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Snatch成長後編BL(完結)
46、邪欲
◇◇◇

ケビンがいなくなった後に、小森からメールで連絡がきた。

車で店まで来いという事だ。
今から行くと返信した。

晩飯はまだだが、帰宅して食べる事にする。

猫達に餌をやり、スーツを着ていつもの格好で部屋を出た。

下に降りて車に乗っていざ出発だ。
ハンドルを握って通い慣れた道を走り抜けたが、なんとなく不安で気持ちが落ちつかない。

ざわざわするような、そんな感じだ。
日が暮れたばかりで、まだ薄らと空が明るい。

テツは……今頃なにをしているんだろう。
闇カジノか、それとも付き合いで誰かと……。
あの時の女も、もしかしたらそういう相手だったのか。
でも、それならわざわざカフェに連れて行かないだろう。
考えたくない事が浮かんでくるが、きっと小森の事で憂鬱になってるせいだ。

ルーティン的に車を操って店の駐車場に到着した。
小森の車らしき黒いワンボックスが止まっている。
徐行してそばに近づくと、車から小森が降りてきて、車をとめるように指図してきた。

バックで駐車場にとめて車を降りた。

「おお、あのな、俺の車で行く、乗れ」

2台で行くわけがないし、そう言うとは思っていた。

「はい」

カバンを持って施錠し、ワンボックスのそばに歩いて行った。

「隣だ、乗れ」

「はい」

俺はこの男の手下じゃないが、マネージャーという点では格下になる。
だから、イエスマンになるしかない。
助手席に乗ったら、小森は車を出した。

勉強しろって事だし、歓楽街に行くんだろう。

「お前、矢吹テツの息子になってるが、そりゃあれか? 結婚の代わりか」

小森は俺をチラ見して聞いてくる。

「いえ、家族として暮らす為です」

昔テツが同性婚について話した事があるが、テツは家族が欲しかったと言った。
男女の結婚とは違う。
繋がりを持つにはこの方法しかないからだ。

「それが結婚って事になるんじゃないか? お前が養子になったって事は、お前が嫁になったようなものだ」

「違います、俺とテツは対等な関係です」

男女については分からないが、テツはリバもOKしてくれたし、気持ち的には対等だと思ってる。

「ふーん、対等か、なんにしても……、よくやるわ」

小森は聞くだけ聞いてバカにしたように言ったが、俺はテツと暮らす間に、自分なりにその辺りの気持ちを固めてきた。
誰がどう思おうが、自分達が幸せならそれでいい。

それ以上なにも言わずに黙っていたら、小森も黙っていた。

やがて歓楽街にやってきた。
ゴチャゴチャと小さな店が立ち並ぶ狭間に、狭い駐車場があり、小森はそこへ車をとめた。

「さ、着いたぜ」

「はい」

なにを見せるのか知らないが、車を降りて後について行った。

「ここら一体は親父のシマだ」

「そうですか」

見渡してみると……BARやスナックもあるが、殆どが風俗店だ。
ソープにヘルス、ピンサロ、よく分からない怪しげな店に売り専まである。

通りのあちらこちらにポン引きらしき男がチラホラいるが、通りかかる男に声をかけて店に誘い込もうとしている。

「こっちにきな」

小森は怪しげな店の前に行って手招きする。

「はい……」

そばに行ってドアの前に立ったが、扉だけで看板もなにもない。

「ほら、ああしてカモに歩調をあわせるんだ」

小森はポン引きを指差して言ってくるが、俺はやっぱり納得出来ない。

「あの、こんな事を言ったら気を悪くされるかもしれませんが、あれはポン引きですよね? シャギーソルジャーはニューハーフの店の中じゃ高級な方に入ります、あれは見本にはならないし、そもそも客引きはいらないと思います」

怒るかもしれないが、取り敢えずここまでついて来たんだし、俺はシャギーソルジャーに長い間勤めている。
だから、ここはハッキリと言わせて貰う。

「ふーん、俺の考えが間違ってると言うのか」

小森はジロっと睨んで言ったが、ここまで言ってしまったら……後には引けない。

「すみません、俺は覡さんの前の店長から知ってますが、今までに客引きしろと言われた事は一度もないし、シャギーソルジャーは顧客メインで頑張ってきました、店で雇うニューハーフも親父さんのお眼鏡にかなった人しか雇いません、それだけクオリティが高いんです、客引きなんかしたら、店の評価を下げる事になる」

自分が正しいと思う事を言った。

「真っ向から歯向かうつもりか、なるほどな、なあマネージャー、少し話し合う必要がありそうだ」

小森は後ろの店舗の扉を開けた。

「えっ?」

「こっちにきな」

「わっ、ちょっと……」

腕を掴まれてドアの中に引きずり込まれた。

これが店内……?

