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1:【来ちゃったんですかコレ!!】

『ん・・・?』


少女が目を覚ますとここは・・・


『っ!!!??何で空から落ちてるのォォォォ!!!!!????』


高い高い、空の上なのでした。


『えぇぇぇ〜〜〜・・・そりゃないよ』


少女の独り言は続きます。


『昨日剣道の試合から帰ってすっごく疲れて眠っただけなのに・・・なんだよ!僕が優勝するのはそんなに嫌だったか神様!!』


どうやら優勝したようです。


『全国優勝だよ』


そうですか。


『てゆーか!待てよ・・・?この展開は夢小説で言えばトリップ!!!だいたいこういう展開には誰かが下で僕のことを助けてくれる人が居るはず!』


クルッ、と少女は仰向けからうつ伏せ状態になって下を見ます。下は蒼く広がる広大な海でした。人や船などの影なしです。


『下海で誰もいねェェェェ!!でも死ぬことは・・・いや待てェェェ!!僕泳げない!!イコール死!!うばばばばば!!!』


うわぁぁぁぁぁぁああああああ・・・少女は落ちます。


『ううう!トリップした世界がONE PIECEでルフィとか誰かが居てくれたらなァ!コンチクショォォオオ!!!』


もう後100メートルで海面にぶつかります。


『あうあうううえええううおおお!!?』


残り50メートル、うつ伏せだから痛いぜ。


『うがァァァァァ!!浮け!僕の体ァァァァ!!!』


残り10メートルを切ったところで少女の体に変化が見られました。


少女の背中がカァァァ・・・と赤く光り始めました。


『熱っ!何か背中熱っ!むずむずす、!!? もうダメだァァァァァ!!』


5メートルを切り、そのとき少女の下でブォォォンッ!と何かが通り過ぎたようですが少女は目を瞑っていた為気づきませんでした。


『うおんっ!?』


バッシャーーーン!と水しぶきがあがり・・・ませんでした。少女は海面1メートル上で浮いています。


『ううううう、浮いたっ!?止まった!?助かった!!?良かったァァァァァ!!!・・・ん?羽ばたきが聞こえる。まさか!僕のこと鳥が助けてくれたとか!?』


そして少女は上を見ました。でも期待していた鳥の姿などありません。それでも羽ばたきは聞こえます。


『んぇー?どういうこったい。発信音からして僕の背中あたり・・・!!!!〜〜っ!!!???』


少女は声にならない叫び声を上げました。それは何故かと言うと、


『つつつつ翼ァァァァァァ!!!!???』


なんと少女の背中に翼が生えてたんですねー。


『うばばばばば!!!僕飛んでるっ!!翼で飛んでるっ!!』


少女の翼は真っ白というよりもどこか銀色に見えるとても綺麗な翼でした。


『わわわわ!!!すっごい感動だよ!!!僕天使にでもなったんじゃない!!?』
「いやー、本当に天使かもなー」
『!!?ひひひひ、人ォォォ!?』
「おう、俺はエースってんだ。よろしくな」


少女が驚いて顔を上げ相手を見ると、ペコリとオレンジのテンガロンハットを被った頭を下げたところだった。
どうやらさっき少女の下を通り過ぎて行ったのはこのエースと言う男の人のようです。


『はァ、どうも・・・ってその帽子といいその声といいエース!!!??あの、あのエース!?』
「ん?俺の帽子?声?」


男・・・エースは声、顔と共に驚いた風に聞きました。

少女はエースをじろじろと、それも失礼なほどに見回しました。そしてエースの顔のところで止まりました。


「・・・何だ?俺の顔に何かついてるか?」
『狽「、いやっ、そういう訳じゃないんです!えええっとその・・・』


少女が恐る恐る尋ねます。


『あなたは・・・ポートガス・D・エースですよね?あの火拳のエースですよね??白ひげ海賊団の・・・』
「おお!親父を知ってるのか!?そりゃ嬉しいな〜!そうだ、俺が火拳のエースだ」


