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10:【天才じゃない!?】
特訓開始から1ヶ月が経った。

ひずにはそれはそれは頑張った。走りに走った。ずーっと走った。そしてやっと昨日、1000km完走に至った。

普通の人間で1000kmを1ヶ月で完走はありえないことだがひずにはそんなこと知る由もない。ただエースとマルコとキフリと、その他見守ってくれたクルー達と喜びに喜んで騒いだ。

が、完走して5分後にはまた倒れたのでまたまた騒ぐ。

完走した、ということで今日から・・・、


『あ、やっぱりまだ走るんだね・・・』
「当たり前だよぃ、完走はしてもこなしてないからな」
「さっさと俺みたいになりな!HAHAHA!」
『腹立つよぃ、火拳!!』
「なにそのミックス!!」


はい、まだ走ります。

そしてまた2週間が経つ。


『はぁっ、はっ、完っ、走っ!!』
「おー、お疲れ〜」


2週間、完璧に完走できるようになっていた。完走した後も倒れることはなく元気だ。


「ひずにすっかり体力ついたよな!パパは嬉しいぞ!」
『うんうん!てーか1000km走っちゃうってやっぱり凄いよね!?凄いよね!?』
「おう!すごいぞ!ひずにはすごいぞ!!天才だ!」
『天才!?やっぱり僕って天才か!!すっごーい!!』
「アホみたいなんでやめてくださいエース隊長」
「何言ってるんだキフリ!ひずには完走して天才だろ!」
「どのへんが天才なんですか・・・そんなこと言ったら俺だって天才ですよ」
「違う!ひずにだからこそ天才なんだ!」
「エース隊長、訳分からないです」


ひたすら親バカを突っ走るエースだ。

最近変態発言が少ないキフリ君。おかしいな。


「ひずに、ちょっと来い」
『何ですかマルコ隊長、あっ!マルコ隊長も僕が天才だってことを言い「天才じゃないから安心しろぃ」え〜・・・』
「それで、明日から100周と体術、剣術もやるぞ」
『はへっ、へっ?マヂでェェエェ!!?』
「だいたいこなせるようになったからな、頑張れよぃ」
『おっ、おう・・・』


ちょっと難しい顔になるひずに。


「明日からか、また急だなマルコ」
「俺がコーチなんだからいいだろぃ」
『剣術・・・剣、かァ〜。実戦向きのですよね〜・・・』
「当たり前だろ」
『・・・頑張ります』
「なんだよ、元気ねェじゃねェか。俺と一緒に高揚するか?ベッドの中で」
『やめろ気持ち悪い変態このヤロー』
「そうだぞキフリ!!ここぞというときにお前はうちの娘をたぶらかしおって!!」
「たぶらかしてないですよ〜。最近引っ込めていたけどひずにが元気がねェようだから言ってやっただけですよ〜」
「最近お前、俺を隊長と見てないんじゃないか?」
「気のせいだよ」
「買^メ口だしっ!」
「エース、お前終わったな」
「(ガーン!!)・・・ひずに〜、パパをなぐさめ、アレ?ひずにがいねェ!」
「ひずになら部屋に戻ったっての」
「だからタメ口!!」


その頃ひずには、


『(実戦・・・かァ)』


ちょっと悩んでいた。


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