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短編集BL小説(鬼畜、色々あり、1部長編あり)ちまちま新作を更新中
NEW!◎紙一重3(最終回)
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上津は体の欲求まで満たす事ができて、何一つ不満はなかったが、自由に外に出られないのは唯一不便に感じた。

八代に匿われながら、できるだけ真庭がひとりになるチャンスを待っていたのだが、真庭は若頭代理どころか、次の若頭として就任するのが時間の問題となっていた。

もう巻き添え云々と言っている時間はない。
多少仲間に犠牲が出たとしても、やるしかないと、上津はそう決心した。

上津が八代の元で潜伏生活を始め、2週間が過ぎようとしていたある日、遂に真庭をやる機会を得た。
店の若い子からの情報によると、真庭は今夜若頭代理として飲み会に出席するらしい。
この手の飲み会は会合を兼ねている事が多いのだが、今夜の集まりは単なる懇意にしている連中の集まりだと言う。
会合となると、大物が勢揃いして襲撃する隙がないが、単なる飲み会レベルならやりやすい。

これを逃すと次はもうないかも知れず、上津は今夜襲撃する事に決めた。
すると、八代が自分達も協力すると言いだした。
気持ちは嬉しいが、世話になった相手をこんな事に巻き込みたくない。
上津は断わったが、八代は1歩もひかず、店で雇っている子の中で、ガタイのいい子を3人連れて行くと言った。
そこまで言われたら仕方ない。
上津は八代の気迫に負けて渋々OKした。


……………

夜になり、目的のキャバクラに向かった。
オカマ勢は目立たないように普通の格好をしてノーメイクだ。
皆ガッチリとした体格で、店に出る時はヅラを被っている為、普段は短髪、一見普通のオッサンに見える。

「ちょっと……出てきたら駐車場へ行くまでがチャンスね? それでいい? あってる?」

「そう、あたし達は付き人を押さえるのが役目よ、気合いを入れてやらなきゃ」

連れてきたオカマの内2人が、確認し合う様にヒソヒソ声で話す。
上津+オカマ勢は、目的のキャバクラが見える路地に隠れている。

「あんた達、失敗は許されないわよ、怪我をしたくなければここは男に戻りなさい、いいわね?」

八代は奮起させるように連れてきたオカマ達に言う。

「わかったわ、みんな、頑張りましょ、今だけ男に戻るのよ」

オカマ勢はやる気満々でキャバクラを見張っていた。



時は刻一刻と過ぎていき、時刻は零時過ぎ。
そろそろ奴らが出てくる頃だと思い、皆それぞれに緊張した面持ちになっている。
そんな中で、真庭が子分をひとりだけ引き連れて店から出てきた。
上津はできるだけ子分には手を出したくなかったので、ひとりだけだとわかってホッとした。

真庭は自分が狙われているとも知らず、上津が西和会に殺られたと判断し、若頭就任を目前にして完全に油断しきっていた。
キャバ嬢に見送られ、酔いが回っていい気分で駐車場に向かった。
但し、子分は万一に備えて殆ど飲んでない。
真庭を警護するように斜め後ろを歩いて行く。

上津達は真庭達が店から離れ、暗い道にさしかかり、車が見える所まで来た時に一気に襲いかかった。

上津は真っ直ぐに真庭を捕え、胸ぐらを掴んで思い切りぶん殴った。

「オラァ! よくもハメやがったな」

「っぐ!」

真庭は意表を突かれ、反撃する事も出来ずに後ろに倒れ込んだ。

「ちょっと〜、おとなしくしなさい!」

「おとなしくしなきゃ、殴るわよ、オカマだからってなめんじゃないわよ!」

一方で、オカマ勢は付き人の子分を寄って集って押さえ込んでいる。

「うわ、な、なんだこいつら」

オネエ口調で絡みつく男達に、子分は狼狽えて身動きできない。
その間に上津は真庭をボコしていた。
上津は真庭のせいで、嫌って程恥辱を味わう羽目になった。
それもムカついたが、自分の補佐だった時は嘘みたいに従順に振舞っておきながら、見事なまでに手のひらを返した。
自分の信頼を裏切った事が何よりも許せなかった。
上津は何度も繰り返し真庭を殴り、真庭は反撃する暇すら与えられず、しまいには音を上げて上津に哀願してきた。

