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BL長編変態ヤクザな話snatch(完結)
Snatch10tangle
◇◇◇


ラブホで毛を剃られたあの夜から、チクチクして……痒くて堪らなくなった。

2日経った時にテツに電話して文句を言ったが、何か様子がおかしい。

『ああ、どうも、ええ……、その件ならこちらとしても努力はしてるんですがね、それはお宅の方で片をつけて貰わなきゃ、下手な小細工をしても損するだけですぜ』

いきなり全く関係ない事を言う。

まるで、誰かと交渉でもしているかのようだ。

一瞬キョトンとなったが、すぐにピンときた。

多分……翔吾が傍にいるからだ。

ごめん、またかける……そう言って電話を切ったが、後味が悪かった。



こんな事になったのは、俺が望んだ事じゃない。

──テツが勝手にやった事だ。

いっそ翔吾にバラしたって構わない。
テツに無理矢理……って、そう訴えたら、翔吾はきっと怒ってテツに罰を与える。

それでも何故か、翔吾に助けを求める気にはなれない。



その後、またテツからの連絡が途絶えた。

それから1週間過ぎた小雨の降る日曜日、姉貴の使いっ走りで本屋まで行かされた。

姉貴はたまに日曜が休みになるが、こういう日は憂鬱だ。
本屋はコンビニより遠くにある為、少し時間がかかる。
パーカーを着て自転車に乗り、傘代わりにフードを被ってペダルをダラダラ漕いだ。



10分位走ったとこで、車が横付けして来た。
何かと思って見れば、黒いワゴンが歩道側に寄って速度を落とし、ノロノロと走っている。
パッと見た時にテツかと思ったが、よく見たらヴェルファイアだった。

何となく嫌ーな予感がしていると、窓が開いて坊主頭が見えた。

「おい!友也……!」

何故坊主頭が通りすがりに現れるのか、そんな事はわからないが、坊主頭は馴れ馴れしく俺の名前を呼ぶ。
無視して逃げようかと思ったが、テツの時のように……逃げる前にあっさり捕まるだろう。

仕方なく止まって聞き返した。

「なんですか?」

「ちょっとこっちへ来い」

坊主頭は車を左端に寄せて止め、偉そうに言ってきた。

「はい……」

かかわりたくなかったが、自転車を押して渋々車の方へ行った。

「お前、テツと続いてるのか?」

「あの……、前にも言いましたが、俺はそんなんじゃないです」

「ほお、だったら構わねーよな、おめぇ……ちょっと付き合え」

「すみません、これから行くところがあるので」

「いいから乗れ!嫌だというなら無理にでも乗せるぜ」

もうこの手の人達の行動パターンは分かっている。
坊主頭は恫喝してきたが、車に乗ったら……確実にヤバい。

この際、テツとの事をバラそうかと思ったが……言えなかった。

──乗るしかない。

自転車はテツがやったのと同じように、坊主頭が後ろに積んだ。

「俺の名前は三上豪だ」

坊主頭は自分から名を名乗ったが、俺は黙っていた。

「ふっ、おめぇは若の屋敷で見た時から気になってた、へっ、テツの奴がすぐ邪魔しやがるからな、今日はついてた、で、友也……、ひとつ大事な事を聞くが、おめぇは……若とはただのツレか?」

