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SMILE!
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「風大!何て事言うの…!」


赤塚の後ろにいた二人の生徒の内、一人が赤塚を軽く怒った。


「栄、オレ別に悪くないし…!」


栄と呼ばれたその生徒は、美少年だった。黒川と、同じくらい可愛い生徒。


「そうだよ、別に風大は悪くないよ」

「省吾!だよな!」


省吾と呼ばれた生徒は腰まである薄紫色の髪が似合っていた。おれとは逆にある泣きボクロがなんとも言えない色気を放っていた。人工的な紫の瞳がこちらを捉える。

…ゾクリとした。
何でかは、おれ自身にもわからない。


「…滝登、いい加減泣き止んだらどう?」

「…っしょ…しょうくん…」


ゆっくりと滝登はおれから離れゴシゴシと制服の袖で目を拭った。


「その人と、ご飯食べに来たんでしょ?」

「うん」

「じゃあいちいち泣かないでよ。ウザったいから。迷惑じゃん、僕にもその人にも」


この省吾という生徒は、あんまり悪い子ではなさそうだ。
ぶっきらぼうな感じだが、その言い方に棘はない。
だが、その紫の瞳が何を考えているかわからないのは事実だった。


「江夏さん、だったっけ」


ちらりとこちらを紫色の瞳が見つめた。


「大神省吾、よろしく」


まさか自己紹介をされるとは思っていなかった。心の中でぽかんとしているおれを置いて話は進む。


「ぼくは鶴岡栄っていいます。江夏さんって、紅の担当なんですよね?」

「……ああ」

「すごいですよね、三日以上続いてるって。皆噂してますよ」


噂ってなんだろう。
どういう噂なのか気になるが、聞きたくない。それに、いずれわかりそうだと思った。


「なぁ江夏さん、」


今まで黙り込んでいた赤塚が、話しかけてきた。赤塚は眉間にシワを寄せ、おれを見ていた。


「昨日さ、オレの指輪取った?」


昨日の指輪は、赤塚が落としていた。その指輪は岩代にちゃんと返した。赤塚は、何か勘違いでもしてるのか?


「風大、それはもう終わった事でしょ。岩代様が指輪拾ってくれてたよね」

「…うー…さかえー」

「終わった事をぐだぐだ言わないの」

「わかったよ…」


いまいち話しがよくわからないが、赤塚は仕方なく納得したようだった。


「ごめんなさい、江夏さん」


何故か、謝ってきたのは鶴岡で、謝る理由がわからなかったおれは首を横にふった。



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あきゅろす。
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