27:【良いコンビ】
『みーんなしてあんなに怒らなくてもいいのに・・・』
ぶつぶつと不機嫌そうにつぶやいているのはひずにだ。
『最近面白い事無いから皆で楽しもうと僕は考えたのだ!むしろ褒めろ僕を!』
無理だな。
『退屈じゃないか・・・またエースをからかうかなァ・・・』
お前は何時もそんな事をして退屈をしのいでいたのか。
『つか何キフリ君、ナレーターが最近の君の趣味かね?』
「あっ、言うなよ。読んでいる方々に内緒方向で行こうと思っていたのに」
『無理だろ。つか何キフリ君、暇なの?』
「そうだな、暇だな」
『何か面白い事ないかな〜』
「そうだな、じゃァ楽しくて気持ち良いこと教えてやr『うるさい黙りんしゃい』えー」
久しぶりの変態発言にひずにがキフリより距離をとる。
『これだから野郎は・・・これだからキフリは・・・』
「ちょ、何その俺自体を拒否した感じ」
『まァ拒否ってるな』
「!?」
『エースのとこに行こー』
「えぇぇえぇー、俺を一人にするなー寂しいよう」
『キモッ!!お前そんなキャラだったか!?』
「寂しいよう寂しいよう」
『縋るなっ!!ちょちょちょ誰か助けて!コイツ頭何か沸いてる!!』
「大丈夫かひずに!キフリこの野郎!ひずにから離れやがれ!!」
『おわっ!どっから沸いたエース!何時もの事だけどさ!』
「ちょっエース隊長熱い!!離れますから俺を燃やさないで下さい!!」
キフリの服は燃えていた。
「ちょちょちょ水ゥゥゥゥ!!」
『海にでも飛び込め!そして帰ってくるな!!』
「あわわわわわ!」
キフリは本当に海に飛び込んだ。
『ふぅ、エースありがとう助かった』
「ああ、娘の為だ!キフリに変な事されなかったか!?」
『まァまだセクハラの位置だ。大丈夫』
「にしてもキフリめ!ひずにばかり狙いやがって!」
『ナース達のところに行けばいいのになァ』
「そういえば、女に早いアイツが珍しくナースの方に向かわないんだよな」
『え?そうだっけ?僕がアンやシャーリーと居る時とか結構来てるよ?』
「そうなのか?」
『うん、めっちゃ話しかけてるよ』
「俺が見る限りそんな事はないが・・・」
『つかキフリ遅くね?』
「あ、そういえば海に飛び込んだままだったな」
ひずにとエースが海を覗くと、キフリらしき姿は見えない。
『・・・どこ行ったんだアイツ』
「俺たちが気づかない内に上がってたのか?」
『・・・まさか溺れて、』
「いや、アイツ泳げるし」
『・・・僕が帰ってくるな!とか言ったから、』
「いやいや、そんな事を真に受ける奴じゃ・・・」
『ヤバイ!!キフリーーーーー!!!』
「お、おぉいっ!?ひずにィィィ!?」
ひずには必死の形相で海に飛び込んだ。
あわあわとエースはただ海を覗き込む事しかできない。能力者が海に飛び込むなど自殺行為だ。
「アレッ?そういえばひずにって泳げたっけか?能力者じゃねェけど・・・でも、泳いでるところ一度も見たこと無いし・・・」
実はひずに、泳ぐのはバリバリのヘタクソカナヅチだった。
「うわァァァア!!ひずにが危ない!!!」
エース、自殺行為に出る。
それを遠めに見ていた二つの影。
「ホラ言ったろ?飛び込むって」
『うわっ、マジだ。エース大丈夫かなァ』
「大丈夫な訳無いだろ。能力者なんだから」
『そうだねー、アハハハ!』
なんとひずにとキフリ。ひずにが海に飛び込んだ後、キフリに引っ張ってもらって別のところから上がったのだ。
そしてエースがひずにを助けに出るかどうか見ていたのだ。
何時の間にこんな計画を立てていたかと言うと、
『エースのとこに行こー』
「えぇぇえぇー、俺を一人にするなー寂しいよう」
『キモッ!!お前そんなキャラだったか!?』
↑と↓の、この間らへんでキフリがボソボソッ、と。
「寂しいよう寂しいよう」
なんやかんや言って全く持ってこの2人のチームワークは良い。
『あ、笑ってる場合じゃないや、エース助けなきゃ』
「俺が引っ張り上げるから、お前飛んで隊長を船に上げろよ」
『イエッサー』
この後無事にエースは救出された。マジで死に掛けていたようだ。
「コラひずに!パパは本当に死にかけたんだぞ!!」
『ヤダ!パパ、僕を残して先に逝かないで!!寂しいよう!!』
「む、むむ、し、仕方がないな、今日は許す」
『うわーん!パパ死なないで良かったァァァ(嘘泣)』
「嘘泣きじゃねェかお前・・・」
ケッ、という目でひずにを見るキフリ。
「あ、キフリ、お前は許さん」
「えぇマジで!?」
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