顔を上げるのも嫌で俯いていると、三上は翔吾の事を聞いてきた。

「はい……」

「おい、誤魔化すな、嘘ついたら承知しねーぞ、いいか?正直に言え、本当にただのツレか」

「嘘じゃありません、本当にただの友達です」

「よーし、わかった、それじゃあ、俺のマンションへ連れてってやる」

俺が答えたら、安心したように頷いて勝手な事を言い出した。

「あの」

「なんだ」

なんとなくわかってはいたが、すんなり応じられるわけがない。
一体俺をなんだと思ってるのか……。

「勘違いしないでください……」

俺は今拉致られた状況だ。
テツですら拉致られた時は怖かったが、三上は全く気心がしれない。
それで生意気な口をきいたらどうなるか……。

「ああ"?何が」

怖かったが、ビビりながら言った。

「俺はあなたが言ったような……、売り専とかやってるわけじゃないんで、お断りします」

「はははっ…、おめぇな、なにくだらねぇ事を言ってる、んな事ぁどっちでもいいんだよ、ようやく手に入れた代物だ、楽しませて貰うぜ」

勇気を出して言ったが、三上は面白がるように笑って車を走らせる。

窓の外を見たら、ちょうど姉貴に使いを頼まれた本屋の前を通り過ぎていた。

何か逃げ道がないか探したが、動揺して上手く頭が回らず、車は街から離れて行った。

目に映る景色は、畑や空き地の合間に民家が点在するような場所に変わっていた。
三上はハンドルをきって修理工場の横を曲がり、脇道へ入っていく。

工事を通り過ぎたらすぐにマンションが見えてきたが、5階建てのありがちなマンションだ。
どうやらそこが三上のマンションらしい。

三上はマンションの駐車場に車を止めると、俺に降りるように言ってきた。
指示に従って車から降りた。
黙ってついて行くしかなく、一緒にエレベーターに乗ったら、三上は5階のボタンを押した。
エレベーターはふわりとした浮遊感を伴って上にあがり、俯いているうちに5階についた。
廊下へ出て三上の後ろについて歩いたら、三上はエレベーターから1番近い部屋の前に行き、鍵を開けて俺を強制的に部屋の中に入れた。

部屋に上がって中を見回した。
手前の部屋にソファーとテーブル、壁際にサイドボードがある。
天井付近には備えつけの棚があり、床はフローリングで敷物は何も無い。
奥の部屋に目を向けると、ダブルベッドにサイドテーブル。
部屋にはそれぞれに窓があるが、昼間だと言うのに分厚いカーテンがひかれている。

テーブルの上には封を切ったウイスキーのボトル、ビールの空き缶、つまみの類などが放置され、灰皿は吸い殻が山盛りになっている。
部屋の隅に置かれたゴミ箱も同様だ。

テツが自分の家だと言ったあの部屋は、綺麗に片付けられていた。

案外マメなんだな……と、テツの事を考えていたら、三上は上着を脱いでソファーに放り投げた。

「よし、始めるか」

壁の方へ歩いて行き、サイドボードの上にある棚を開けると、中から何かを取り出した。

「へっ、これを使うぞ」

テーブルの上の空き缶を無造作に手で払い落とし、出した物を代わりに置いたが、置かれたのはガラス製の大きな注射器だ。
唖然としていると、三上が俺に向かって言った。

「おい、わかるか?こりゃシリンジ、浣腸器だ」

「え……」

「こっちはグリセリンだ、これをこの中に入れてお前のケツにぶっ刺す」

顔が引きつっていたが、三上はニヤついた顔で怖い事を言い、浣腸器を手にして早速準備をし始める。
シリンジはテツにやられた物より大きい。
こんなので浣腸されるとか……嫌に決まってる。

「あの、俺……、腹が弱いんで、そんなのでやられたら……困ります」

「ごちゃごちゃ言わず、さっさと脱げ」

苦し紛れに何とか逃れようとして言ったが、三上は全く聞く耳を持たず、問答無用でパーカーを引き剥がしにかかった。

「や、やめてください……!」

「おとなしくしろ!」

「ちょっと待っ……!なんで俺があんたに付き合わなきゃならないんですか…」

「うるせー!」

テーブルの横で揉み合いになり、抗って身を引いたら胸ぐらを掴まれて平手打ちされた。

「う"っ!」

よろけて床に倒れ込んだが、咄嗟に両手をついた。

「殴られたくなけりゃ、おとなしく脱げ」

ガタイのいい三上に殴られたら、平手打ちでもかなりきく。
殴られた顔がじーんと痺れたようになっていたが、それでも……ムカついた。
三上は元から知り合いだったテツとは違い、翔吾の家でたまたま顔を合わせただけだ。
それでこんな真似をされる筋合いはない。