「許してくれ、これ以上殴られたら死んじまう、悪かった、カシラ……この通りだ、頼む」

真庭は泥だらけになって口から血を流し、じべたに這いつくばって土下座する。

「てめぇは組から去れ、絶縁、永久追放だ」

ズタボロになった真庭を殺るのは、今の上津にとって簡単な事だ。
だが、上津は命までは奪わなかった。
あくまでも、若頭として真庭に処分を下す。

「わ、わかりやした……」

真庭は腕を立てて顔をあげ、ガックリと肩を落として頷いた。
上津が真庭をボコしてる最中、オカマ勢は子分の身体中を触りまくり、皆で股間をまさぐっている。

「やだ、この人タイプよ」

「ちょっとあんた、なにしてんの、あたしにも触らせて」

「うわ、どこ触って……やめろ」

実は……オカマ達が興奮のるつぼと化してる時に、車の中には下っ端の若い衆がいて、運転手として待機していた。
だが、若い衆は成り行きを茫然と見ているだけだった。
カシラは西和会に殺られたと、真庭からそう聞かされていたからだ。
若い衆は上津を慕っていたので、上津が生きていた事が信じられず、真庭がやられるのを何も出来ずに傍観していた。

「ちょっとあんた達、オーナーを差し置いてなにやってんの、あたしに貸しなさい」

オカマと言えども、昔は格闘技をやっていた奴も混ざっている。
4人がかりでやれば、子分ひとりを押さえ込む位簡単な事だったが、八代まで調子に乗って子分の股間へ手を伸ばす。

「わあ、変態、つか……きめー、やめろー!」

上津は呆れた表情で揉みくちゃにされる子分を見たが、もう気は済んだ。

「おい、もういい、離してやれ」

真庭がじべたにひれ伏し、自分が戻って来た今、子分がこれ以上歯向かうとは思えず、オカマ勢に向かって言った。

「わかったわ、ほらあんた達、もうお楽しみは終わりよ」

八代が言うと、オカマ勢は残念そうに子分を離した。

「カ、カシラ……、生きてたんすね」

子分はよろけながら上津の前にやって来て言ったが、目には薄らと涙が浮かんでいる。
黒龍会の子分連中の中で、上津を嫌う者はひとりもいなかった。

「ああ、こいつのせいでちょいと痛い目に合わされた、こいつは……この真庭は裏切り者だ、親父が信じるかわからねーが、そん時はそん時だ、俺は真庭が許せなかった、それだけだ」

上津はざっくりとわけを話した。

「っ……」

真庭は俯いて地面を睨みつけている。

「とりあえず、ふんじばって親父んとこに連れていく、お前らネクタイ外してこいつを縛れ」

上津は項垂れる真庭を見て子分に命じた。

「あ……その……」

子分は狐につままれたような気持ちだった。
それに上津が本当に西和会に拉致られていたのか、詳細はまったく明らかになってない。
真庭にはさっきまで若頭代理として付き従っていたのだ。
その真庭をいきなり縛れと言われて躊躇したが、目の前にいるのは確かにカシラだ。
カシラの命令には逆らえない。

「はい、わかりました」

子分は慌ててネクタイを外し始めた。
上津が『真庭、これでてめぇは終わりだ』とそう思って真庭に目を向けると、真庭は上体を起こして銃口を自分に向けている。

「てめぇも道連れだ!」

真庭はヤケクソで叫び、上津は『やべぇ油断した』と思ったが、『もう避けきれねー』そう思って撃たれる覚悟をした瞬間、『パンッ!』と乾いた音が響き渡った。
『殺られた』……そう思ったが、どこにも痛みが走らない。
むしろ、真庭が「うぅっ」と呻いてバタッとうつ伏せに倒れた。
真庭の背中から血が滲み出し、スーツを赤く染めている。
上津は一体何が起きたのか分からなかった。

「な、なんだ?」

怪訝な顔で辺りを見回した。
すると暗闇の中から2人の人影が見えてきた。
上津は警戒しながら2人を見ていたが、傍にやってきた2人のうちのひとりを見て愕然とした。

「よお、脱走兵」

ニヤついて声をかけてきたのは鬼藤だった。
もうひとりは知らない顔だが、鬼藤の仲間なのは間違いないだろう。
そいつが片手に銃を握っている。
真庭を撃ったのはこいつで、上津は自分が鬼藤に助けられた事に気づいた。
しかし、何故鬼藤が自分を助けたのか、何故都合よくここに現れたのか、なにがなんだかさっぱりだ。
眉間に皺を寄せて考えていると、鬼藤は上津に向かって手招きする。