真っ暗でよく見えないが、床近くに鈍く光るライトがあった。
目を凝らしたらカウンターだったが、カウンターの足元に細長いライトが埋め込まれている。

少し目が慣れてきて、テーブル席が点在するのが見えてきた。

「来い」

「いや、あの……」

一体なんの店かわからないし、こんな所にいたくない。
手を振り払って逃げようとしたが、小森は竜治並みの体格をしている。
振りほどく事はできず、隅っこのテーブル席に連れて行かれた。

「座れ」

「っ……」

無理矢理椅子に座らされ、ケツを打った。

小森はすぐ横の椅子に座ったが、話し合うと言っても、得体のしれない店で話し合いなんかしたくない。

「あの、なんなんですか? ここ」

「ふっ、見りゃわかる」

小森はニヤッと笑って目配せする。
その方向を見ると、闇の中でなにかが蠢いている。

「ん? あっ……」

じっと見ていたら何なのかわかった。
ヤバいと思って立ち上がり、そのままドアに行こうとしたが、腕を掴まれた。

「待て」

「ちょっと……はなしてください、こんな所に来たらマズいっす」

1番近い場所で影が2つ蠢いているが、それはやってる最中だ。
ここは多分、いつか見た……浮島が闇営業でやってる店と同じで、簡易ハッテン場みたいな店だろう。
見回してみると、怪しげな影はところどころに点在し、皆無言でゴソゴソやっているが、浮島の店はカマだったのに対して、この店はガチゲイが集ってるらしい。

「この場所はそういう奴らが集まる場所だ、最近は屋外だと通報されるからな、料金はきっちり頂くが……俺らはそういった連中に場所を提供してやってるんだ、お前だって知らねぇ筈はねぇよな? どういう経緯で養子縁組したのか知らねぇが、そっちのけがあるからそうなったんだろ?」

店についてどうこう思う事はないが、俺の事を勝手に決めつけて言われるのは迷惑だ。

「勝手な事を言わないでください、俺には俺の事情があるんです」

「ふっ、なにが事情だ、ただのゲイじゃねぇか、なあおい、こっちに来な」

「わっ……、な、なにするんですか」

腕を引っ張られ、よろついて小森の膝に座る格好になった。

「俺はな、素っ気なくしてきたが、お前に目をつけてた、そうすりゃ油断してついてくると思ったんだ」

逃げようとして藻掻いたら、ガシッと抱き締めて唖然とするような事を囁く。

「え……」

「客引きはここにくる為の口実だ、お前は矢吹テツの息子になり、霧島の連中に可愛がられてる、それほどの男だ、どんな味なのか……試してみてぇじゃねぇか」

つまり……俺にくだらない興味を抱き、俺を騙したって事だろう。

「そんな事をしたら……、翔吾やテツが黙ってませんよ」

情けないが力では勝てないし、また虎の威を借りる事にした。

「ああ、そうくるのは端からわかってる、だったらよ、言わせて貰うが、お前は若頭と寝た、それを矢吹にバラされちゃ具合が悪いんじゃねぇか?」

小森は逆に俺を脅してきたが、当てずっぽうに言っても無駄だ。

「翔吾とは親友です、そんな事はしてません」

「ふっ……、馬鹿だな、俺が手を打たねぇとでも思ってるのか? 下の奴に尾行させた、これが証拠写真だ、デジカメで撮ったからな、綺麗に撮れてるぜ、後で同級生だったと聞いて納得した、お前は矢吹テツに内緒で、若頭と関係を持っている」