こうなったら……翔吾の立場を利用させて貰う。

「こんな事して……翔吾にバラしてやる」

「おお、そうだったな、おめぇは今でも若とはツレなんだよな?」

「そうだ」

「そうか、信頼出来るツレはいいものだ、俺はな、おめぇとテツがどういう関係か知ってる、若がおめぇに惚れてる事もな」

しかし、三上の言葉を聞いて絶句した。

「え…」

「驚いたか、なーに、ちょいと調べりゃわかる事だ、さっき聞いたのは、念の為確認したまでだ、おめぇ、若にテツの事がバレたらマズいんじゃねーのか?」

逆に脅されて何も言えなくなった。

「くっ……」

「残念だったな、手を出すからにゃ下調べくらいはする、分かったら服を脱げ」

テツとの関係をぶち壊す覚悟なら、この場から逃げられるかもしれない。
だけど……やっぱり出来なかった。

パーカーには財布とスマホが入っている。
パーカーはソファーの背にかけ、Tシャツやズボンを脱いでいった。
俺が全裸になったら三上もシャツを脱ぎはじめたが、三上は俺の股間に目をとめた。

「おめぇ、その毛はどうした、そりゃ明らかに剃った跡だな」

「元から……です」

「嘘つくな、テツに剃られた、そうだろ?くっくっ……あいつ……相変わらずよくやるわ」

俺はテツがやったとは一言も言わなかったのに、三上はシリンジに薬液を入れながら、さも知っていたかのように言った。

三上はテツに関して何か知っている。

「四つん這いになってケツを出せ」

何故テツが剃った事を知っていたのか気になったが、三上はそれ以上毛の事には触れず、代わりに俺に命じた。

「くっ……」

渋々四つん這いになったら、屈辱感が込み上げてきた。

「おめぇケツ毛生えてねーのか、っはは、それにしてもこの尻、下手な女より綺麗な尻をしてやがる、ふーん、穴はまだ使い込まれちゃねーな」

三上は尻臀を両手で開いて好き勝手な事を言ったが、いくらテツに見られているとはいえ……四つん這いでアナルを観察されるのは堪らない。

だけど、皮肉な事に怒りが羞恥心を軽くしていた。

「浣腸はシリンジに限るな、くっくっくっ、たまらねぇぜ」

ひんやりとした硬い物がアナルに突き刺さり、腸内に冷たい液体が流れ込んできた。

「へへっ、グリセリンだ、さあ、しっかり呑め」

「う……」

薬液は腹の中にどんどん流れ込み、体がこわばった。

「よーし、多めに150入れたからな」

三上は150と言ったが、適量など知る筈がない。
浣腸器がアナルから抜かれると、下腹全体がひんやりとして重苦しさを感じた。

「っ……」

いつ便意が襲うか冷や冷やしていたが、大量に注入されたにもかかわらず、直ぐに腹がしぶる事はなかった。
案外楽かもしれないと気を抜いた瞬間、アナルに硬い物がねじ込まれた。

「う"っ!」

肩がビクリと震えた。
浣腸は終えた筈だが、一体何なのか分からない。
ヌルッと滑るように入り込んだ物体は、直腸を圧迫する程大きい。

「今入れたのは、アナルプラグだ」

三上の言葉を聞いた直後に、静かだった腸が急に暴れ出した。

「ふっ……!うう"ーっ!」

テツにやられた時より腹の渋り具合が強烈だ。

「おお、効いてきたか、安心しな、へへ、プラグをしてりゃ溢れ出すこたぁねー」

三上は高揚したように声をうわずらせて言ったが、直腸が激しく蠕動して強い便意に襲われた。

「ううう……、ん、んう!」

背中がゾワゾワして鳥肌が立ち、腸がうねってギュルギュル悲鳴をあげた。

「ハァハァ、く、うー!…ハァ、あ」

やっぱり……量が多いせいなのか、腹の中で腸がギューっと締め付けられ、強い痛みとなって襲いかかる。
アナルがヒクヒク痙攣して、内側から出そうとする圧力が半端ないが、圧力はプラグによって封じ込められている。
薬液に刺激された腸は死に物狂いでうねり、腹の痛みに襲われる度に総毛立つような寒気を感じる。

