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36:【きっと】
マツゲで、飛んで、歩いていくうちに、すっかり夜になってしまった。ていうか寒っ!!!


「しかし、何だこの昼と夜の温度差は」
「・・・・・・砂漠の夜は氷点下まで下がるから」
『え!?氷点下・・・!?』
「あそこ!!明かりが見える!?着いたのか!?"ユバ"に!!」
「砂が舞っててよくわかんねェや・・・!!!」


目を凝らすと遠くに建物らしきものが見える。同時にブオォオォオ、と地響きが鳴り出した。


「・・・・・・!!・・・町の様子がおかしい・・・!!!」


そしてビビちゃんがハッとなる。


「砂嵐っ!!!!ユバの町が砂嵐に襲われてる!!!」


急いで急行してみると、建物が砂に覆われ、そこは町であったであろう痕が残っていた。

あまりの酷さに言葉が漏れる僕達。

そこに1人の老人が砂を掘っているのが見えた。


「旅の人かね・・・砂漠の旅は疲れただろう。ゆっくり休んで行くといい・・・宿ならいくらでもある・・・」


ビビちゃんが顔を少し隠しながら老人に話しかけた。


「あの・・・この町に反乱軍がいると聞いてきたんですが・・・」
「・・・反乱軍に何の用だね・・・」


ビビちゃんの言葉を聞いた途端、ギロッ!!と僕達を睨みだした。

そして急に色んな物を投げつけてきた。


「貴様らまさか、反乱軍に入りたいなんて輩じゃあるまいな!!?」
「うわっ!!何だ何だいきなりっ!!!」
『あたっ』


ちょっ、老人の投げた物が僕にぶつかったんだけど。何してくれんだ。

老人は投げるのを止めて話し出した。聞くとこの町にもう反乱軍はいないと言うじゃないか。

落胆の声を出すみんな。更に老人の話によると、本拠地を"ユバ"から『ナノハナ』の隣の"カトレア"に変えただとか。


「おい・・・!!おれ達ァ何のためにここまで」
『ビビちゃんどうする?』
「ビビ・・・!?・・・今・・・ビビと・・・!?」
『! ああああおじいさんビビちゃんは女王なんかじゃないからァァァアアア!!』
「言うな(バコッ)」
『Σだっ』


あいたたた!!ちょっ!ゾロに殴られたし!!

老人がビビちゃんに言い寄り、ビビちゃんはその人が誰か分かったようだ。


「・・・・・・!!トトおじさん・・・・・・!?」
「そうさ・・・私はね・・・ビビちゃん!!国王様を信じてるよ・・・!!!あの人は決して国を裏切る様な人じゃない・・・!!!そうだろう!!?」


泣きながら反乱を止めてくれと訴えるトト。そんなトトにビビちゃんがハンカチを差し出す。


「トトおじさん、心配しないで」
「・・・ビビちゃん・・・」
「反乱はきっと止めるから!」


笑顔で言うビビちゃんに、胸が痛んだ。


* * *


寝て体力を回復するために、宿に泊まらせて貰った。

僕は眠たさのあまりすぐに寝ようとさっさと布団に入った。

が、周りが物凄く騒がしくとても寝れる状態じゃない。コノヤロウ、僕の睡眠邪魔したらどうなるか分かって


「ひずに!お前は何さっさと寝ようとしてんだ!!」
『ブベッ!』


・・・顔にウソップの投げた枕がクリーンヒットした。・・・テメェ、


『ウソップ、覚悟はできてんだろうなァ・・・!!?』
「狽ハわっ!怖っ!!」
『俺の睡眠邪魔するたァ結構な勇気だ・・・。そこに直れ!!成敗してくれる!!』
「ギャァァァア!!ひずにが刀持ち出したーーー!!」
『他の奴らも騒いでいたから同罪だ!!うらァァァァァアアア!!!』
「・・・フフッ」


ビビちゃんが楽しそうに喧騒を見てたってのは、気づかなかった。

・・・・・・。

もう朝だ、結局ちょっとしか寝れなかった。皆の馬鹿野朗。


「うわっ水じゃん!!」
「昨夜君が掘りながら眠ってしまった直後にね、湿った地層までたどり着いたんだ」


ルフィがじーんと感動してる。ルフィ偉い!

そして僕達はトトと別れ、"ユバ"を出た。

だが歩き始めて少し経った時、ルフィがいきなり座り込んだ。

どうしたの?と声を掛けるビビにルフィは考える様に唸り、


「やめた」


ただ一言そう言った。


「「「は!??」」」


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あきゅろす。
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