ところが、したり顔で言ってスマホの画面を見せる。
画面には……翔吾の車に乗ってラブホに入る所が、バッチリ映っていた。

寝耳に水だ。
素っ気なくしていたのも罠だったとは……まさかこんな事になるとは想像すらしなかった。

「で……、あなたに付き合えと、そういうんですか?」

けれど、俺だって伊達に修羅場をくぐってきたわけじゃない。
開き直って率直に聞いた。

「その通りだ、わかったら用意をしてこい、シャワーとトイレは隅にある」

こんな店で小森と関係を持つとか、嫌に決まっている。
でも、これから親父さんを説得しようって時に、翔吾との事がバレるのはマズい。

「あなたとやれば……本当に黙っててくれるんですか?」

俺とやってそれで満足するなら、我慢するしかなさそうだ。

「ああ、これを機に……良好な関係を築こうじゃねぇか、へへっ、ほら、これを受け取れ」

小森はニヤけた顔で頷き、イチジクを渡してくる。

「わかりました」

それを受け取って、用意をしに行った。
罠にはめられたのは悔しかったが、冷めた気分で淡々とやり始めた。
イチジクで体内を空にしたら、シャワー室でシャワ浣をする。
ちょっとびっくりしたのは、シャワー室の前に専用の使い捨てノズルが置いてあった事だ。
ちゃんと個装された物が籠に山積みにされている。
また、使い捨ての紙タオルが壁に設置されていたが、1枚ずつ引き出して使うやつだ。
料金をいくらとってるのか分からないが、ガチでゲイ向けのハッテン場らしい。

全部済ませて脱いだ服を再び着た。
さすがにバスローブまでは無いので、面倒だが仕方がない。

小森のところに戻ったら、椅子にふんぞり返って座っている。

「済みました」

「ああ、ま、座って飲め」

座るように言ってきたが、俺がいない間に飲み物を注文したらしい。
けど、カクテルグラスだ。

「あの、アルコールは駄目なんで」

「心配するな、ノンアルコールのカクテルだ」

「あ、そうなんですか……」

ノンアルコールだとは思わなかったが、とにかく椅子に座った。
カウンターの中には幽霊みたいな、存在感の薄いボーイが立っている。
ここはカウンターのそばだから比較的明るい。
カクテルグラスの中身が緑色なのがわかったが、ここ以外のスペースは豆球程度のスポットライトしかない。
しかも床に埋め込まれてるらしく、下から光が出ていて、まるで蛍の光のようにぼんやりと弱い光を放っている。

「さて、やるか」

小森は上着を脱いで椅子にかけたが、俺は出されたカクテルを口にした。
甘い味が舌に染み入り、酒のような匂いが鼻から抜けた。

「お前も脱げ」

小森は手を出してきて上着を脱がしにかかったが、なんの高揚感もなく、されるがままだ。
グラスを一旦置き、袖を抜いた。
小森は脱がせた上着を椅子にかけると、椅子をくっつけて肩を抱き、胸板を揉んでくる。
俺は仕方なく付き合ってるだけだから、手を伸ばしてグラスをとった。

「男とやるのは久々だ」

小森は耳元で言って耳朶を食んできたが、無視してグラスを一気に空けた。
寺島に似てるから、寺島にやられてるような気がしてくる。
今日はネクタイ無しの開襟シャツだ。
小森はボタンを外して前を開き、肉付きのいい手で肌を撫で回す。
息が荒らくなっているので、がっつりそっちのけがあるんだとわかった。

「お前、経験豊富なんだよな? だったらここは感じるだろ、どうなんだよ」

乳首をつまみ上げて聞いてくる。
知らんふりしようと思ったが、耳にぬめる舌が這いまわり、指が乳首を捻り潰してくると……急に気分が昂ってきた。
脅されて渋々つきあってるだけなのに、じわっと甘ったるい痺れを感じる。

「おい、無視してもだめだ、勃ってるじゃねぇか」

小森は股間を触って言ったが、言った通り、そこは既に勃っている。

「へへっ、散々やってきたんだろ? 体が反応するんだよ」

ゴツイ手がベルトを外し、前を開いて中に侵入してきた。
竿をギュッと握られて、体が強ばった。

「っ……」

こんな奴を相手にバカだと思ったが、身を任せるしかない。

「下を全部脱げ」

「はい……」

指図に従ってグラスを置き、下を脱いで椅子にかけた。
小森は興奮気味に抱き寄せ、よろけてガッチリとした肩を掴んだら、息を荒らげて乳首を吸ってくる。

「はあ、おめぇ、パイパンかよ、肌がツルツルだな、いかにもウケらしい体をしてる」

小森は股間を見て言ったが、なんとでも思えばいい。
何をされても無反応で通そうと思ったが、片手でチンコを扱いてくる。
たかが手コキなのに異様に感じてしまい、立ったままいきそうになってきた。