「ハァ、あっ、ハァ、くっ……!う"ぅーっ!」

テツにやられた時と比べたら、桁違いの苦しさだ。
床に顔を擦り付けて呻き声を漏らしたら、三上が目の前にやって来て顎を掴んできた。

「へへっ、苦しーか?」

三上は膝をついて聞いてきたが、出さないと……このままじゃ死にそうに苦しい。

「く、苦しい……トイレに行かせてくれ」

「おお、連れて行ってやってもいいが、その前にやる事がある」

プライドを捨てて必死に頼んだら、三上は俺の口元にチンコを押し付けてきた。

「楽になりたきゃ、しゃぶれ」

「う……」

饐えた臭いが鼻について顔をそらした。

「おい、なに顔をそらしてる、さっさとしゃぶらねーか!」

三上は俺の髪を乱暴に掴んで上に引っ張った。

「う"う"っ!い、痛てぇ……」

「口を開けろ!」

髪の毛を思い切り引っ張られ、堪らず口を開けてチンコを咥えた。

「お"……ぐっ!」

「歯を立てんじゃねーぞ、もし立てやがったら、夜までそのまんまだ」

臭いも気持ち悪かったが、喉を突かれて反射的にえずいた。

「あ"……が……カハッ…ぉ…え"っ!」

えずいた事で涙が滲み出し、口を塞がれて苦しくて堪らなかったが、三上なら本当にやりかねない。
もし拘束でもされて夜まで放置されたら……、想像しただけで生きた心地がしなかった。

この前テツにやらされたとは言っても、上手くできる筈がなかったが、吐き気を堪えて竿をしゃぶるしかない。
但し、唾液と混ざりあった我慢汁は飲みたくなかったから、苦しむふりをして唾液と一緒に口の端から零した。

「意外と出来るじゃねぇか、テツに仕込まれたのか?あいつはな、てめぇがものにした奴ぁパイパンにしてタトゥーを入れる、毎度それだ、おめぇはタトゥーはまだだな」

繰り返し襲う腹の痛みに鼻水まで垂れてきたが、苦しみの中で耳にした三上の話が引っかかった。

もしかして、俺はテツにとって単にコレクションのような存在なんじゃ?
そう思ったら暗い気持ちになったが、しぶる腹がパンパンに張ってそれどころじゃなくなった。

「あ"……う"っ……!」

暴れ回る腸が強く蠕動して繰り返しアナルを押し、アナルプラグがひくつくアナルに合わせて揺れ動いている。

──もう限界だ。
耐えられなくなって竿を口から出した。

「はあ、はあ!もう…、トイレにっ……!た、頼む、プラグを……!」

あまりの苦しさから、いく筋もの涙が頬を伝っていた。

「ま、いいだろう、連れてってやる」

三上は一応満足したのか、立ち上がって全裸になった。
俺は苦しさのあまり床に額をつけて呻いていたが、三上は脱いだ服をソファーに投げた後で俺の腕を掴んで立たせた。

「おら、来い」

トイレに連れて行かれ、便座に座った状態で少し尻を浮かせ、三上がアナルプラグを抜いた。

「う"っ……あ……ハァハァ……うぅっ!」

栓が抜かれた途端、勢いよく汚物が噴き出した。
耳障りな音を立ててアナルから噴き出す便は、グリセリンで長く浸されたせいか、殆どが液体と化していた。

「汚ねーなオイ、っははっ、な、俺に見られて恥ずかしいか?どうなんだよ、言ってみな」

三上は煽るように言ったが、これも既に経験済みだ。
その上、三上に対しては嫌悪感しかない。
自分でも不思議な位冷めた気持ちだった。

三上には目を向けず、無言でレバーを動かして水を流した。

「ふーん、やけに落ち着いてるじゃねーか、な、テツは何をした、拘束したか?それとも薬を使ったか」

腹ん中が空っぽになって力が抜け、脱力感に浸りながら答えた。

「何も……普通です」

「ふーん、そうか、おい友也、俺との事は俺とお前、2人だけの秘密だ、わかったな?」

三上はテツをネタに俺を脅したが、その自分が俺に手を出したとなれば……。
これがもし翔吾にバレたらマズい。
口止めしたのはそういう事だろうが、俺にとってもその方が都合がいい。

