SMILE!
担当 side.桐也
入学式も無事に終わり、今から職員会議がある。紅の担当を決めるための。
というか八の奴大丈夫だったんだろうか?真樹が行ったみてーだけど、真樹に襲われてねぇよな?
「遅くなってごめんなさいねー」
「真樹…」
「桐也、まだ始まってないわよね?」
隣に来た真樹にああ、と頷く。
「八は?」
「はっちゃんなら大丈夫よ。さっき仕事に戻ったわ」
「お前八に何もしてねぇよな?」
「さあ、どうでしょうね」
ニヤニヤ笑う真樹に嫌な予感がした。
後で八に聞くか。真樹のことだから、キスは絶対してるな。
「では、職員会議を始める」
偉そうに楢木が仕切る。
理事長は職員会議には出ないからなあ…
「引き続き、生徒会は金武先生、風紀は私でいいでしょう。金武先生、よろしいですか?」
「構いません」
こいつに敬語使ってる自分が気持ち悪い。一応、楢木の方が立場上だから仕方ねぇけど。
八の事、何かと目の敵にしやがって。
理事長には媚び売るし、理事長だけじゃなく、生徒会の奴らにも、風紀の奴らにも、楢木は媚びる。
こいつは生徒から、嫌われてる事自覚してねぇだろうな。
「それで紅の担当ですが…、」
楢木が言った次の言葉にマジで、キレそうになった。
オレだけじゃない、隣にいる真樹も真顔になっていただろう。
「アイツでいいでしょう。江夏八で」
「おい、ちょっと待てよ!」
思わず敬語を忘れて、楢木に向かって叫ぶ。
「なんです?」
余裕な態度取りやがって、それがムカつくんだよ。
「八……江夏は用務員です!教師でもないのに、紅の担当を任せるつもりですか!」
「えぇ、そうです。アイツもいろいろ経験した方がいいでしょう」
コイツ…
真樹が黙ってる。本気でキレてるらしい。殺気が酷い。
「どうせ三日も、持たないんですから」
「…テメェ、」
「…真樹、止めろ。楢木先生、江夏を紅の担当にして…もし何か問題が起こったらどうするんですか?」
本格的にキレた真樹を止め、楢木に向き合う。
「江夏が責任を負うに決まってるでしょう。いつまでも理事長の後ろにいる訳にもいかないでしょう?」
ただの用務員の八が紅の担当になったら、何かしら問題は起こる。
楢木はその責任を八に押し付けて、辞めさせるつもりだろう。
最低最悪なクソ野郎だな。
.
[まえ][つぎ]
[戻る]
無料HPエムペ!