「くっ……」

「はあ、たまんねぇ、このケツもツルツルじゃねぇか、後ろに向いてみな」

後ちょっとってとこで小森はチンコから手を離し、尻を撫で回して言った。
タトゥーや刺青に気づくかもしれないが、別にどうってことない。

「よっしゃ、シャツも脱げ」

背中を向けて立ったら、また指図してきた。

「はい……」

ここは明るいので周りから見えてしまうが、他の奴らもやってる事は同じだ。
全裸になってシャツを椅子にかけた。

「おお? お前、墨が入ってるじゃねぇか……、鷹か、ほおー、こいつはなかなか……いい彫り物だ」

小森は背中の鷹に気づき、鷹を撫で回している。

「んん〜? ケツにもなんか入ってるな」

そして、タトゥーにも気づいたらしい。

「なになに〜、tetsu……って、おいこりゃ……矢吹の名前だろ、なはははっ! しかも矢のマークだ、お前、ネーム入りかよ、なははっ」

やっぱり笑った。
小森は一笑すると、背中を押してテーブルに突っ伏すように言ってきた。

「ったく……、笑わせてくれるぜ、へへっ、それだけお気に入りってわけか、ふーん、どれ、見せてみな」

尻を小森の方へ突き出す形になり、小森は尻臀を開いてアナルを見る。
屈辱的だが、目を瞑って耐えた。

「こっちもパイパンか……、脇毛もねぇし、やっぱりよ、そばに置くにはそうなるわな、よっぽどの雑食でもねぇ限り、綺麗なのを好むだろう」

勝手な事をぶつくさ言って、指をアナルに入れてきた。

「うっ」

ローション無しだから軋んで痛い。

「ローズになっちゃいねぇな、ふーん、マジで大事にされてるのか、けどよ〜、お前、若頭と浮気をするぐれぇだ、このアナルで何人食らった?」

嫌な事を聞いてきたが、太い指を動かされちゃたまらない。

「う、ローションを……」

質問に答えるよりも、ローションが先だ。

「ああ、忘れてたぜ」

小森は椅子に座ったままだが、背後でゴソゴソと手を動かし、尻の溝にローションを垂らしてきた。
てっきり乱暴にやるかと思ったが、そうでもなさそうなので少し安堵した。
だが、安堵した途端、指で前立腺を弄り始め、鋭利な刺激に体がビクッと震えた。

「っ、うぅ……」

「エロい穴だ、指を咥え込んでひくついてやがる、こっちもムズムズしてんだろ?」

片手を前に回して玉をやわやわと揉んでくる。
背中に舌が這いまわり、追い立てるようにエロい気分が高まってきた。

「感度はかなりいいな、肌は滑らかで……前立腺もコリコリに硬くなってる」

小森は指を動かしながら、俺の体を値踏みするように反応を確かめている。

「はあ、はっ……」

こんな筈じゃなかったが、興奮が増してきて息が乱れる。

「ちんぽもガチガチだ、ヌルヌルになっちまってよ、助平な体だ」

小森は竿を握り、指で亀頭を擦る。

「う、うっ……」

今度こそイキそうになって腰が動いた。

「へっ……、もう出そうなのか、あんな、お前が飲んだカクテル、ありゃ媚薬入りだ、どうだ、そろそろアナルにぶち込んで貰いてぇだろ?」

通りで……なわけだ。
媚薬というのは憎らしい物で、どんなに嫌いな相手でもやりたくなる。

それでも、理性はまだ生きていた。

「だ、誰が……」

意地で言葉を返した。

「ふーん、アナルはこんなにいい具合になっててよ、素直じゃねぇな〜」

小森はチンコから手を離し、前立腺をグニグニ押し回す。

「くっ、ううーっ!」

強い刺激が走り、テーブルに指を突き立てた。

「せっかく仲良くやろうってのに、どうしようもねぇ奴だ、社長さん、こっちへ」

体中が痺れる中で、小森が誰かに話しかけるのが聞こえた。

「へへへ、やっていいか?」

年配らしき男の声がした。

「ああ、こいつはちょいと訳ありだからな、1回3万でよけりゃ、生掘り中出しOKだ」

3万……俺は売られたのか?