「はい……」

「テツに教わってるなら、次にやる事ぁわかってるよな?」

三上に促されて立ち上がり、トイレから出て浴室へ行った。
すると三上はシャワ浣を自分でやれと言う。
テツにやって貰ったのはたった2回だけで、上手くやれるか自信はなかったが、テツにやって貰った事を思い出しながらやったら……なんとかできた。
三上はニヤニヤしながら俺を見ていたが、俺は自分の器用さに泣きたくなった。
シャワ浣が終わったら、三上は先にベッドで待っていろと言った。
三上に言われて洗面台の棚からタオルを出して体を拭いた。
そのまま指図に従ってベッドに向かったが、ソファーの横を通り過ぎようとした時に、脱ぎ置いたパーカーから着信音が聞こえてきた。

──ドキッとした。
焦るようにパーカーのポケットからスマホを出したら、思った通りテツからの着信だった。

出ようか迷ったが、三上はまだ出て来ない。
テツの声が聞きたかった……。

「もしもし……」

『おう、何してたんだ?なかなか出なかったな』

「電話を置きっぱなしにしてたんだ」

『そうか、こないだは折角電話くれたのに悪かったな』

「いや……」

テツが詫びを言うのを聞いたら、やたら悲しくなった。

『俺もよー、ついはったりかましたが、若にゃ言いたくねー、俺がやった事はルール違反にゃならねぇが、若を傷つけたかねーからな』

けど、翔吾を気遣っている事が分かって、ちょっと安心した。

「そっか……、俺もだ」

『おめぇ、今何してる』

するとテツは思いついたように聞いてくる。

「姉貴の使いで……本屋に来てる」

嘘をつくしかない。

『そうか、ははっ、姉ちゃんにこき使われてんだな』

テツは楽しげに笑った。

「ああ、まあ……」

『で、明後日、夜に迎えに行く、こないだと一緒だ、7時にあの場所に出て来い、いいな?』

それから、俺に出てくるように言う。

「わかった……」

テツに会いたかった。

『そんじゃ、それまで楽しみにしてな、ま、お前にとっちゃ災難だろうがな、ははっ、じゃ切るぞ』

俺が承諾したら冗談めかして言い、そのまま電話を切ろうとしたが、咄嗟に声をかけていた。

「あっ、テツ!」

『ん?どうした』

「俺……災難とは思ってねーから」

『ほお、くっくっくっ、遂に落ちたか?』

テツはわざとらしく笑って、ふざけたような口振りで返してきた。

「そうじゃねー、俺は……」

何を言おうとしたのか……自分でも分からなかった。

『わかったわかった、その辺の事ぁ明後日にじっくり聞いてやる、そんじゃ、またな』

テツは明後日に聞くと言って電話を切ってしまった。

「テツ……」

何だか……ガックリきた。
通信の途絶えたスマホを握ったまま、床に跪いていた。

「テツからか、あいつ、今日は定例会に行ってる筈だが、わざわざ電話してくるとは、おめぇの事がよっぽど気に入ってるんだな」

声がする方へ振り返ったら、三上が腰にタオルを巻いて立っている。

何故俺がこんな奴と付き合わなきゃならないのか、馬鹿馬鹿しくなってきた。

「やっぱり……嫌だ、こんな事やりたくない」

「おめぇ、テツに惚れてるのか」

「そんなんじゃねー」

「なあ友也、俺もバイだが、あいつはあの見てくれだ、付き合う相手にゃ不自由しねー、それどころか、向こうからいくらでも寄ってくる、奴は気に入った相手はとことん落とす、な、悪い事ぁ言わねー、あいつはやめておけ、散々弄ばれて飽きたらポイだ」