「おい、もう監禁したりしねぇ、お前とサシで話し合いてぇ」

鬼藤はこれまで対立してきた黒龍会と、和解する方向へ持って行きたかった。
それは上津に対して個人的な思い入れがあったからだが、実際に、対立するよりも妥結した方が自分らにとって有益になるからだ。
鬼藤はその話を組長にするにあたり、黒龍会と和解する事によって具体的にどれだけの利益がでるか、丁寧に説明をした。
その結果得た答えであり、既に西和会では決まった事だった。

「はあ? 何言ってんだ、大体なんでお前らがこんなとこに来るんだ」

だが、上津からしてみれば寝耳に水な出来事で、すんなり頷ける筈がない。

「俺らを見くびるな、脱走したおめぇをそのまんま見失うと思うのか? 俺は前にお前と話した事が気になってたんだ、だからよ、わざとお前を泳がせて様子をうかがった、そしたら……やっぱ俺の読み通りだったってわかったんだ、で、報復に出るお前らを見張ってた、そしたらよ、案の定おめぇは油断しちまった、ふっ……、つくづく詰めがあめぇ奴だな、俺らがこいつを始末しなかったら、お前は今頃お陀仏だぜ」

鬼藤は鼻で笑って言ったが、上津が逃げ出したあと、たった数日で上津の行方を突き止めていた。
それでも上津を襲撃しなかったのは、上津は単に自分達から逃げ出したわけじゃなく、何かやらかそうとしていると感じ取っていたからだ。

「そりゃ……ムカつくが確かにそうだ、だからって、何故お前と話し合いをしなきゃならねぇ」

上津は鬼藤に助けられた。
悔しいが、これは紛れもない事実だ。
とは言っても、話し合いをする意味がわからない。

「お前は義理がてぇ奴だよな? 命を救ってやったんだぜ、恩人の頼みを無下にするって言うのか? 後始末はうちがする、あそこにいる運転手もな、お前らのうちわの揉め事に首を突っ込むこたぁできねーが、関わっちまった以上、できる事はしてやる、わかったか? わかったら、とりあえず……ついて来い」

しかし、鬼藤は意地でもついて来させるつもりだった。
上津にこれでもか! と、山ほど恩を着せて誘う。

「わかった、そこまで言うなら……行こうじゃねーの」

鬼藤の言ったように上津は義理堅い性格だ。
致し方ないと、腹をくくって承諾した。

「よし、じゃ、こっちだ、来な」

鬼藤は少し離れた場所に車をとめている。
上津を促すと、子分を引き連れて踵を返して歩き出す。



……………


鬼藤の車に乗り込んで連れて来られた所は、鬼藤の屋敷だった。
上津はもう2度と来たくなかったが、鬼藤は上機嫌で屋敷に迎え入れる。
今回は地下の監禁部屋ではなく、自分の部屋だ。
何の変哲もない殺風景な洋室だが、10畳以上はあり、高そうな革張りのソファーにテーブル、あとはキングサイズのベッドが置いてある。
そして、この一見つまらない部屋はトイレバス付きだった。

「まあ座れ」

鬼藤は自分の部屋で上津と2人きりになり、昂る気持ちを堪えて声をかける。

「ったく……、早く話をしろ」

上津はドサッとソファーに座ったが、早くこんな場所から出たかった。

「そう焦るな、なあ、俺はお前をまた監禁してもいいんだぜ?」

鬼藤は上津の隣に座って肩を抱いて言う。

「ふざけるな!」

冗談のつもりで言ったのだが、当たり前に上津は激昂して怒鳴った。

「あのな、冗談も通じねーのか?」

鬼藤は上津を失って以来、欲求不満になっている。
たまに自分が目をかける子分を抱いたりしたが、やはり上津程満足感は得られなかった。

「いちいちうるせーんだよ!」

イラッと来て怒鳴り返し、上津の顔をぐいと自分の方へ向けると、ぶつかるような乱暴なキスをする。

「ぐっ……! んんっ!」

上津はムカついたが、久しぶりに嗅ぐ鬼藤の匂いにやられてしまい、体から力が抜けていった。
鬼藤は某ブランドの香水をつけている。
それが媚薬のように上津の意識を惑わせ、上津は乱暴で強引なキスにクラッときてしまった。
腹が立つのはずっと変わらないのに、体はそれに反してどんどん熱くなる。

