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短編集BL小説(鬼畜、色々あり、1部長編あり)ちまちま新作を更新中
◇◆◇2代目はアイドル9
▽▲▲▽

あの夜、ユズキと最後までやってしまったが、恭平はユズキにベタベタ付き纏う事はなかった。
それは澤地や佐野、間宮と違って、ユズキは部屋住みで常に屋敷にいるから、わざわざベタベタする必要がないのだ。

澤地や佐野も屋敷には住んでいるが、立場上出かける事が多く、ユズキみたいにいつもいるわけじゃない。
それともうひとつ、ユズキとは年が近いので友達感覚が強かったのもある。
また、間宮はマンション暮らしだからあまり遭遇する機会がない。

そんなわけで、屋敷に住んでいる澤地と佐野にベタベタする事になるのだった。

今日は学校が休みだ。
恭平は朝から暇に任せて2人の姿を探したが、部屋を出て少し歩いた所で澤地が歩いているのを見つけた。
澤地を発見した途端、恭平は目を輝かせてソッコーで駆け寄った。

「へっへー、今日はどっか出かける?」

無邪気に澤地の腕に絡みつくと、顔を見上げてニコニコしながら聞く。

「昼からちょいと出てきます」

澤地も恭平がまとわりつくのをおやっさんに見られた時、おやっさんが全く疑うような仕草を見せなかった事もあり、多少ベタベタする位なら構わないと、そう思っていた。
前みたいに周りを気にする事もなく答える。

「そっかー、じゃあさ、それまで澤地の部屋に行っていい?」

恭平はちょっとでもいいから澤地と一緒に過ごしたかった。

「いいっすけど……、その……俺んとこは鍵がねぇんで……そういうのが無しなら……、今日は親父もいますんで」

澤地や佐野、部屋住みの子分は皆鍵無しな和室に住んでいる。
鍵無しな部屋にしているのは、有事の際に手間取る事もあったが、あくまでも子分である為、組長からすれば子分を見張るという意味もあった。
澤地や佐野を疑っているわけではないが、この世界はなにかと誘惑が多い。
裏切り者が出るのは珍しい事ではなかった。
それで鍵無しの和室になっているのだ。

「あ、そっか、じゃあ、僕の部屋だ」

恭平は、言われてみれば確かにそうだと思った。
佐野に初めて迫った時はそこまで頭が回らなかったが、今は端からエロい事をする気満々なので気をつけた方がいい。

「えっ、坊ちゃん……、そいつはその〜、あんまりヤルとちょっとやべぇっすよ」

澤地は恭平の意図を見抜き、すんなりと頷けなかった。

「大丈夫だよ、パパにはバレないって」

組長であるパパは本日は特に用がない為、ゆうべお持ち帰りした女と自分の座敷でしっぽりやっている。
しばらくは部屋から出てこないだろう。

「そうっすね、あの……じゃあ、あんま過激なのは無しにしてください、頼んます」

澤地も当然それを知っているので『まぁ大丈夫だろう』と思ったが、最後までヤルのはさすがに避けた方がいい。
暗に本番は無しにして欲しいと伝えた。

「わかってるよ、行こ」

恭平は楽しげに澤地の腕を引っ張る。

「へい」

澤地は組長が屋敷にいるので、たとえ女としっぽりやってるとはいっても、いまひとつ気乗りしなかったが、坊ちゃんの頼みなら仕方がない。
恭平に導かれて部屋に向かった。



部屋に入ったら、恭平は鍵をかけて澤地をソファーに座らせた。
そしてちゃんと飲み物を用意する。

「はい、どーぞ、コーラしかなかったからコーラだけど」

アイスコーヒーをきらしていたので、コーラの入ったコップを澤地の前に置いて言う。

「そんな、なんでも構わねーっすよ」

澤地は自分を気遣う恭平を可愛く思い、これだけわがままにされて偉ぶらないのは偉いと思った。

「澤地、僕の事好き?」

恭平は澤地の隣に座ると、澤地にピッタリとくっついて聞く。

「ええ、もちろんです」

澤地は即答したが、言われるまでもない事だった。

「僕さ、ママが居なくなって寂しかった、でもみんながいてくれるから助かった、だから……みんな好き、澤地はパパと年が近いから、すげー頼りがいがある」

恭平はこれまで弱音を吐く事はなかったが、澤地と特別な関係になった事もあり、つい本音が口をついて出ていた。

「そっすか? そんな風に思ってたんすか?」

澤地は自分がそんな風に思われていたとは知らなかった。
自分もいつも坊ちゃんの事を気にかけていただけに、恭平の言葉は物凄く嬉しく感じた。

「うん……」

「そうでしたか……、あの……肩、抱いていいっすか?」

コクリと頷く恭平を見たら堪らなくなり、つい声をかけていた。

「当たり前にいいに決まってる」

恭平は『いちいち聞かなくても抱けばいいのに』と思った。

「はい、じゃあ」

しかし、ヤクザは上下関係のうるさい世界だ。
恭平が2代目の坊ちゃんである以上、澤地はそこはきっちりけじめをつけなきゃ気が済まなかった。

「えへへ」

「ははっ、なんか照れ臭いっすね」

だけど、体の関係まで持った2人がこんな風に肩を寄せ合うと、妙に照れ臭くなってくる。
2人は互いに照れ臭さを笑って誤魔化した。

「うん、でもさ、澤地とこうしてると、寂しさが紛れるんだ、凄く安心する」

恭平の父親、組長の倉本大介は留守がちだ。
澤地は父親と年が近いし、組長の代理を任されて屋敷にいる事もある。
恭平が父親のように慕うのは自然な事だった。
澤地は安心すると言った後にため息をつく恭平を見て、ある事が気になってきた。

