19:【着せ替え人形】
さて、ナース達がやってきた白ひげ海賊団は家族が増えた。今まで女ッ気の無かった船上は華やかになりつつある。
男達は目の保養を求めてかよくナース室に足を運んだ。親父の部屋と医務室の傍に新しく設けられたのだ。
そして目の保養を求めたのは男達だけではなく、もちろんひずにも行くのだった。
久々の歳が近い女の子との話は弾みに弾むもので、ひずにはよくナース室に入り浸りになった。
『へェ!シャーリーとアンは幼馴染なの?』
「そうよ、小さい時からよくシャーリーのこと知ってるわ」
「アンなんか小さい頃は人見知りでいっつも私に着いてきてたのよ!」
「シャーリーなんか男の子とよく遊ぶ活発な子だったわ」
『アハハッ、分かる。二人ともそれっぽいもん』
「ひずに、男達がひずにに手を出したら言ってちょうだい!私がなんとかしてあげるわ!」
「シャーリーのなんとかは本ッ当に怖い顔して脅すだけじゃない」
「それでも効果があったらいいのよ!」
『大丈夫だよ。僕なんかに手出す野郎はこの船にはいないよ』
「何を言ってるのひずに!いるわよ!」
『え?いるの?』
「男ってのはいつ豹変するか分からないものなのよ」
「そう!そうよ!だから何かあったら私に言いなさい!いいわね?」
『う、うん』
そんな心配はいらないと思うけどなァ・・・、だが全く有無を言わさない威圧に頷くしかないひずにである。
「ねェひずに!あなた、ナース服着てみない?」
『は?』
いきなりコスプレをしろと言われたひずには目を見開いて驚くのだった。
「前から思ってたのよ!ひずにに着せてみたいって!」
「シャーリーはよく人に着せ替えをするのが好きなのよ。今回のターゲットはあなたね」
『あららー。そりゃ着てみたいけど良いの?』
「良いわよ!私のを貸してあげる!」
『多分胸のサイズが合わないと思うな〜』
「いいからいいから!」
とにかくシャーリーはひずにに着せてみたいようだ。
これまた凄い威圧なので着ることにしたひずに。実は楽しみだったり。
『えーっと・・・どう?』
着替え終わったひずには姿を現した。途端、
「キャー!ひずにちゃん可愛い!!」
「すっごい可愛いわ!いっそのことナースやらない?」
「後ろとか向いて!そうそう!」
「やっぱり着せて正解だわ!」
「こんなひずにを見たら男達はほおっておかないわよ?」
「他の男達には見せないわよ!ひずにちゃんをとられるのはイヤ!」
あ、アレ?人数増えてませんか?ちょっ、ものっそい恥ずかしい!
とかって思いつつ照れつつもその場にいたのだった。
と、その時、
「やァナースの皆さんっvV俺とお話しまっ・・・!!!??」
キフリが意気揚々とやってきたのだった。もちろんバッチリひずにのナース姿を見た。
「あ!ちょっとそこの扉閉めなさいよ!!」
「閉めてそれで早く出て行きなさい!!」
「他の男達に言ったらタダじゃすまないわよ」
「すいませんでしたァァァ!!」
一気にナースに詰め寄られ、あたふたと出て行ったキフリだった。
キフリザマァ。とかひずにが思っていたのは内緒である。
『えっと・・・もう着替えていいです、よね?』
ひずにの発言にバッと振り返るナース達。
「まだダメよ!しっかり目に焼き付けなきゃダメだから!」
「他にも着てほしいものができたの!ちょっと待ってて!」
「やっぱりスカートは必須ね」
「可愛いTシャツ持ってこなきゃ!」
『・・・えぇー』
その後ひずにはそりゃもうナース達に着せ替え人形のごとく着せ替えられるのだった。
その頃キフリといえばナース達に嫌われたのとひずにの姿についてショックと驚きでただただ固まっていた。
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