「そんな……テツはそんな人間じゃねー」

「それはな、まっとうな道をゆく奴に言う事だ、俺らは人を騙して飯を食ってるようなもんだぜ、お前のような世間知らずのガキを騙すのは簡単な事だ」

「それを言うなら、あんただって同じだろ」

「いいや違う、俺なら小遣いもやる、パイパンにしたり、タトゥーを入れさすような真似はしねー」

「金はいらねー、それに……テツがやりてーなら……それでいい、頼むから帰してくれ……!」

「ちっ、どうしようもねーな、オラ来い!」

三上は嫌な事を言った。
本当か嘘か、俺には確かめようがないが、もしそれが真実だとしても、今日たまたま出くわした三上よりは、テツの方が信用出来る。

第一、俺は三上が嫌いだ。

なのに無理矢理ベッドに連れて行かれた。

抗って藻掻いたら、紐のような物で両手を後ろ手に縛られた。

「殴ったら痣になるからな、おい、もういっぺんしゃぶれ」

仰向けに転がされて口にチンコをねじ込まれ、赤黒い竿を再び咥える羽目になった。
シャワーを浴びたせいか、さっきみたいな匂いはなかったが、腰を振ってグイグイ喉を突いてくる。
えずいて涙が滲み出してきたが、三上はニヤついた顔で竿を出し入れした。

「喉奥まで咥え込めるようになれ、そしたらテツも喜ぶぞ」

テツのような反った竿ではないが、それなりに質量のある太い竿だ。
張り詰めた亀頭が喉を突く度に呻き声が漏れる。

口の中に唾液と我慢汁が混ざった汁が溜まり、最初にやらされた時のように吐き出したかったが、上に向かされているせいで吐き出す事が出来ず、嫌々飲み込むしかなかった。

涙が滲んで視界がぼやけ、苦しみから解放される事だけを願って竿を頬張っていると、やがて三上は口から竿を引き抜いた。

「あ、はあっ、ハァハァ、あ……」

足りなくなった酸素を必死に吸い込んだが、酸欠になって頭がボーッとなっている。
そんな中で足を抱えられ、足の間に三上が入り込んできた。

「ハァ、ハァ、や、やめて……くれ」

「今更ジタバタしてもどうにもならねぇぞ」

三上はアナルにローションを垂らし、自分の竿にも塗りたくっている。

「こんな……やりたくねぇ……」

体を捻ろうとしたが、後ろ手に手を縛られた状態じゃろくに動けない。

「テツが気に入ったぐれーだ、どんな具合か楽しみだな」

三上は俺を玩具のように思っているらしく、竿を握って楽しげに亀頭をアナルに押し付ける。
嫌で堪らなかったが、ローションで濡れたアナルが亀頭を受け入れた。

「ん、う"ぅっ!」

アナルのヒダが竿と一緒に内側に捲れ込み、竿が根元まで埋まってしまった。

「成程……、確かに悪くねーな」

三上は感触を確かめるように言って俺の上にかぶさり、竿を突き込み始めた。
重量感のあるチンコが容赦なく腹を抉りあげ、背中に悪寒が走った。

「う"っ、くっ、うう"っ!い……嫌だ……、嫌だ……」

「おい、そんなに俺が嫌か…!」

顔を背けて耐えていると、三上は声を荒らげて髪の毛を鷲掴みした。

「う"っ!」

「ああ"?どうなんだよ!」

「こんな事……されて、好きになれる……わけがねー」

髪を引っ張られて痛かったが、悔しくて腹が立って……仕方がなかった。

「ふん、テツに優しくして貰ったのか?おめぇに教えてやる、俺らはな、なんの特にもならねぇ事にゃ手を出さねー、おめぇのその見てくれなら結構稼げそうだ、飽きて捨てられるだけならいいが、下手すりゃウリをやらされるぜ」

