SMILE! 2 「それにアイツが紅の担当になるのは決まったも当然でしょう」 「…どういう事ですか」 分かっていたけどわざと聞いた。 紅の担当は、多数決で決まる。八を紅の担当にするのを拒否しているのは、俺と真樹の二人だけだ。何十人いる内の、たった二人。 「貴方達、二人だけですよ?これに反対しているのは」 何も言えない。 俺に権力があったら、良かったんだけどな。無理な話だ。 「…分かりました」 たったそれだけを楢木に伝える。 「それじゃあ紅の担当は江夏でいきましょう。ああそうだ、金武先生、江夏に伝えておいて下さい」 では職員会議を終わります、と楢木が締める。 俺と真樹はすぐに職員室を出た。あのクソ野郎と一緒の空間にいたくなかった。 「桐也、どうすんだよ」 「どうしようもないだろ」 今だに素な真樹。 それだけ楢木にキレたんだろう。 「それに八は、絶対嫌がらねぇだろ…」 「…そうよね、それがはっちゃんだもん」 ま、そこが可愛いんだけどと笑う真樹。 「八に伝えに行かねぇとな」 「頼んだわよ?」 「ああ、任せとけ」 真樹と保健室の前で別れ、八の所へ向かった。 . [まえ][つぎ] [戻る] |