。
林はミノルを紹介するつもりらしいが、親父さんは還暦を過ぎてるし、ミノルがOKするかどうか微妙だ……。






[*前へ][次へ#]

8/13ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!