ニカッ、と人懐っこい笑顔をエースは見せます。

少女はエースの笑顔とここがONE PIECEの世界だ、ということに目眩がしていました。


「それで、お前の名前は?」


エースに聞かれて思い出しました。少女はまだ自己紹介をしていません。


『ええっと、ぼぼ、僕はひずにって言います・・・』
「ヘェ、ひずにか!よろしくな!それよりひずに、それ疲れねェか?ずっと飛んでるけどよ」
『え?あ、そうだったァ!!!』


少女・・・ひずにが大きな声を出します。


『何で僕に翼が!?何時の間に!?』
「ん?お前能力者じゃねェのか?にしても綺麗な羽だよな!白っていうより銀だな!」
『いや、僕は悪魔の実は食べてないよ?泳げないけど。・・・あ、何かどっと疲れがきた。エース、そこ乗せてくれる?』
「おう、構わねェぜ」


ありがとう〜、とひずには気の抜けた声で言うとエースの乗っているストライカーに足を着いた。


『あ〜・・・コレってどうやってしまうんだろ・・・?』
「さぁな。意識すればいいんじゃねェか?」
『うーん。翼よしまえー』


そうひずにが唱えると、翼はひずにの背中からパァッ、と一瞬光り消えました。


「おっ!できたじゃねェか」
『わァホントだ。エースありがと〜』
「俺は何もしてないけどな。それより悪魔の実を食ってないですげェな・・・なんであんな空高くから降ってきてたんだ?」


そう言ってエースはひずにが落ちてきた空を見上げました。そういえば、とひずにも見上げます。


『実は僕もよく分からないんですよ・・・目が覚めたら真っ青な空が見えてて、下を見たらこれまた真っ青な海が見えて・・・』


本当に何故!?でもここがワンピの世界だったからまァいっか、と一人満足しているひずにの様子を見ながらエースは考えていました。そして何か思い出したのか、手のひらにポンと拳をのせ言いました。


「ひずに、お前ひょっとして〈神の落とし子〉なんじゃないか?」
『んん?〈神の落とし子〉??』


なんだそれ、とひずにが首を傾げます。エースが質問に答えます。


「〈神の落とし子〉っていうのは突然何もないとこから人が現れたり、さっきひずにが空から降ってきたようにして別の世界から人がやってくるってやつなんだ」
『あ〜・・・確かにそう言えば僕は〈神の落とし子〉ですね〜・・・だって僕のいた世界と違いますもんココ』


苦笑しながら言うひずに。

やっぱり!とエースが嬉しそうに言います。


「ひずには〈神の落とし子〉なのか!!スッゲェな!」
『いや、確かにすごいですよね〜・・・』
「ん?それならなんで俺の名前知ってたんだ?」
『あっはは〜それはですね・・・』


ひずにはこの世界が自分の世界では漫画になっていることを告げた。エースの弟ルフィが主人公だというこも。


「本当か!?これまたスッゲェな!!!俺の弟が主人公の漫画かァ〜〜!!」


エースはこの世界が漫画であることよりも自分の弟が主人公というところに感動していた。

エースはブラコンなんだと再認識したひずにであった。全くもって失礼な奴である。


「へェェ〜・・・なァひずに!お前白ひげ海賊団に入らねェか!?」


エースが楽しそうにひずにを誘います。


「その漫画読んでるなら知ってるだろ!?親父がスッゲェいい人だってことをよ!」
『うん!知ってるよ!親父は本当にヤバイね。本当に親父だもんね』
「なっ?なァだから入らないか??みんなきっとひずにを歓迎するぜ!」
『でもさ・・・僕戦えないよ?荷物になっちゃうと思う・・・』
「そんなことねェよ!俺がひずにを守ってやるよ!」
『(ズキューン!!)・・・!!エース・・・!』


エースのセリフにイチコロだったひずに。ひずにの決意は固まった!


『じゃあ僕入るよ!白ひげ海賊団に!』
「おうっ!それじゃあ行こうぜ!親父の所に!!」


そしてエースとひずには向かいます。白ひげのいるモビーディック号に。


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