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SMILE!
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仮風紀委員の理由はまだランキングが発表されていないから。確か明後日に発表される予定だったはずだ。
上位10名が、生徒会と風紀に入る。紅メンバーはランキングから除外される。紅メンバーに投票したとしても、それは数えられない。
戸谷は中等部の人気から考えて、上位に入るはずだから、すでに風紀の一員として扱っている。
他のメンバーに、変動はないだろう。あるとしたら、生徒会補佐に誰がなるかという事だ。
たぶん赤塚だろうけどな。後は、紅に五十嵐という一年が入った事ぐらいだ。
残念な事に今年も風紀をやるはめになるだろう。


「戸谷、お前何やってるんだ」

「う?ああ、りんセンパイだー」


マイペース戸谷。
すずをりんと呼び間違っているが戸谷は直そうとはせず、そのままりんセンパイになった。
顔も年齢も、立派な高校生だが、精神は小学生…いや、幼稚園児なんじゃないかという性格をしている。
そして、何故かいつも折り紙を折っている。俺は今だに鶴を折っている所しか見た事がない。
千羽鶴でも作る気なんだろうか。


「滝登、知り合いなのか?」


生徒会連中を無視して、戸谷に話しかける赤塚。そんな赤塚に戸谷は笑った。


「うん。りんセンパイ、知り合いだよお」


戸谷のその言葉に俺を見る赤塚。仕方なく自己紹介する。


「半木依鈴、風紀委員だ」

「あ、えっと、赤塚風太です!よろしくお願いします依鈴先輩!」


お前の名前は知ってるし、あんまりよろしくもしたくない。


「何やー、依鈴何しに来たん?」


赤塚の背中にべったりくっついている茉。


「まさか、いっちゃんまで風ちゃん狙ってるのー!?」


香西先輩の言葉はスルーしておく。誰が狙うか。こんな奴よりよっぽど八さんの方がいい。


「それはいけませんね」


副会長まで俺を疑ってきた。
いつもは敬語キャラな副会長だが、キレるとそれが壊れる。キレたらやっかいな人だ。


「風太は渡さないから」


最後に大神。
渡さなくて結構だ。逆に渡されても困る。大神は何を思ったのか、赤塚の頬にキスした。


「…っしょ、省吾!!何してんだよッ!」

「しょうくん、ずるいよお」


赤塚は声を上げ、必死にキスされた頬を袖で拭っていた。
戸谷は涙目で大神を見ていた。生徒会連中三人も負けじと、赤塚にベタベタとし始めた。
それを見た食堂にいる生徒達は、奇声を発っする。
勘弁してくれ…



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