SMILE!
2
「……うるさい」
小声でボソリと呟くと、目の前のそいつはハッと不敵に笑った。
「ちゃんと声出るんじゃねえか」
「…え?」
どういう事だ?
訳が分からず、首を傾げた。
「……痛、」
ぎゅうっと鼻を摘まれた。
かなり痛い。
何で、初対面の人間に鼻を摘まれてるんだろうか?
「お前、教師じゃねえな?」
コクンと頷く。
「じゃあいい」
そう言うと、そいつはおれの鼻から手を離すと、校舎の方へ戻っていった。
何だったんだ
それにしても鼻が、
「…痛い」
赤くなっているだろう鼻を摩る。
「…ぅ…、」
うめき声が聞こえて、視線を向けると、さっきやられた生徒の中の一人が目を覚ましていた。
「…大丈夫、か?」
近づき、声をかけると思いっきり睨まれた。
人と関わるのは苦手だ。でも、怪我してるし、絆創膏くらいなら持ってる。
「…なん、だよ…ほっとけ…もやし、」
この人、おれの事知ってるのか。知ってるといっても、あだ名とかそのくらいだろうけど。
「……絆創膏」
ポケットから絆創膏を数枚取り出し、渡す。
「…そんなもん、いらねー」
そう言う生徒の近くに絆創膏を置く。絆創膏を渡すという用が済んだおれは、その場を離れる。
「っおい、もやし!!」
後ろから、呼び止められたけど、無視した。
喧嘩して倒れている生徒は、結構多い。そういう時は、必ず絆創膏を置いている。
ほとんどが気を失ってるから、おれだとは知らないだろうけど…
あ、温室行かないと
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