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SMILE!
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「中学が一緒だったんだよね?いつかまた会えるといいね。私も会ってみたいよ」

「……はい、おれも会いたい、です」


微かに笑うと、良仁さんも微笑んでくれた。


「ああ、それとね但馬君から伝言。シマは大丈夫だったって」

「…っ本当、ですか…?」


頷いた良仁さんを見て、嬉しくなってくしゃりと笑う。
よかった…本当に、よかった。


「今日一日だけは病院で預かるって言っていたから、明日には帰ってくるんじゃないかな」


それじゃあ、今日はシマいないのか。少し寂しいけど、仕方ない。今日我慢すれば、明日シマは帰って来る。


「よかったね、無事で」

「…はい。…あの、良仁さん、」


楢木先生がどうなったのか、知りたかった。


「……楢木先生は、」

「クビだよ」


聞いた事のない冷たい声で、良仁さんは言った。


「楢木先生はそれだけの罪を犯しているんだ、わかるね?」

「……でも、」


でも?
なに、なんで、庇う必要があるんだろう。あんな事をされたのに。
当然の罰だと言われれば、ああそうか、と納得する。だけど、何だろう…もやもやする


「八君、楢木先生がクビになるのは君のせいじゃないし、自業自得なんだよ」


膝の上で握り締めていた手を良仁さんの大きな手で包み込まれた。


「気にする事はないよ」

「……はい」


微笑む良仁さんに頷くしかなかった。
こんな時、親友がいたらなんて言うだろうか、
ばーか、悩みすぎなんだよ
たぶん、こう言う。ああ、あんな夢を見てしまったから、考えてしまうのは親友の事ばかり。
良仁さんとは違った意味で、唯一おれが頼る事が出来る相手。

知ってるか、おれが自然に、心から笑える相手はお前だけなんだ



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あきゅろす。
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