三上は動きを止め、俺を無理矢理正面に向かせて言ったが、でまかせに決まっている。

「そんな……わけ……ねー」

「信じねーか、だがな、現に過去にあいつが手をつけて、今はソープで働く女がいる」

すると、三上は具体的な話をした。

「嘘……だ」

「嘘なもんか、なんならその女に会わせてやろうか?」

俺はあくまでもテツを信じたかったが、女に会わせるとまで言われたら、それ以上否定出来なくなった。

「おめぇはテツが初めてだろ?つい夢中になるのは分かるが、やめておけ、俺と付き合って頭を冷やせ」

三上は取って付けたように真面目な顔で言うと再び体を動かし始め、大きな体が揺れ動く度に怒張したチンコがアナルを突き上げて往復した。

「ふっ……、俺のも満更じゃねーだろ、食わず嫌いはよくねぇ、よし、そろそろ出してやる」

体が奴の動きに合わせて揺れ動き、薄ら笑いを浮かべる顔を見て腹が立ったが、快楽を覚えた体は……意志を無視して勝手に感じ始めてしまった。

「ハァ、ハァ、ハァ、う、ぁ」

息が乱れ、為す術もなく目を泳がせていると、ぐっと深く貫かれて声が漏れた。

「っ、あっ、ああっ!」

三上の竿が体の中で脈打って体液を飛ばし、股間の竿がそれに応えるように脈打っていた。
チンコはビクつきながらダラダラと半透明の汁を垂らし、腹の中から痺れるような快感が湧き出してくる。

「ふ……、うぅ、ハァハァ」

俺は襲いくる快楽に震えながら、快楽が過ぎ去るのをひたすら待った。

「おい、テツと被らねーように連絡する、必ず出て来い」

三上は満足して俺の上から退くと、俺をひっくり返して手首の紐を解きながら言ったが、こんな事はもう嫌だ。

「もう……いいだろ」

「逃げても無駄だぞ、暇を持て余したチンピラならいくらでもいる、そいつらを使って拉致らせるからな」

だが、三上は1回では終わらせてくれそうにない。

「そんな……」

「いいか?この事は絶対口外するな、それが互いの為だ、余計な事を言ったら……俺だけじゃなく、テツを破滅に導く事になるぞ、な、俺と楽しもうぜ、そのうちテツより俺の方がよくなる、くっくっくっ……」


テツの事を言われ、三上と付き合う事を承諾した。


シャワーを浴びた後で三上に送って貰ったが、拉致られた場所ではなく、行く予定だった本屋の近くで降ろしてくれるように頼んだ。
三上は俺の頼みを聞いてくれたが、車を降りる前にまた念押しをした。
頷いて車から降りたら、手早く自転車を降ろして直ぐに車に乗り込んだ。

三上からは何の感情も感じなかった。
本当に俺をオモチャ並みに思っているのだろう。

走り去る車から目をそらし、スマホで時刻を確認したら5時すぎだ。

姉貴に文句を言われるのは覚悟していたが、取り敢えず本屋に立ち寄って頼まれた本を買った。
自転車に跨って家に向かったが、途中で何気なく床屋が目にとまり、スマホの電源を切って床屋に入っていた。
夕方で空いていた事もあるが、カットだけなら早い。
30分もかからずに終わり、床屋を出て再び家に向かってペダルを漕いだ。

髪は前髪を長めに残したショートカットにしたので、前髪はちょっと邪魔だったが、後ろはかなり短くなっている。
風が当たる度に首がすーすーしたが、少しだけ気分が軽くなった。

衝動的に床屋に寄ったのは、三上に鷲掴みにされた髪を切りたかったからだ。
乱暴に髪を引っ張られた事は、思い出しただけで腹が立つが、それよりもテツの事に意識が向いてしまう。
三上の話を鵜呑みにしたくはないが、過去にテツと付き合っていて、今はソープで働く女……。
テツがそんな事をするとは思えず、思いたくもなかったが、テツも三上と同じヤクザだ。

そう思ったら果てしなく気分が重くなったが、三上の言う事に惑わされたくなかった。




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