SMILE! 甘い side.栄 「ホント使えない、あの教師」 その言葉にくすりと猫が笑う。 「どうするんだにゃー?楢木先生が捕まった以上、バレるのも時間の問題にゃ」 「わかってる。だから鶴岡栄は身を隠す。ぼくがべに様だとわかっても、見つけ出さなきゃ意味ないでしょ?」 バレてもいいよ、別に。 見つからなければいいんだから。 江夏八がいなくなったその時に、姿を現してあげる。それまで、必死にぼくを探せばいい。それから、三人をぼくのモノにする。 「赤塚くんはどうするんだにゃ」 「あれはまだ使わない。先に香西先輩が動くでしょ」 風大も香西先輩もバカ。 ぼくの言う通りに動いてくれるんだから。 「ふぅん。というか、べに様は体育祭出ないのかにゃー?」 「めんどくさいし、出ないよ」 体育祭の状況とかは聞けば分かるし、わざわざ出る必要もない。 「猫、」 「にゃー?」 「アンタさ、江夏八に肩入れするなら、もうぼくに関わらないでよね」 江夏八とアンタが会っていた事、知っているんだからね アンタはバレないと思っていたみたいだけど 「気付いてたんだにゃ?」 「当たり前。温室で話してたんでしょ?猫はぼくを甘くみてるね」 甘いよ、ホント ぼくにだって、情報は来るんだよ?ま、猫ほどではないけれど。 「だから、もうおしまい。これ以上、ぼくに関わるならアンタを先に殺すよ、佐々流星」 「怖ーい。まだ僕は死にたくないにゃー」 猫は笑った。 「だからさよなら、べに様。早く君が捕まる事を願うにゃ」 やっぱり傍観者だね、猫は。 捕まる事を願うだけ。 今すぐ、晃雅様達に連絡すれば、ぼくは捕まるのにね。 甘いね、猫は。 そんなんじゃ、江夏八は死んじゃうよ? . [まえ][つぎ] [戻る] |