「坊ちゃん、その……元姐さんとは会ってるんですよね?」

それは離婚した母親との事だ。

「ここんとこあんまり……、なんかママは誰かと付き合ってるみたいなんだ」

恭平はここ数ヶ月、母親と会ってなかった。
不意に母親の声が聞きたくなって、学校の帰りがけに母親に電話したら、母親は忙しそうに早口でまくしたて、今夜はこれからある人と会うのだと言う。
恭平が不審に思って『誰?』と聞き返したら、母親は『大切な人だから、真剣におつき合いしてるの』と答える。
恭平はそれ以上聞く勇気がなく、電話はそれで終わった。

「え、そうなんすか?」

澤地にとっては元姐さんだが、姐さんは清楚で真面目な人だったので、その元姐さんに付き合っている人がいると聞いて驚いた。

「うん、ママがそれらしい事を言ってた、僕は気にしてないよ、ただ、ママが遠くへ行っちゃうような、そんな気持ちになるんだ」

恭平も、離婚したのだから母親が誰かと付き合ったとしても、それはありだと思っている。
ただ、母親を知らない誰かにとられるような、そんな気持ちになるのだった。

「そっすか……、どう言ったらいいか……俺が余計な事を言うのはマズいかもしれませんが、親子と言えども結局はひとりの人間っすから、それぞれに人生がある、元姐さんに彼氏ができたとしても仕方がねぇ、そう言っちまえば、それに尽きますね」

澤地は恭平の気持ちを考えながら、できるだけ角が立たないようにアドバイスする。

「うん、だよね……、ママだって恋くらいしたいだろうし」

恭平はやっぱり寂しかったが、澤地が気遣ってくれるので、その気持ちを汲んで何でもないふりをする。

「坊ちゃん、俺がついてますから……」

澤地はこんな時に駄目だ……とわかってはいたが、精一杯背伸びしてみせる恭平を見て堪らなくなり、衝動的に抱き寄せてキスをした。

「あっ澤……、んんっ」

恭平は不意打ちのキスにびっくりしたが、優しく唇を吸われて澤地の背中に手を回す。

「はあ、いけねー、またやっちまった、坊ちゃん、すんません」

澤地はヤバいと思ってすぐに離れた。
あんまりやると、歯止めがきかなくなりそうだった。

「澤地〜いいって、いけない事しよ、あのさ、時間ないから僕がフェラしたげる、こないだ佐野のを飲んだだろ、だから今日は澤地のを飲む」

しかし、恭平はそういうのをあてにして澤地を部屋に招いている。
澤地がその気になったのなら早くヤリたい。

「え、いやでも……大丈夫っすか?」

澤地もキスして気分が高まっていたが、飲精すると言われて心配になった。
前回恭平が飲精するのを見たが、どう見ても辛そうに見えたからだ。

「鍵をかけてるし、こないだ体験したから平気だよ、えへへ」

恭平は待ちきれず、話しながら澤地の股間に屈み込んでファスナーを下げていった。

「あっ……坊ちゃん」

澤地はどうしようか迷ったが、楽しそうにやる恭平を見たら止めらずにいた。

「へへ、エロいチンコだな〜」

恭平はチンコを引っ張り出し、興奮気味に言って口いっぱいに竿を頬張った。

「わ、ああ……、坊ちゃん、すげー、き、気持ちいいっす」

澤地はまだ戸惑っていたが、可愛い口でチンコをしゃぶられたら、それだけで十分気持ちいい。

「澤地、今は無理だけどまたやってくれる?」

恭平は竿をしゃぶる途中で顔をあげ、澤地に聞いた。
今はフェラまでで我慢するが、やっぱり本番をヤリたい。

「そっすね……、ほんとはいけねーんですが、はい、いいっすよ」

澤地はいけない事だとわかっちゃいたが、澤地ももう1度恭平を抱きたかった。

「やった」

恭平は喜んでフェラを再開し、張り切って頭を揺らしていく。

「あっ……ああ……、ヤ、ヤバい、イク……、出しますがほんとにいいっすか?」

2代目の坊ちゃんに、まだ中学生の坊ちゃんに、こんな事をさせている……。
そう思ったら無駄に興奮して、澤地はすぐにイきそうになってきた。

「うん……出して」

恭平は顔を見あげて言うと、またすぐに竿を頬張った。

「はっ……、や、やべぇ、く……っ!」

澤地は前かがみになり、溜まったザーメンを吐き出した。
恭平は飛び散るザーメンを舌で受け止めると、丸めるようにして一気にゴクッと飲み込んだ。
こうすれば匂いやヌルヌルをあまり感じなくて済む。
早くもコツを掴んでいた。
口の中で脈打つチンコはエロい。
澤地の事が無性に愛おしく感じる。
恭平は全部飲み終えて手の甲で口を拭った。
それからゆっくりと起き上がり、得意げな顔をして言う。

「前より上手になっただろ? えへへ、精子ちゃんと飲んだよ」

無邪気に笑顔で言われたら、澤地は抱き締めずにはいられなくなる。

「坊ちゃん」

恭平を抱き締めて唇を重ねた。

「んあっ……」

口の中に分厚い舌が入り込み、恭平は澤地の上着を握りしめて舌を絡めていった。
エロい気分は高まるばかりだったが、澤地は出かけなきゃならない。
用意しなきゃならないので、これ以上やるのは無理だ。

顔を離しても、2人はしばらく抱き合っていた。

「ずっとついてるわけにゃいきませんが、坊ちゃんの事は俺が守りますから、何か心配事がありゃ言ってください」

澤地はまだまだ頼りない2代目を愛してやまなかった。

「うん……、ありがとう」

恭平も澤地の背中を抱いて『ずっと傍にいて欲しい』と、真剣にそう思っていた。













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