「上津……話し合いの前にヤラせろ」

鬼藤はムードもへったくれもなく、ストレートに欲望を露わにする。

「ば、馬鹿を言うな……」

上津は激しく動揺する自分を制する事ができずにいた。

「おめぇだって、俺が欲しかった筈だ」

鬼藤は開いたシャツの胸元に手を入れて、散々嬲った乳首を指先で捕らえる。

「や、やめ……ろ、俺はもう……」

乳首を握られただけで体の芯が疼いたが、上津は屈しまいと必死に抗った。

「また天邪鬼か、なあ、俺ら西和会はお前らと妥結すると決めた、その方が互いに得するからだ、だからよ、同じカシラ同士仲良くやるのが当たり前だろ?」

鬼藤は簡単に事情を話し、上津の耳朶をしゃぶりながら囁く。

「っ……あ、よせ、わ、和解するって言うのか? 親父が納得するかわからねーぞ」

上津は這い回る舌に苦悶しながら言った。

「ああ、それはうちが折れる形でなんとかする、なあ……それより、ちんぽギンギンじゃねーか」

鬼藤は和解するにあたり、既に対策を講じていたが、それよりも今はヤリたかった。
上津の股間に手を伸ばし、膨らんだ股間を布越しに撫で回す。

「う”っ、あ……」

何度となく『こんのは本意じゃねー』と否定してきたが、上津のソコは触られただけで痛みを感じる程、期待に張り詰めている。

「なあ、俺はマジでヤリてぇんだ、お前が欲しい、欲しくてたまらねぇ、頼むわ……なんとかしてくれ、命の恩人に体で礼をしろ」

鬼藤にもプライドはある。
懇願してまでヤルのは通常有り得ない事だが、相手が上津となれば別だった。

「く、くそ……、俺はお前のせいで変態になっちまったじゃねーか、ケツが疼くんだよ、コノヤロー! ああ……そんなにヤリてぇなら返してやる、だったらよ、まずは準備だ」

上津も、最早昂る体を認めるしかなかった。
『こいつに屈したわけじゃねー』と心の中で呟きながら鬼藤の頼みを聞き入れる。

「この部屋はバストイレ付きだ、ほら、安心してこいつを使いな」

鬼藤はさりげなくポケットに手を入れ、イチジク浣腸を取り出した。

「はあ? そんなもんを携帯してんのかよ、変態が」

上津は思わず苦笑いを浮かべて言った。

「へへ、なんとでも言え、早くやってこい、風呂はトイレの隣だ」

鬼藤も笑みを浮かべて返す。

「仕方がねぇ、わかった」

2人は無意識に表情を緩めていたが、2人共プライドだけは維持している。
けれど成り行きで、まるで親しい間柄のように笑顔を見せていた。

こうして上津は、元宿敵だった相手と初っ端からヤル事となった。


……………


下処理を終え、上津がベッドに上がると、鬼藤もシャワーを浴びた体で上津の上にのしかかる。

「上津、ハッキリ言っちまうが、俺は……お前に惚れちまった、もう今度は冗談で言ってるんじゃねーからな」

鬼藤は欲しかった上津の裸体を目の当たりにして、興奮を抑えきれなくなり、思いの丈が口をついて出ていた。

「だからよ……そんな事を言うな、俺はこんな事をしていてもホモじゃねーからな」

上津は鬼藤に惚れてるだとか、そんな事は認めたくなかったが、そもそもアナルセックス=ホモだと思うのも嫌だった。

「おお、俺だってホモじゃねー、ただそんなこたぁどうでもいい、お前をいたぶったあん時、おめぇのエロい姿を見て……俺は堪らなくなった、ただそんだけの事で……エロい奴に惚れるのは普通だろ」