「あ……、はあ、はあ」

焦って起き上がろうとしたが、体が重くて俊敏に動けない。

「おい、動くな」

小森が背中を押さえつけてきた。

「ちょっ……、お、俺は」

ウリをする為にきたわけじゃないし、そんなのは想定外もいいとこだ。

「じゃ、いただくとするか」

年配の男が後ろにやって来て必死に藻掻いた。

「う、う、やめろ……」

「じっとしてな、すぐに気持ちよくなる」

しかし、小森に押さえつけられて身動きがとれない。

「へえ、綺麗なアナルだな、どーれ」

後ろの男がアナルに入ってきた。

「くっ……、ううっ! やめろ」

硬い肉塊の感触に嫌悪感を覚えたが、それとは真逆に体は感じている。

「はあー、刺青の入った奴をやるのは初めてだ、ふむ……、悪くないぞ、ちんぽを挟みつけてくる」

男はチンコを根元まで挿れて腰を振り始めた。

「はっ……、あ、や、やめっ」

どこの誰かも知らない奴に掘られ、おぞましくなってゾッとしたが、小森が背中を舐め回してくる。

「おいマネージャ〜、うちの客はチェック済みだからな、中に出されても病気になる事はねぇ、安心して感じてな」

チェック済みだか何だか知らないが、不意打ちでウリをやらせるなんて……酷い……。

「さ、最低だ……、あ、うっ」

男の動きが早くなってきて、抉られる度に快感が湧き出してくる。

「小森さん、この子いいよ、かなりいい、どこの誰だか知らないが、もうイクよ」

「ううっ!」

ズンッと強く突かれた瞬間、嫌悪感とは裏腹にイキ果ててしまった。

快感と怒りで……頭の中が混乱する。

「くっ、くそっ……はあ、はあ」

「お〜、良かったよ、金は出る時に払う」

チンコがズルッと抜け出し、男は暗闇に紛れていなくなった。

「あーあ、やられちまった、だから素直に『入れてくれ』って言やあよかったんだ」

小森が後ろに回り込み、尻臀を開いてムカつく事を言っている。

「ウリなんかさせて……」

腹が立って仕方がないのに、快楽の余韻で動けない。

「ま、これも勉強だ、お前の体ひとつで金が稼げるんだからな、事実この界隈じゃ、みなそうやって稼いでる」

小森は好きな事を言ってアナルに熱い塊を当てがってきた。

「やめろ……」

これ以上侮辱されるのはごめんだ。

腕を立てて起き上がろうとしたが、ズンッと勢いよく貫かれてガクッと力が抜けた。

「ううーっ!」

さっきの奴よりデカい。
媚薬で腑抜けになった体が、いきり立つ肉塊を嬉々として迎え入れる。

「中がドロドロになっちまってるが、ふーん、確かにいいわ、マンコと違ってアナルはすぐガバガバになるからな、けど、たまーに締まりのいい奴がいる、なるほど……こいつは上物だ、3万じゃ安過ぎるな、おいマネージャー、お前、いいアナルしてるじゃねぇか、気に入られる理由がわかったぜ」

小森は俺の事を商品みたいに言って、感触を確かめるように腰を動かす。
チンコが中を摩擦すると、否が応でも淫らな痺れが襲いかかってくる。

「うっ、ううっ……、い、嫌だ」

こんな思いをしたのは何年ぶりだろう……。
三上にやられた時が1番ハッキリと記憶に残っているが、小森は三上みたいに暴力的じゃない。
チンコを突っ込みながら背中を舐め回す。

だから無駄に感じてしまい……尚更悔しさが募る。

「いい鷹だ、気に入ったぜ、じゃ、ぼちぼち種付けしてやるわ」

快感に咽びながら、激しく突かれてまたイキ果てた。
自分自身を『最低だ!』と罵りたかったが、息を乱して喘ぐしかなかった。


やり終わって……俺はシャワーを浴びた。
気持ち悪くて堪らず、シャワ浣をして中を洗い流した。
元通りに服を着て、小森と連れ立って店から外に出た。
夜なのに、ネオンが瞬く外の方が明るい。

無言で歩き、ワンボックスの助手席に乗った。
車はすぐに走り出したが、気が抜けて夜の景色を漠然と眺めていた。

「なあ矢吹、お前ともこれで分かり合えた、だからよ、客引きは無しだ、その代わり……勉強に付き合って貰うぜ」

小森はまだ俺と関係を持つつもりでいるらしい。
突っぱねたかったが、それが出来れば初めからやっている。

なにも答えずに黙っていた。






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