SMILE!
2
「中学が一緒だったんだよね?いつかまた会えるといいね。私も会ってみたいよ」
「……はい、おれも会いたい、です」
微かに笑うと、良仁さんも微笑んでくれた。
「ああ、それとね但馬君から伝言。シマは大丈夫だったって」
「…っ本当、ですか…?」
頷いた良仁さんを見て、嬉しくなってくしゃりと笑う。
よかった…本当に、よかった。
「今日一日だけは病院で預かるって言っていたから、明日には帰ってくるんじゃないかな」
それじゃあ、今日はシマいないのか。少し寂しいけど、仕方ない。今日我慢すれば、明日シマは帰って来る。
「よかったね、無事で」
「…はい。…あの、良仁さん、」
楢木先生がどうなったのか、知りたかった。
「……楢木先生は、」
「クビだよ」
聞いた事のない冷たい声で、良仁さんは言った。
「楢木先生はそれだけの罪を犯しているんだ、わかるね?」
「……でも、」
でも?
なに、なんで、庇う必要があるんだろう。あんな事をされたのに。
当然の罰だと言われれば、ああそうか、と納得する。だけど、何だろう…もやもやする
「八君、楢木先生がクビになるのは君のせいじゃないし、自業自得なんだよ」
膝の上で握り締めていた手を良仁さんの大きな手で包み込まれた。
「気にする事はないよ」
「……はい」
微笑む良仁さんに頷くしかなかった。
こんな時、親友がいたらなんて言うだろうか、
ばーか、悩みすぎなんだよ
たぶん、こう言う。ああ、あんな夢を見てしまったから、考えてしまうのは親友の事ばかり。
良仁さんとは違った意味で、唯一おれが頼る事が出来る相手。
知ってるか、おれが自然に、心から笑える相手はお前だけなんだ
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