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Snatch成長後編BL(完結)
84、ハッテン場
◇◇◇

「あのさ〜、ちょっと待って……、ここで?」

琴里とデートした翌日、仕事が休みだったので三上を誘ってハルさんのお見舞いに行ったのだが……。
ハルさんは少し右腕が動くようになっていた。
マリアが店長になった事や小森の事、ちょっと込み入った話をしたが、言葉に詰まる事もなかった。
順調に回復しているので、思ったよりも仕事復帰は早いかもしれない。


マンションを出たのが15時過ぎだった事もあり、帰りは日が暮れていた。

車に乗ると、三上は突拍子もなく『俺の指図に従え』という。
怪しさ満載だったが、言う通りに車を走らせていたら、着いた先は人気のない公園だった。
この公園はハッテン場だと噂されている。

「おうし、ここでやるぜ」

ミノルの姿で大胆不敵発言をする。

「いや、やるって……」

店で指輪の事を話した時になにやらほくそ笑んでいたが、こういう事だったらしい。
然しながら……かくいう俺も、三上に言われてきっちり用意をしてきた。
期待などしたつもりはない……断じてない。
そう思ったが、ちょっとだけ期待したかもしれない。
テツがゆうべ酔っ払って帰宅した。
俺はやるつもりだったから、がっかりだった。
それを言い訳にしよう。
しかし、やるのはいいが、GPSでチェックされてる可能性がある。

「あの、指輪があるんで……、やばいんすけど」

「指輪はな、外してあのコンビニの兄ちゃんに預かって貰え」

「ええ……」

無茶を言う。

「貸せ、俺が行ってくる」

「いや、でも……」

知らない人に預かって貰って大丈夫なのか?

「いーから外せ、俺に任せな」

自信満々で手を出してくる。

「はい……、わかりました」

渋々指輪を外し、三上に渡した。

「よし、ちょっくら行ってくる」

三上は車を降りて、道の向こう側にあるコンビニに走って行った。
タッタッタッと小走りで道路を渡ったが、街外れの公園だから道路も交通量は少ない。
そりゃそんな場所じゃなきゃ、ハッテン場にはならないだろう。

三上はコンビニの中に入り込み、レジにいる店員と話をしている。
一体どういう風に言って預かって貰うのか……。
そう思っていたら、財布から札を出した。
金を出して預けるらしい。

レジの兄ちゃんは金と指輪を受けとったようだ。

三上は張り切ってドアを開けると、またタッタッタッと走って帰ってきた。

「はあ、はあ……、よし、やろう!」

助手席に乗り込んだが、肩で息をしている。

「無理するから……」

「馬鹿野郎、俺のアイデンティティを維持する為には、お前とやらなきゃだめなんだ」

「ぷっ……」

器がミノルだけに、ムキになったら……ちょっと可愛い。

「わかりました」

第2のパートナーでもあるし、要望通りにやる事にした。









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