[携帯モード] [URL送信]
噂の(魔法 シリウス)



───昼休み、中庭に来て。

また呼び出しか。告白なら手紙で言えば事足りるというのに、何故女は直接言いたがる。まあ手紙で想いを伝えられた所で振るのは目に見えているのだが。


「あんたなんか土に還ればいいのに!!」

中庭に告白のために呼び出しをされたのだと思って来てみれば女がヒステリックに叫んだ。意味が分からない。何事かと廊下を歩いていた生徒や中庭でじゃれていた生徒達が蟻のように群がってきた。

セットされた舞台のような人の環のなかで、女はシリウスを睨み付けた。その目は猛禽類のように鋭い目で、これが告白でない事はだれの目から見ても明らかだった。そしてその女の容姿はそこいらの女達よりも断然綺麗で、そんな奴が自分に告白をするわけもなかった。

「あんたのせいで私の愛しいハニー達が泣くはめになったんだよ、どう責任とってくれんだ!!」

は?ハニー?

あぁ、コイツはあの有名なレズ女か。シリウスは頭の記憶から目の前の人物の情報を引っ張り出した。スリザリン寮生で、成績優秀、容姿端麗、そして大の女好き。自分の男にも似た容姿を生かし、同性を誑かす。

「あんたがね、そんな容姿をしてるからハニーがあんたに目移りしちゃうの!!」

「俺の知った事か。惚れる方が悪い」

どうでもいい事だ。それは別に自分の責任ではない。シリウスはその場を去ろうとしたが、女が立ちふさがる。

「どけって」
「いやだ」
「どけよ」
「いやよ」

どちらも一歩も引かない。仕方なしにシリウスは強行突破に出る。彼女の横を無理やり通ろうとした時だった。

「エクスペリアームズ!」

急に魔法が飛んできた。受身を取る事も出来ず、シリウスは吹っ飛ぶ。

「てめっ、やんのか?」

シリウスも懐から杖を取り出した。その時、騒ぎを聞きつけた先生がやってきた。

「ミスター・ブラック。女の子に杖を向けるとは何事ですか?」
「は?どう見てもコイツが・・・」

「先生っ!!わ、私何もしてないのにっ!ブラック君が急にっ・・・」
「あぁ?てめぇ何言ってやがる」
「ブラック。ついてきなさい」

有無を言わさずな口調に仕方なくシリウスは先生についていく。振り返ってレノアを睨めば、向こうはしてやったりと笑顔をこちらに向けてきた。

友達から賞賛の言葉をかけられているアイツを見て無償に腹が立ってきた。

先生の説教を子一時間ほど受けて向かうはスリザリン寮。知り合いの女に頼んで中に入れてもらう。

「おい。お前」
「あ?あぁ、ブラックじゃん。」
「あぁ。じゃねえよ!昼間はよくもっ」

とぼけた顔をする女にさらに腹が立つ。腸が煮え返るとはこのようなことを言うのだろう。

「あんたが、今後一切。女の子との関わりを絶つというのなら謝ってやってもいいわよ」
「は?」
「もし、女の子達と手を切らないというのならば・・・その時は覚悟しなさい」

スリザリンらしい冷え切った目でこちらを見てくる。何故、女はこういう時だけ恐ろしくなるのだろうか。

「おい。てめぇ。つまりそれは俺と付き合えって言ってるのか?」

冗談まじりで女に聞いてみる。すると、女は顔を赤くして怒鳴り散らしてきた。

「べ、別にそんなわけ無いじゃないっ!!ちょっと顔がいいからって自惚れるのも大概にしなさい!」
「へえ、顔はいいと思ってんだな」
「なっ・・・!!」

赤くなるそいつの反応があまりにも面白いものだからついついからかってしまった。

しかし、次にそいつの口から出た言葉に唖然とした。


「ならいいわよ。付き合ってやろうじゃない」






GLORY


(お前、バカだろ)
(バカですって!?あんたの方がバカよっ)
(はいはい。じゃ、付き合ってやるよ)
(何!?その上から目線)
(だって俺のが上だろ?)

─────

あれ、流れが不明だよ?シリウス君。
もういいよ←やけくそ

テストの点数からの現実逃避の結果がこれです。

2010/11/03




あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!