SMILE! 2 仮風紀委員の理由はまだランキングが発表されていないから。確か明後日に発表される予定だったはずだ。 上位10名が、生徒会と風紀に入る。紅メンバーはランキングから除外される。紅メンバーに投票したとしても、それは数えられない。 戸谷は中等部の人気から考えて、上位に入るはずだから、すでに風紀の一員として扱っている。 他のメンバーに、変動はないだろう。あるとしたら、生徒会補佐に誰がなるかという事だ。 たぶん赤塚だろうけどな。後は、紅に五十嵐という一年が入った事ぐらいだ。 残念な事に今年も風紀をやるはめになるだろう。 「戸谷、お前何やってるんだ」 「う?ああ、りんセンパイだー」 マイペース戸谷。 すずをりんと呼び間違っているが戸谷は直そうとはせず、そのままりんセンパイになった。 顔も年齢も、立派な高校生だが、精神は小学生…いや、幼稚園児なんじゃないかという性格をしている。 そして、何故かいつも折り紙を折っている。俺は今だに鶴を折っている所しか見た事がない。 千羽鶴でも作る気なんだろうか。 「滝登、知り合いなのか?」 生徒会連中を無視して、戸谷に話しかける赤塚。そんな赤塚に戸谷は笑った。 「うん。りんセンパイ、知り合いだよお」 戸谷のその言葉に俺を見る赤塚。仕方なく自己紹介する。 「半木依鈴、風紀委員だ」 「あ、えっと、赤塚風太です!よろしくお願いします依鈴先輩!」 お前の名前は知ってるし、あんまりよろしくもしたくない。 「何やー、依鈴何しに来たん?」 赤塚の背中にべったりくっついている茉。 「まさか、いっちゃんまで風ちゃん狙ってるのー!?」 香西先輩の言葉はスルーしておく。誰が狙うか。こんな奴よりよっぽど八さんの方がいい。 「それはいけませんね」 副会長まで俺を疑ってきた。 いつもは敬語キャラな副会長だが、キレるとそれが壊れる。キレたらやっかいな人だ。 「風太は渡さないから」 最後に大神。 渡さなくて結構だ。逆に渡されても困る。大神は何を思ったのか、赤塚の頬にキスした。 「…っしょ、省吾!!何してんだよッ!」 「しょうくん、ずるいよお」 赤塚は声を上げ、必死にキスされた頬を袖で拭っていた。 戸谷は涙目で大神を見ていた。生徒会連中三人も負けじと、赤塚にベタベタとし始めた。 それを見た食堂にいる生徒達は、奇声を発っする。 勘弁してくれ… . [まえ][つぎ] [戻る] |