鬼藤もセックス=ホモだとは思いたくなかったが、上津に対する気持ちだけは曲げるつもりはない。

「お前な、どういう感覚をしてるんだ? エロい奴に惚れんのかよ」

上津はあまりにも短絡的な理由を聞いて呆れた。

「うるせーな、んな細けぇ事はどうだっていいじゃねーか、このエロい乳首、俺が育ててやったんだ、このアナルもな」

鬼藤はごちゃごちゃ話をする事がウザくなり、乳首にしゃぶりついて片手でアナルをまさぐった。

「っあっ! ちょっ……、あっ……」

上津は弱点を同時に攻められ、体がビクンと反応した。

「おい、すげー指に吸い付いてくるぞ、おめぇも欲求不満か? やっぱり俺のちんぽが忘れられねーんだろ」

鬼藤はニヤニヤしながら乳首を舌で弄び、アナルを指で掻き混ぜて言った。

「馬鹿……言うな」

上津は太い指がズルッと入り込み、前立腺を探しているのを感じ取り、乳首からくるジリジリとした快感に息が乱れたが、全力で感じている事をひた隠しにする。

「こんなに感じといて、よく言うぜ、意地っ張りだな」

だが、残念ながら鬼藤にはバレバレだった。
ローションは初めから指にたっぷりとつけていたが、上津のアナルの中は熱くトロトロになっている。
鬼藤は興奮気味に指を動かしていった。

「つぐっ、ん”ん”っ! だ、駄目だ、そこはよせ」

前立腺を刺激され、上津は腰が砕けそうな感覚に襲われた。
これ以上やられたらヤバいと焦り、鬼藤の攻めから逃れようと体をよじった。

「逃がさねーぞ、ちんぽもギンギンじゃねーか、素直に感じりゃいいものを、頑固な奴だ」

けれど、鬼藤はわざと体重をかけて上津を押さえつける。
そもそも、抱かれる事をOKしてしまったのだ。
端から逃れられる筈がなく、鬼藤は体を下へズラして上津のちんぽを口に頬張った。

「あ”……うぅっ!」

ちんぽが熱い粘膜に包まれ、上津はゾワッとくる快感に体を硬直させたが、ガチガチに勃起した竿は、上津の意思を無視して先走りを垂らす。
鬼藤は本気を出してフェラし始めた。
裏筋からカリ首の溝まで抜かりなく舌を這わせ、思いっきり咥え込んで竿を吸い上げる。
手慣れたやり方は、まだ経験の浅い上津なんかイチコロだった。
上津は辛そうに眉を歪めると、追い詰められて鬼藤の口内にザーメンをぶちまける。

「くっ……、っあ”! ハァハァ……」

押し寄せる快楽は止めようがないが、それでも上津は歯を食いしばった。
鬼藤は上津が必死に堪える様子を見て満足し、脈打つちんぽからザーメンを吸い上げる。

「なあ、いい加減意地を張るのはやめろ、お前だってもう俺との事を認めてるんだろ?」

ザーメンを全て飲み終わると、息を乱す上津に向かって言った。

「組同士が和解したとしても、俺らの関係まで修復されて……それでお前とちちくりあえって言うのか? 俺とお前はずっとライバルのままなんだ、そんなの無理に決まってる」

上津は鬼藤にイカされても、心から鬼藤を受け入れようとはしない。

「まったく……、俺はたった今ザーメンまで飲んでやったんだぜ、ライバルなんか、そんなもんクソ喰らえだ、カシラ同士、たまにゃこうして楽しむのも有りだろ、時間が空いた時で構わねー、俺はお前を抱く、抱きてぇんだ」

鬼藤は上津のあまりの頑固さにため息をついたが、諦めるつもりはなかった。

「いいや、ライバルはライバルだ、けど……ヤリてぇならそれには応じてやってもいい、つまり……体の関係のみって事だ」

上津は八代に言ったのと同じように、あくまでも体の関係だけにとどめると断言する。

「そうか……わかったよ、ふっ……」

鬼藤はニヤリと笑って体を起こす。
『セックスだけOKするって事は、自分を受け入れたも同然じゃないか』
そんな風に解釈していきり立つちんぽを握ると、亀頭を上津のアナルにツプッと入れた。

「ん”っ! んんっ!」

忘れたくても忘れられないあの感触。
上津は堪らず仰け反ったが、こんなに感じてしまうのは、このちんぽによって快楽を叩き込まれたからだ。
猛々しく勃ちあがる竿がズルズルと中に入り込んでくると、上津は嫌でも淫らな欲に毒されてしまう。
鬼藤はそれを見越して上津に被さり、緩やかに腰を動かしていった。

「どうだ、すげー感じるだろ?」

どんなに拒絶しようが、上津は自分が調教してこんなに感じるようになったのだ。
上津は快楽に堕ちる自分を戒めていたが、鬼藤は膨らんだ乳首を吸い、ちんぽで中を掻き混ぜる。
上津は顔を赤らめて喘ぐしかない。

「ハァハァ、くっ……っあ!」

鬼藤は体を密着させてトロマンを味わった。

「あ”ー、やっべぇ、お前ん中、やっぱ最高だぜ」

「あ”あ”っ! あ”っ! ハァハァ」

ちんぽがズボズボ往復すると、上津はメスイキして体を震わせ始めた。
それでも鬼藤の背中を抱こうとはせず、シーツを引きちぎる勢いで握り締めている。
鬼藤は優しくキスをして、昂る気持ちをぶつけるように、勢いよくちんぽを突き込んだ。

「っはあー、すげー気持ちいい、なあ上津……そうだろ?」

ドスの効いた低い声で上津の耳元で囁けば、メスイキした上津の理性なんか吹き飛んでしまう。
上津は鬼藤にガシッとしがみついた。

「く……そ……、あ”あ”っ、き、気持ちいい、ムカつく程気持ちいいんだよ!」

自ら腰を浮かせ、ちんぽを奥へ受け入れる。
上津はキリッとした男前だ。
それを台無しにするような乱れっぷりだが、それは鬼藤を極みへ導いた。
鬼藤は上津をギュッと抱き締めると、力を込めて腰を打ちつける。

「ああ、それでいい、もっと感じろ、俺もイクからな、お前ん中にザーメンぶちまけてやる」

鬼藤は喘ぐ上津の顔にキスしながら、限界まで張り詰めたちんぽを思い切りズン!と奥に突き入れた。
息をとめてびゅーっとザーメンを吐き出せば、込み上げる快感に尻たぶがぶるっと震えた。

「あー、たまんねー、こいつが癖になるんだよ、おめぇに種付けすんの、身体中がしびれるぜ」

グイグイ突いて溜まった欲望を吐き出しながら口走り、上気した顔で上津の頭を抱き込んでキスをする。

「んあ”っ……、ふあ”……あ”」

ただでさえ息が乱れている状況で口を塞がれ、上津は息苦しくなって顔を逸らそうとしたが、鬼藤は頭をしっかりと押さえつけて舌を突っ込んだ。
鬼藤とて、興奮がピークに達して息苦しかったが、そんなのはどうでもよかった。

再び上津を自分のモノにできた。
その充実感は何物にも代えがたく、上津の肉体を貪り尽くしたかった。
好きなだけ口内を犯し、上津の体内にザーメンを擦り込んでいく。

2人は息を詰まらせながら激しいキスを交わし、体を深く交えて湧き出す快楽をひたすら貪った。

「はあ、上津……、こんな気持ちいいのによ、まだ好きだと言わねーのか?」

鬼藤は今までの壁なんか全部取っ払って、いっそ自由に愛し合いたい気分になっていた。

「ハァハァ、い、言って……たまるか」

だが上津は、たとえ組同士が和解しようとも、鬼藤とはライバル関係でいたかった。
それでこそ、互いを高め合う事ができると、自分なりのポリシーを持っていたからだ。
ただ、そうは言っても、体内にあたたかなザーメンを擦り込まれ、ビクビク震えながら鬼藤の背中に爪を立てている。

「へっ、馬鹿だな、バレバレじゃねーの、わかったよ、じゃ、ライバルでいいわ、その代わり……もう1発ヤルぜ」

鬼藤は意地を張る上津を丸ごと認め、たった今出したばかりだというのに、ゆっくりと腰を上下させる。
真庭を始末した事もあり、上津を長い事引き止めるわけにはいかないのだが、もう1回やらなきゃナニがおさまらない。
ゆさゆさと動き始めると、上津は背中を抱いて苦悶し、硬さを取り戻すちんぽを受け入れる。

鬼藤はもう……それで十分だった。




















END

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